2023年12月02日

なんで「ウィッシュ」にこんなに魅力がないのだろう?

ディズニー100周年記念作品が大コケしてると聞いて、
予告を見てみた。
全然見たいと思えないのはなんでやろ。
https://m.youtube.com/watch?v=qinYBCALnvE&t=9s&pp=2AEJkAIB

ポリコレだから、ではないと思う。
よくあるパターンの詰め合わせ、なのもよろしくない。

だけど本当の理由は、
「うしろ暗くないから」じゃないかと思う。


そもそもフィクション作品というものは、
映画というものは、
映画館というものは、
後ろ暗いのものでは?
というのが僕の感覚だ。

学校サボって見に行くとか、
邪な気持ちを抱いてる女の子を連れてくとか、
仕事がどうしようもなくて、
一人で深夜の映画を見るとか、
「まっとうな、明るく、家族でも安心の、
教科書的な」
ものではないと思っている。

「日の当たるところではない気持ち」が、
映画の本質ではないかと。


昨今のポリコレより以前から続いている、
なんだか明るくて毒が抜かれてて、
箸にも棒にもかからぬ、
よく加工されたものを提供する、
という流れが僕はつまらないと考えている。

逆に言えば、面白さの本質とは、
人に言えないもの、
明るいところでは憚られるもの、
大人の紳士の秘密のもの、
女子が来たら隠すもの、
牙のあるもの、
後ろ暗いものなのでは?
と考えている、ということ。


アメリカのポルノは詰まらない。
みんな笑顔でイエーとか言いながらセックスしている。
日本の、嫌、嫌、でも気持ちいい、
なんてやつがなさすぎてね。
アメリカのポルノは、
自ら進んでセックスしてないと、
レイプを助長するからダメだと聞いて、
闇の深い国だのうと思った記憶がある。

でもね、
闇に触れずに何が芸術かって話ですわ。


願いを叶える魔法の国。
魔法に触れたら動物が喋り出す。
(コメディ担当でどうせおっちょこちょいで毒舌なんでしょ)
そして悪い魔法使い。
パターンもパターンだし、
ミュージカルの感じもいつもと同じ。

何度も何度もこすられた、「ただしいディズニー」。

そこに、詰まらなさがあるのでは?


映画は、物語は、
「やっちゃだめ!」と怒られることをするから面白い。

そうだな、PTAを敵に回すべきだ。
PTA=女性をターゲットにしたから、
映画は衰退を始めたといえば言い過ぎかね?
そんな女性もどこかでBLとか見てるくせにね。

その、「後ろ暗さ」こそが、
芸能の、興行の、芸術の、見せ物の、物語の本質だと思う。


少なくとも、ウィッシュのこの予告編には、
どこもそれが感じられなかった。
なので見ようと思わない。


黒人かどうかはどうでもよい。
面白ければOK。
ただ、北欧風の寒そうなヨーロッパ的な街に、
暑い国の黒人が住んでるのは違和感がある。
北海道の沖縄人の話みたいで、
不自然さが勝るのはたしか。
ただ白人ヒロインのスキンを変えただけでは、
置換ができたとは思えないのよね。

ルーツを無視するのは人種差別か?
そんな明るいことはどうでもいいから、
暗いところを見せてくれ。



僕は高校生ぐらいの時に、
「オリンピックとか万博のオープニングをやるようになったら、
アーティストとして終わりだ」と感じた。
同じことを考えていたと思う。
ディズニーもそうなったのかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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