と問われたら、どう答える?
難しい問いだ。
でも難しく考えることはない。
おそらくだけど、
毎回違う答えになる気がする。
実は、物語はそれに答えている。
どういうことかというと、
人間が時々で大事にするものは変わりえる、
ということだ。
気分で毎時間変わるかもしれないし、
明日は考えることが変わってるかも知れない。
女の気分なんて分単位で変わる。
だから、色んなタイプの物語がある、
と考えるとよい。
もし大事なことがたったひとつで、
ずっとぶれないならば、
たったひとつの物語だけを大事に持っていればいいだろう。
だけど人生で一番大事なものは、
時々で変わりうるから、
その都度、大事なものを表現した物語を「消費する」、
ということだ。
好みは都度都度変わるから、
色んなものを置いといて対処しようということだ。
本棚に色んな本がある理由は、
レンタルビデオ屋に色んな映画がある理由は、
色んな人々の好みに合わせているわけではない。
それもあるけど、
「一人の中で見たいものは都度変わる」のである。
占い師を一人頼るのではなく、
色んな占い師に聞きたい心理かな。
今日はコメディが見たいと思うときもあれば、
急にまじめな戦争ものが見たくなるときもあろう。
流行りのスポーツものがあればそれも見るかもしれない。
人のコンディションは毎日変わるわけ。
だから、いま一番何を大事にしているかも、
どんどん変わっていく。
フィクションというのは消費されるためにある。
だから一個じゃない。
沢山たくさんあって、
都度気分によって呼ばれるだけの話だ。
飯屋と同じ。売春婦と同じ。
だから、
「あなたが最も大事にする価値観、世界観」
を選びに選んで表現する必要はない。
それも明日になったら変わってるよ。
「ある時点でやろうと思ったこと」を完成させるだけでいいよ。
そして別のときに、別のことをやろうと思って、
それを完成させればいいのさ。
あなたが書くものは、
あなた自身と関係なくてよいし、
関係のないもののほうが上手く書ける。
だから、
あなたの人生で最も大事なものを込める必要はない。
それをやると、明日気分が変わったときに、
思い入れがなくなって辞めてしまう。
そうじゃなくて、
「どういう気分のときにも、まあそれは書いておこうか」
というものを書くべき、
という話をしているわけだ。
あなた自身が明日違う自分になっている。
気分とはそういうものだ。
消費者も同じで、作者もそうなのだ。
だから、
作品というのは無限にたくさんある。
2024年02月06日
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