これはプロ的な感覚かもしれない。
120点を取るのがプロではない。
失敗しない70点を毎回出すのがプロだ。
アベレージが高い、というべきだろうか。
これなら失敗して凹むことがない。
最高点までは行けなかったが、
まあここまでは、ということで何とか落ち着ける。
若いころは、
120点とか、130点とかを毎回狙おうとする。
しかしそんなこと毎回できないことに気付いてくる。
最初は50点が70点になり、80点になり、90点になるが、
そのうち100点がなかなか出ないことに気付く。
自分の要求が上がって来るし、
そもそも世の中に100点があるっけ?
などと思い始めてくるからだ。
仮に100点を取った出来が出来たとしよう。
だとしても、
次につくるものがまた100点になる保証はない。
ということは、
かなりの確率で、次につくるものは面白くなくなる。
ということは、
そこでやめてしまうということだ。
だってこれ以上やってもこれ以上が出来ないからね。
だったら、
凡作だとしても、アベレージ70を出せるように、
毎回ちゃんと出来ているものをつくるほうが、
作り続けられるものだ。
今回は80乗ったな、とか、
今回は60かー、とか、
色々変動はするだろう。
100行けるチャンスが訪れるかもしれない。
そもそも100取ったらこのゲームはおしまいなのかね。
一回100取ってしまったら、
二度と新作をつくらない気がする。
それは飽きると同時に、
もう一度100以上を取れないことが怖くなるからだね。
だったら、
70前後を常にとれるような、
潰れない人がプロだと言えると思うよ。
どんなものでも70出せる人は、ほとんどいない。
その実力こそが大事なんだよ。
100点取るか0点取るか分らないギャンブルに、
人はなかなか乗らない。
70点でまとめる人こそが、
毎回チャンスを得るのだ。
こんな風にして考えても、
人はつねに100を出そうとする生き物なので、
どんどん70のつもりでやり始めて、
100を狙ってもよい。
しかし、
出来ていないものは0点なので、
まずは70点を取ろうぜ。
いったん完成さえさせれば、
評価の土俵に乗るから、
そこから伸ばせばいいのだ。
完成したときに20点しかないこともよくあるので、
そこから70まで上げることだって創作だ。
100か0かしかないのはアマチュアの世界だ。
だからアマチュアがつくる突然変異のようなものが、
120点行く時がある。
しかしその人の次回作は121点以上取らないと認められないし、
次が70点でも失望されるんだよ。
おそらくその人はやめてしまうだろう。
作り続ければ、
いつか100のチャンスが訪れる。
それまで作り続けて待つのだよ。
同じものを作り続けるのではなく、
なるべくいろんなものをつくって、
どんなものでも70点取れるだけの力を得よう。
そっちの方がむずかしい。
たった一回大傑作をつくっても、
一生それで食える業界ではない。
コツコツやれる力は、
いつか二回目の、三回目のブレイクチャンスを呼ぶ。
その時にフルスイングすればいいだけだ。
2024年02月15日
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