2024年02月15日

続けるコツは、7割出来を量産すること

これはプロ的な感覚かもしれない。


120点を取るのがプロではない。
失敗しない70点を毎回出すのがプロだ。
アベレージが高い、というべきだろうか。
これなら失敗して凹むことがない。
最高点までは行けなかったが、
まあここまでは、ということで何とか落ち着ける。

若いころは、
120点とか、130点とかを毎回狙おうとする。
しかしそんなこと毎回できないことに気付いてくる。
最初は50点が70点になり、80点になり、90点になるが、
そのうち100点がなかなか出ないことに気付く。
自分の要求が上がって来るし、
そもそも世の中に100点があるっけ?
などと思い始めてくるからだ。

仮に100点を取った出来が出来たとしよう。
だとしても、
次につくるものがまた100点になる保証はない。
ということは、
かなりの確率で、次につくるものは面白くなくなる。
ということは、
そこでやめてしまうということだ。
だってこれ以上やってもこれ以上が出来ないからね。

だったら、
凡作だとしても、アベレージ70を出せるように、
毎回ちゃんと出来ているものをつくるほうが、
作り続けられるものだ。

今回は80乗ったな、とか、
今回は60かー、とか、
色々変動はするだろう。
100行けるチャンスが訪れるかもしれない。

そもそも100取ったらこのゲームはおしまいなのかね。
一回100取ってしまったら、
二度と新作をつくらない気がする。
それは飽きると同時に、
もう一度100以上を取れないことが怖くなるからだね。

だったら、
70前後を常にとれるような、
潰れない人がプロだと言えると思うよ。

どんなものでも70出せる人は、ほとんどいない。
その実力こそが大事なんだよ。
100点取るか0点取るか分らないギャンブルに、
人はなかなか乗らない。
70点でまとめる人こそが、
毎回チャンスを得るのだ。

こんな風にして考えても、
人はつねに100を出そうとする生き物なので、
どんどん70のつもりでやり始めて、
100を狙ってもよい。
しかし、
出来ていないものは0点なので、
まずは70点を取ろうぜ。

いったん完成さえさせれば、
評価の土俵に乗るから、
そこから伸ばせばいいのだ。
完成したときに20点しかないこともよくあるので、
そこから70まで上げることだって創作だ。


100か0かしかないのはアマチュアの世界だ。
だからアマチュアがつくる突然変異のようなものが、
120点行く時がある。
しかしその人の次回作は121点以上取らないと認められないし、
次が70点でも失望されるんだよ。
おそらくその人はやめてしまうだろう。

作り続ければ、
いつか100のチャンスが訪れる。
それまで作り続けて待つのだよ。
同じものを作り続けるのではなく、
なるべくいろんなものをつくって、
どんなものでも70点取れるだけの力を得よう。
そっちの方がむずかしい。

たった一回大傑作をつくっても、
一生それで食える業界ではない。
コツコツやれる力は、
いつか二回目の、三回目のブレイクチャンスを呼ぶ。
その時にフルスイングすればいいだけだ。
posted by おおおかとしひこ at 06:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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