2023年12月29日

【自キ】最近やってることのメモ

ひたすら打鍵感を追求している。
失敗したことも含めて書いておく。


1. ゴム足の追求

打鍵感の終着点であるはずのゴム足を、
みんな語らないのはなんでやろ。
机との接触点だから、
すべての振動はここで決まるはずなんだが。

色々やってみたところ、
平面で接地する質量の小さな低背タイプより、
点で設置する大きめの半球タイプの方が、
振動が安定するみたい。

キーボードは低くありたいが、
振動吸収を考えると、
ゴム足自体の質量が大きくないと、
がたつくようだ。

また、ゴム足は3個ではないため、
ゴム足がつくる平面そのものが、
平面でないことがとても多い。
ボトムのアクリルプレートが歪んでいたり、
ネジの締めが甘かったりで、
常に平面接地できているとは限らない。
なので、マステを3〜6枚程度積層させて、
ゴム足に貼り、高さ調整をすると、
接地のいいものをつくれる。
(見た目はとりあえず無視)
MiniAxeの場合、どうしても親指キー下が浮くっぽい。

テーブルや椅子の中には、
ゴム足の根元にネジがあり、
高さを微調整できるやつがあるよね。
それでガタツキを抑えるやつ。
あんなふうな構造なら、困らないんだけどねー。


2. トップハウジングとデッドナー

一番上のパート。
トップハウジングとデッドナーを、
接着した。(セメダイン社のスーパーX2)
トップハウジングとデッドナーの個体差が微妙にあり、
噛み合いが緩み、
振動している間に外れていくことがわかったので。
ピッタリと摩擦ではめても、
一日の終わりに共振ノイズを発生するようになる。
都度押し込んでもいいんだけど、
だったら止めてしまえ、と。

トップハウジング側のデッドナーは、
戻り時の振動の、共振を抑制する。
つまり戻ってきたときに、
コン、ビイイインってなるやつの、
ビイイインが消える。
コン、スンって感じに。

接着により安定するのはとても良いが、
このデッドナー一個プリント700円!するので、
スイッチに接着すると再利用できないのよね…
Pearlioより高い単価だ。笑


3. トップハウジングとリーフの接触部

リーフノイズというものがある。
打鍵時、戻り時に、
金属リーフの振動が、トップハウジング裏を叩き、
ノイズになる現象。

ボトムハウジングとリーフの間に2枚マステを挟む、
トップハウジングの裏、リーフが当たるところにマステ2枚を貼る、
トップハウジングの裏、天面にマステ6枚積層を貼る、
で最も効果があったものが最後のもの。


4. トップハウジングの裏、ステムの両肩が当たる部分

には、鉛シートを貼ってたのだが、
これが振動を鋭くしてしまうのでは?と思い剥がすと、
戻り時の振動の初動が柔らかくなった。
スイッチ設計通りがいいみたい。


5. スイッチフィルムをやめた

上下の噛み合わせがたまにギシギシしてるので、
マステを1mmの短冊に切り、
上ハウジングと下ハウジングの噛み合い部分に貼ってみたが、
ありなしでほとんど変わらないため、
全部なしにした。


6. ボトムデッドナーを3Dプリントから鉛に変えた

底打ち時の振動をデッドニングするため、
ボトムハウジングの隙間、
LED光通過スペースと、
側面の四角い隙間を3Dプリント(MJF)パーツで埋めたが、
側面のものを鉛シート3枚積層に変えたら、
より共振のデッドニングに成功。
質量は全てを解決する?

前者はまだ鉛を試していない。


7. プレートマウントの摩擦の調節

14mm角の穴を開けてるだけなのだが、
間に2枚マステを挟むと弛まないのでは?
と試したところ、
打鍵音がthock寄りになった。
好みじゃないからやめたけど、
低めが好きな人どうぞ。
マステを色んなところに貼ると、
基本的にthockになるっぽい。


8. PCB下、ボトムプレートとスイッチ足の間に真鍮ブロックを

これはずっと前からやっている、
メインの打鍵感を硬質にするための工夫。
大理石を打った時のようなコンっていう感覚になる。

ただ、高周波(キンって振動)が出るため、
おそらくこれがスイッチに伝わり、
スイッチ自体が共振する。
それをデッドナーで止めているわけだ。


9. PCBとボトムプレートの間にシリコンを挟む

いわゆるガスケットマウントに近いことを試している。
Oリング?囲んでないからガスケットかな。
たしかに各キーの打鍵感が揃うが、
シリコンを入れすぎる
(外周だけでなく、真ん中とかも)と、
跳ね返りが強くなり、ノイジーになってしまった。
今は外周の一部なので、
表面で跳ね返ってくる感覚はなくなり、
奥までヌンって入ってから共振がなくストンと戻ってくる感じに。

また、シリコンの代わりに、
アクリルで埋める(アクリル棒の積層)もやってみたが、
打鍵の帰りが表面的になってしまった
(奥に手が届かず、浅いところで帰ってくる感じ)
ので、
好みでないので外した。



クルマのサスペンション周りのセッティングを詰めるのは、
大変時間がかかるらしいが、
それを実感できる。
何がどういう振動になってて、
自分はそのどの成分をどう感じてるのかを、
調べながらの調整になるので。

ようやく右手分が納得いったので、
これから左手もそれに合わせるよ。
しかも写真撮っても外からは同じで映えないというね。笑


ちなみに、
スイッチはGEONのRAWシリーズ、Tecsee RAW。
ステムがHPE(ウムピエより摩擦が小さい)、
ハウジングがナイロン66。
バネはいつものSprit DesingsのMX supreme 30S
(アクチュエーション20g、ボトム30g)を、
いつものKritox 105でバネルブ。

摩擦がPearlioより少なく良好なスイッチ。
Pearlioはレールに接触しながら滑っていく感じが気持ちいいが、
Tecsee RAWは、接触せずにぶれながら落ちていき、
時々摩擦を感じる、くらいに何もない感覚なのが良い。
ただ、
レビューにもあるようにリーフノイズがかなりひどいので、
そこはマステ6枚積層でカバーだな。


ファクトリー状態のバネより軽くしたのに、
なぜ振動を余計に感じるのか?
については色々考えてたんだけど、
単純にステムの激突速度が上がってるから、
という結論に達した。

重いバネだと減速してる分がなくなるから、
軽いバネは高速でボトムに当たるようになり、
つまり初期衝突エネルギーが高いから、
振動が激しくなるのだな。


軽いバネほどスイッチのアラが見える、
という経験則は、
そもそも「そんな高速動作を想定していない」
ということのようだ。
posted by おおおかとしひこ at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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