2024年01月01日

才能とは何か

俺には才能がないんだ、
ときにそう思い、落ち込むことは多々あるだろう。

まあそれで落ち込むことはない。
そういう意味でいうと、才能の要素よりも、
物語にはデカい要素があり、
そっちが欠けているほうがつまらなさの原因になる。


僕は、それは、
「どれだけその題材に真摯に向き合ったか」
だと考えている。

どんなに才能があったとしても、
その題材を適当に扱っていては、
面白いものなど出来はしないと考える。

その題材において、
世界初、一番真摯に取り組んだ人が、
そのジャンルで優勝する、というふうに考えている。

だから、手垢のついた題材はつまらないのだ。

仮に、
新しい魚がみつかり、
おいしい料理法を考えるチャンスが訪れたとしよう。
そのときに、
その魚に一番真摯に取り組んだ人が、
その魚を一番うまく食える料理に、
辿り着くんじゃないかな。

それは努力もあるし、
天性のひらめきもあるに違いない。
しかし、
「その魚を一番よく知っていること」が、
「その魚を最も有効活用すること」だと思うよ。

偶然、天才による調理法が発見されるかもしれないが、
最終的にその魚を一番旨く食う方法は、
その魚を一番よく知っている人が考えた料理になると思うな。


だから、
才能がないと嘆いている暇があったら、
その題材について、調べ、真摯に考えることである。
足りない部分があったら勉強して、
関連することすべてに詳しくなることだ。
嘘をつくには、本当を知らないといけない。
そのことに一番詳しいやつが、
本当と嘘を混ぜながら語れるのだ。

才能があるとしたら、
そこに辿り着ける速度のことかもしれない。
愚鈍でもいつか一番詳しくなればいいのさ。
最終的に面白いのをつくれれば、
誰も才能がないなんて言わない。


何かを指摘されて、
「そんなことは考えもしなかった」ってやつは、
その題材について真摯に取り組んでいなかった証拠だ。
もっと視野を広く深く、見聞を広く深くして、
その題材に関するすべてを知ることだ。
そして、
それらを踏まえて、嘘を効果的に作ることだ。

その後ものすごい面白い嘘になるかは、才能が左右するけれど、
結構面白い嘘かどうかは、地固めで決まるよ。
posted by おおおかとしひこ at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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