タイパーの人たちのタイピング攻略を見てると、
完全にゲーム攻略の部分があるよね。
運指最適化なんてまさにそれで、
ワードガチャすら攻略のひとつだったりする。
(タイプウェルって時計でランダムセットが変わるらしいので、
どの時間帯にどのワードセットが出やすいか調べたり)
それと、僕の追求するタイピングは、
やり方が異なるなあと思っている。
正確性重視とか、速度重視とか、
タイパーのゲームはとてもゲーム性がある。
鍛えれば鍛えるほど速くなる、
スポーツ性もある。
eスポーツとしても面白い題材だ。
変換ありのタイピングゲームで、
変換回数の少ないワードガチャだ、
という攻略まで突き進んでるのを見て、
本末転倒というか、
目的を無視した、攻略の逆の凄みを見た。
僕にとっての「タイピング」とは、
全然違うなーと興味深く見ている。
僕にとってのタイピングは人を殺す道具と同じで、
なるべく無駄をなくして、
なるべく沢山やっても疲れなくて、
なるべくシンプルで、
なるべく間違えづらく、
なるべく無意識で使えて、
なるべくどういう体勢でも続けられるもの、
が要求される。
攻略する余裕など切り捨てたい。
攻略する余地があるということは、
そこに無駄があるわけだ。
運指最適化をしなければならないなら、
標準運指での運指に不備があるわけだ。
変換回数が少ない方が速いなら、
そもそも一発で出るような文節区切りで変換したり、
いいIMEをつくるべきだ。(IME作成まではできないけど)
もちろん漢直でもいいよ。
人を殺す刀が歪なので、
どう工夫するかを競ってるのがタイパーで、
人を殺すための刀にちゃんと作り直してるのが、
僕の立場だね。
配列の動きの無駄をなくしたい。
今は「み」と「め」の連接を潰している状態。
あるいは、
打鍵感を良くして、手の動きの最小性も確保したい。
左右分割格子配列MiniAxeと、
ドームキーキャップと、数々のスイッチやケースの工夫。
あるいは、
打鍵姿勢そのもので楽して、しかも寝返りを打てるようにゆるゆるになりたい。
そこでやっとバビロンが完成したっぽい。
それはすべて、
「文字を書くための最適な道具」の、
再発明をしているような行為だ。
ぶっちゃけ、紙とペンの方が僕の文章はよくなる。
でも、デジタルでは発信できないので、
それに肉迫するにはどういう道具がいいか、
ということを突き詰めてここまできた。
やっと、楽にずっと書けるシステムが、
一段落したような気がしている。
一ヶ月単位では、影響は甚大であろうと思われる。
タイパーたちの攻略と異なるものがある、
と示すには、
僕が楽々沢山書くのがいいだろう。
速度的にはどうなんだろう。
1000字(変換後)/10分もあれば、
分量としては相当書ける。
だけど5000字書くのは結構しんどいものだ。
経験的に一時間で書ければいいほうだな。
一時間耐久動画を撮ろうかな。
誰がケツまで見るんや、はありそうだが、
実験としては見てみたい気がする。
タイパーたちの戦場は、刹那の時間である。
そこの土俵で勝負してもしょうがない。
僕はゲーマーではない。文筆家だ。
その土俵で優勝しなければならないわけだ。
どんな素晴らしい道具を使ってても、
その土俵で結果を出さなければ認められないだろう。
なまくらで一万人切った男と、
村正で一人しか切ってない男では、
前者の方が評価される。
タイピングは、
結果に対する原因になるべきだと考えている。
「ああ、薙刀式だから書けたんですよ。
他じゃ無理でしたね」
ってならないとなあ。
9年かけて書いた108話の小説を、
ようやく完結まで書き終えた。
最初はqwertyローマ字で何も知らずやってて、
不合理すぎるのでHHKBを買い、
カタナ式をつくり、
「不死の谷」の途中でカタナ式を捨てて薙刀式をつくり、
自作キーボードをつくってきた。
たかがメンブレンキーボードとたかがqwertyローマ字では、
ここまで辿り着けなかったと断言する。
当初は3000字/一日が限界だったもの。
それに三時間から五時間はかかってた。
それが1万字/一日くらいは平気になって、
ようやく文章というものに自在になってきた気がする。
タイパーの攻略は、この世界には役に立たない。
もっと根本的な、
指の動線の最適化、物理キーボードの動線の最適化、
思考と指を結びつけるなにかが、
必要だったと考えている。
さて、結果を出さなければ。
次の新作へ向かいたい。
2024年01月02日
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Posted by 瑛香 at 2025年06月11日 11:26
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