2024年01月03日

【薙刀式】ヒューマンエラーの常識

人は間違う。それは真実である。
そして間違わないことはない。
だから、間違えたときに、
うまく訂正するシステムが重要だ。

今回のJALと海上自衛隊の接触事故は痛ましく、
しかも北陸に物資を運んでいた緊急体制での事故、
というのが二重につらいが、
これを二度と起こさないためには、
「間違えた時にうまく訂正する」仕組みを考える、
知性が必要だ。


https://x.com/keiyou30/status/1742408232969310698?s=20

これ、
バカがシステムを作り直すと、
「二重チェック、三重チェック」を増やしたり、
「間違わないための専門家教育を増やす」になりがち。

結局現場の取り回しが悪くなり、
素人では手伝えなくなるという、
(専門家が足りない事故が起こる)
最悪の現場が出現する。


知性はこうしない。
「そもそもヒューマンエラーが起こりにくい形にする」とか、
「エラーに気づきやすく訂正しやすい仕組みにする」
を考えるべきだ。

つまり、
「バカでも無意識に使えるもの」
「バカでもやべ間違えた、直せるぞと気づけるもの」を、
つくることが大事だ。

人をバカにしているわけではない。
人は全員バカ前提で、システムを組め、
ということだ。
もちろん優秀な人が使うシステムだけど、
優秀な人でも年一で間違うものだ。
必ず間違えて、間違えた時に訂正できるものが、
優秀なシステムだ。


僕は航空管制は専門でないから分からないが、
ヒューマンエラーや訂正に関してはまあまあ知ってるので、
どうかくだらねえシステム変更だけはやめてね、
と愚か者の上司でないことを祈るだけだ。


ちなみに、
文字入力システムである薙刀式は、
なるべくバカでも無意識に使えて、
なるべく訂正がすぐにできるシステムにしている。

ノーミス前提のタイパーや、
清濁別置のような運用の難しいものをクリアできる人を、
使用者に想定していない。

20%程度間違えたり訂正したりする人のために、
右手人差し指上段のUにBSを置いている。
編集モードでは再変換の動線を組んでて、
簡単に再変換して元に復帰できる仕組みがある。
(動画でも僕はしょっちゅう使っている。
MS-IMEの挙動が不安定だからだ)

あるいは清濁半小同置は、
忘れた時にも復帰がしやすい。
人は忘れることを前提にしている。

さらに拗音外来音同置は薙刀式だけが持つ特徴だが、
一発で打てる気持ちよさと、
忘れても3キーをおそるおそる同時押しすれば、
なんとか打てるような、
人は忘れることを前提にした仕組みだ。

そして、
QやTやYのような、
ブラインドタッチ困難なキーを使わないことで、
打鍵の安定性をあげている。

バカでも使える配列、
というと角が立つけど、
僕はバカでも使えるシステムが、
一番偉いと考えている。


専門用語では、
フェイルセーフ(間違った時にもすぐに訂正できる)、
フールプルーフ(バカでも使える説明不要さ、
あるいはバカでも間違えたと自覚できて、修正できるもの)、
などと呼ばれ、
ヒューマンエラーの研究はとても進んでいる。

しかしこれらの知見が、
ハンコを押す上司や、相談した似非コンサルまで、
知られていないことが問題だ。

エンジニアたちは、
人間が悪いのではなくシステムが悪いから、
システムを改善しようという文化がある。
そのときに、
迅速性と事故防止のどちらを優先するかは、
今のところ基準ができてないね。
ソフト的な事故は深刻でないことが多いから、
分かった上で迅速性を重視することもあろう。


バカでも使えるようになるには、
知性が必要だ。
どうかこんな事故が起きないように、
うまい迅速なシステムを再構築してほしい。

薙刀式は、
バカでも使える、快速で優秀な配列だ。
これを評価できる人は、
こうしたヒューマンエラーの専門家かもしれないね。
posted by おおおかとしひこ at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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