主人公と敵は、対比的なほうがよい。
コントラストがあるほうが、立つからだ。
たとえば。
先日の記事で、愛しかたが違う、というのは書いた。
それだけじゃなくて、
どんな下らないことでも対比的であるとよい。
明るい性格と暗い性格、
赤い服が好きなのとモノトーンが好き、
背が高いのと低い、
デブなのと痩せているの、
裸眼とメガネ、
長髪と短髪、
黒髪と茶髪や金髪、
運動神経抜群と運動音痴、
歌がうまいのと音痴、
何やらせても器用なのと不器用、
こしあん派とつぶあん派、
うどん派とそば派、
都会育ちと田舎育ち、
兄弟姉妹と一人っ子、
インドア派とアウトドア派、
ジャンプ派とマガジン派、
やりちんと童貞、
などなどなど。
なんでもよいから、対比的にしておけ。
本編に描かないものでもいい。
こしあん派とつぶあん派なんてめったに使うことはないだろうが、
でも和菓子の何かでもめることになるかも知れない。
旅館に泊まったときに何か揉めるかもしれないし。
本編で全部使わなくていい。
しかし、
「本質的に相いれない」ことを表現するのに、
これらの1〜2個が使われるなら、
それもいいことだ。
どこかでイラっとして、こいつとは一緒にいられない、
と生理的に思う原因になるかも知れないわけ。
物語において、
敵は敵である必要はない。
目的が相いれないだけで、
別に仲良くできる可能性があってもよい。
しかし、
ほんとうに相いれないんだなあ、
ということを描いて、
殺し合いをするしかない、
というところにもっていってもいいんだぜ。
ギリギリまで仲良くしようとしてたんだけど、
きのこたけのこ派閥の問題で、
決裂することになってもいいのだ。
(宗教は戦争の原因の一つだ)
殺しあわなくても、
こいつとは隣同士に座れない、
というくらいに、
そりが合わないようにつくることは全然できるだろう。
さて。
ここからが妙味だ。
「二人の男は何もかも違った。
対立するのは当たり前である。
だが、ただひとつ彼らには共通点があった」
とするとよい。
それがたとえば。
同じ女を愛した、
二人とも野球を愛した、
偶然同じクラスだった、
一人しか合格できない試験を受けることになった、
とかかな。
そうすると、
まったく対比的な二人なのに、
ひとつだけ共通点がある、
というエモい関係が出来上がるわけだ。
あとは、この二人を、
物語の中に放り込めばよいのだ。
物語とは、事件と解決のラインであった。
何かしら目的を与えて、
その二人の目的が互いに相いれないようにするとよい。
刑事と犯人でもいいし、
正義と悪でもいいし、
スポーツもののライバルでもいいし、
同業他社でもいいし、
三角関係でもいいし、
殺し合いをする部族長同士でもよい。
ストーリーにおいて、
違いに立場が異なるもので、
対立するときは、
なるべく対比的になっているほうが、
コントラストがついてわかりやすくなる。
それを目的としてこのように設定してもよいし、
キャラが動きやすくなるように、
自分の中で設定してから、
プロットに入ってもよい。
あるいは、
ざっくり第一稿を書き終えた段階で、
この二人はもっと対比的であるべきだな、
と考えて、
最初から設定を練り直してもよい。
その設定を使えば、
もっと対比的なキャラクターが生き生きとなるだろう、
という判断が出来るだろうね。
最終稿で、
対比的なキャラクターが、反目しあって、
対決すればいいだけのことである。
そのコツとして、
何もかも対比的にしておく、
というテクニックがある、
ということだけを覚えておくとよいだろう。
2024年02月29日
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