2024年03月05日

「面白い」とは、「世界を変えられるかも」という予感

「面白い」ってなんだろう。
よく考える題材である。
今回はこんな話をしてみたい。


ある魅力的な登場人物が登場して、
盛り上がることがよくある。
ピンチのときにヒーローが登場するのも、
盛り上がる瞬間だ。
あるいは、まったく違う土地に転校するのは、
不安もあるが、わくわくする期待もある。
またあるいは、
真実を告発する情報がやってきて、
これまでの間違いが全部ひっくりかえされて、
面白いことになってきやがったぜ、
ということもある。

これらに共通することはなんだろう。
それは、
「世界は変わるかもしれないという期待感」
ではないかと思ったわけ。

いわばターニングポイントの面白さと言ってもよいかな。
なんで面白いんだ?なんで期待できるんだ?
なんでわくわくしているんだ?
というのを言語化したら、
そういうことじゃないかと思った。


世界は思い通りにいっていない。
世界は私に厳しく、微笑んでくれない。
だけど、
このことがあったおかげで、
世界に可能性があり、
少し風向きが変わり、
よくなるような予感がする。

その期待できるときに、
「面白い」ないし「面白くなってきやがった」
ないし「面白そう!」になるんじゃないか、
ということ。

新展開の非日常世界に行ったとき、
狙ったものが当たって、
形勢逆転したとき、
成功まであと一歩と迫ったとき、
強力な新キャラが出てきて、味方になってくれたとき。

これまでの世界は変わり、
よくなりそう、
という予感があったときに、
人はぐっと引き付けられるのでは?って思う。

恋もそうかもしれない。
今あるつまらない世界に色がつき、
ここを脱出させてくれる人に出会ったとき、
人は恋をするのかもね。

古典的だけど、
鳥かごのような世界から連れ出す、
不良のような男に恋をする女は多いわけだ。

モテなかったボクに、
サークルの美女が微笑んでくれて、
なぜか一番気が合うから、と言われて惚れちゃうことがよくあるわけだ。

世界がよくなる可能性を、
人は敏感に感じとる。

それを良くなってきた、とか、期待できる、
とか思って、集中を始めるのだ。

(そしてそれが頓挫するのだが、
工夫すれば上手くいくかも、
と頭を捻り出してからが、
本格的に面白くなってきたということ)


もちろん、
他者からやって来るものに期待するのは、
ただのメアリースーだ。
自分で世界を変えられるかもしれない、
という瞬間をつくろう。

そのときに「行けるのか?」って言うことになる。

女の子と飲みに行ったときに、
「最近彼氏と分かれた」と言われたら、
世界を変えられるかもしれないと思うよね。
その感じ。
posted by おおおかとしひこ at 06:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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