モチーフとテーマの関係を決めたら、
ストーリーは大枠が決まってしまうのだ。
つまり、あるテーマをあるモチーフで表現する、
というのがストーリーのコアになるのだ。
見た目は〇〇の世界(モチーフ、ガワ)で、
××というテーマに落ちるものを書く(テーマ、中身)、
という風に、
何(モチーフ)を何(テーマ)に引っ掛けるのか、
さえ決まれば、
大枠は決まってしまうのである。
もちろん、プロットやキャラクターや、
仕掛けやどういう感情があるか、
などはあとあとついてくるものだけど、
そういうディテールの一番外にいるものが、
何で何を描いているのか、なのだ。
ヒーローと悪者の戦いで、正義は大事と描く、とかは、
古くて人気のあるペアだ。
ヒーローをどういうビジュアルにするか、
悪者をどういう設定にするか、
などはディテールにすぎず、
モチーフとしては「ヒーローと悪」ということでは同じなわけ。
そして、どのようなプロットにしようが、
どういうキャラクターが出ようが、
どういう設定になろうが、
それによって正義は大事だというテーマに落ちる、
という方向性としては同じなわけ。
大枠としては同じ作品、ということになる。
あとは細かいところ違い、ということだね。
新しい作品を構想するとき、
まずこれを考えるべきだ。
どういうテーマを書きたいかは、
人によっていろいろあると思う。
どういう世界がいいか、どういうネタがいいかは、
これまた人によっていろいろあるし、
取材によっても変わってくるかもしれない。
そして、
このネタでこのテーマという関係性が、
ほかに今まであったか、
ということを考えるべきだ。
すべての作品をこのように検索できないから、
どれほどこれまで見てきたか、でしか判断できないのがつらいところだが、
まあそれでも新しいとか、古いとか、
よくあるとか、レアな組み合わせだとかが、
判断できるだろう。
安心できるが平凡なよくあるペアにするか、
新しくて敬遠するかもしれないが、
よくよく考えると素晴らしいマリアージュになる、
というものにするかは任せる。
しかし、
よくある組み合わせすぎてつまらないかどうかは、
最初のその大枠を見ればわかるだろう。
「スポーツで情熱を描く」とか、
「野球で人々の絆を描きたいんです」
なら、
そんなものはたくさんありすぎて平凡だろ、
と判断できるわけだね。
もしそれを自己突っ込みできるならば、
「じゃあ、ここの部分が新しい部分だ」
ということが出来るまで、練ることが出来るに違いない。
何を何に引っ掛けて描くのか。
それだけを考えて、
100パターンくらい出してもいいよ。
その中から面白そうなもの、書けそうなものを、
探すことだね。
そうしたら、出発点からきちんとしたものが書ける。
(あとでこれはいったい何をやっているんだっけ、
うわあー平凡だったわー、どうしよう、
どう改訂したらそれを避けられるかなー、
などと慌てなくて済むわけだ)
たとえば昨日の記事で取り上げた「Bridge〜君に架ける橋」
だけど、「土木設計技師が橋をつくる」
というモチーフで、
「君への愛」を描くのだろうか?
だとしたらそんなに平凡なストーリーはないよな。
新しいのは橋を作るというガワで、
「仕事によって愛をなす」というテーマは、
あまりにも平凡(普遍ともいえるがベタともいえる)だ。
ただ、土木建設はドラマのガワとしては新しいので、
面白いのを探してきたな、とは感じた。
だがあまりにも取材がお粗末なので、
たぶん想像で書いた土木業界になり、
関係者各位からリアリティがないと後ろ指を差されるだろうね。
(昔CMディレクターを竹野内豊が演じたドラマがあってねえ。
あまりの取材してなさにテレビは信用ならんなと思ったものだ。
お仕事ドラマは、取材の豊富さ、ガワのリアリティで決まるよね)
2024年03月14日
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