メインプロットと、サブプロットがある。
いずれもバックストーリー(ストーリーが始まる前にあったこと)を持っているだろう。
その分量は、異なると思っている。
メインプロットが、
本編で一番分量が多いだろう。
サブプロットのほうが分量が多いならば、
それはもはやメインだよね。
サブがメインを食うこともなくもないが、
計算上は、
メインが一番面白くて、一番分量のある、
ボリューミーな部分になるはずだ。
そして、
あらゆるストーリーラインには、
たいていバックストーリーがある。
そのストーリーが始まる前にあったことであり、
説明がいらないくらいならば、
なんとなく分かるようになっている程度だ。
(パンを咥えて走る女子高生は、
遅刻しそうというバックストーリーを抱えている)
しかし、もっと説明がいる分量を、
どう扱うか、というのが問題だ。
よくあるのは、
語る必要のあるところに来たら、
回想形式で語るか、
ただのセリフの形で語るか、ということだ。
いずれにしてもそこそ分量が多いのなら、
特別に説明シーンとして設けるべきだろう。
つまり、
バックストーリーの示し方にはふたつある。
回想形式などで特別にあとで用意するか、
最初にちょろっと触れるかだ。
このうち、
ストーリーを始めなければならない序盤で、
あまりにもたくさんのバックストーリーを用意してしまうのは厳禁である。
なかなかストーリーが始まらず、
説明ばかりになって退屈になるからだ。
観客はストーリーを楽しみに来たのであり、
説明を聞きたいわけではない。
「さっさと始めろ」と思うはずである。
「スターウォーズ」の長々としたスクロール文字によるバックストーリーの説明は、
映画的には下手なやり方だ。
ただし、
「低予算SFという制約」であった、
オリジナル1(現在エピソード4)では、
有効な手段であっただろう。
それを絵で描く予算がなかったからね。
ほんとうはそれを短い絵で示し、
本編に突入させるべきであっただろう。
さて、ということは。
メインプロットのバックストーリーは、
とくに短めにして、
本編始まったところからやる。
そして、
サブプロットのバックストーリーは、
回想形式でやる。
と、
本編をすぐに始められて、
あとで必要な部分だけ回想で回収できる、
ということになる。
逆にいえば、
メインプロットのバックストーリーは、
分量が少なくあるべきで、
さっさと始められる分だけでよい。
サブプロットのバックストーリーは、
あとあと回想形式で伝えるから、
長く大量にあってもなんとかなる、
ということが言える。
もっとも、
メインプロットのバックストーリーの、
分量がとても多いならば、
あとあとどこかで回想形式で使うことにもなるだろう。
注意したいのは、
感情移入や焦点が起こっているのは、
「現在の部分」であり、
過去の部分ではないことである。
回想のほうが面白くなってしまうのならば、
回想の部分から本編を始めればいいのだ。
本編が回想のダシになってはいけないわけだ。
(過去の回想部分がおもしろそうだとなって、
つくったのが、スターウォーズの123、
ダースベイダーの誕生パートであることは言を俟たない。
しかしそれが映画的に面白かったかというと、
つまらなかったと思う)
さて、
ということで、
バックストーリーは、
最小であることが理想だ。
もし多くなりそうならば、
一幕で触れている暇はなさそうなので、
どこかで回想形式になることだろう。
もちろん、
回想を使わないシナリオが、
「いま」しか使っていないので、
もっとも優秀なシナリオでもあるがね。
当初、
メインプロットはバックストーリーが少なくて、
サブプロットに多くなることになるだろう。
そのあと、
メインを厚くしたくなったら、
回想形式にすることになる。
だけど回想ばっかりで現在を描かなくなるから、
サブの回想が削られる。
そうやって分量調整が行われるだろう。
2024年03月15日
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