2024年03月18日

人間関係とは、出会ったあとの未来か、過去の精算かだ

人間ドラマを考えるときに、
軸足をどっちに置くか、という俯瞰。


二種類あるとざっくり考える。
現在を重視するか、過去を重視するかだ。

前者の場合、
出会ったところから描き、
色々あって、最終的にどう落ち着くか、までを描く。
ラブストーリーが分りやすいが、
上司と部下でも、友達でもいい。
くっつく、わかれる、ちょいちょい会う、
みたいな、最終的にどういう関係に落ち着くか、
をゴールに考えた、
現在形の連続がその場合の人間ドラマになるだろう。


もうひとつは、
過去に秘密や複雑なものがあり、
現在にそれが噴き出して、
精算するまで、というものである。
メインが過去の関係性にあり、
それをどう昇華するか、を考えることがメインになる。

どちらを選んでもよい。
出会ってからいろいろあるタイプでも、
違いにトラウマがあり、
その過去を精算しないと前にすすめない、
なんてこともあるだろうし、
過去にいろいろあったタイプでも、
それらを出会わせることで、これからの関係性が変って来るようなドラマをつくることができるかもしれない。


とにかく困ったら、
この二人の関係性は、
これから出会って新しい関係性に至るまで、なのか、
過去にいろいろあって、それを精算して新しい関係性になるまで、
なのかを、
自分に問うてみるとよいだろう。

それによって、重心が変るはずだからだ。


どちらにせよ重要なのは、
「新しい関係性に至ること」という、
人間関係の「変化」であることに注意されたい。

ドラマとは変化をもたらすことである。
出会ったばかりの関係性から、
最終的な関係性になったり、
過去にいろいろあった関係性から、
最終的な異なる関係性になる、
その関係の変化が結果になるように、
色々組んでいくべき、ということをいっているわけだ。

人間関係を変えること自体が目的のことがある。
付き合うとか、別れるとか、殺すとか、
追い落とすなどが、
目的になることもあるだろう。
そうじゃなかったとしても、色々なことをやった結果、
関係性が変化するほどの心情のどよめきや揺れがあったことが、
大事だということだ。

関係性が変化するのはあくまで結果論。
それほどのショックや激情を、
人間関係に持ち込むと面白いだろう。



人間ドラマをかけ、というのは簡単だが、
何が人間ドラマになるんだっけ?
と考え始めると訳が分からなくなる。

ということで、初期の人間関係、ラストの変化した人間関係を設定し、
現在が大事でそれが変化していくのか、
過去が大事でそれを精算していくプロットなのか、
ということを見極めて、
作劇していくと、
うまくいくかもしれない。



「なんかここに人間ドラマが欲しいんだよなー」
というのは、よくある欲望だ。
しかし何をすればいいのかわからないことがよくある。
なので、この二つのどっちなんだい?
と考えることは、新しく何かを思いつくきっかけになるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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