2024年01月20日

【薙刀式】論理配列と物理配列の分離

キーボードに文字が書いてあるから、
余計に論理配列と物理配列は分離できないのだろう。
だから、
自作キーボードで、
左右分割カラムスタッガードのergo dash(かな?亜種多数)
の尊師スタイルを見て、以下のような感想を抱くのもむべなるかな。

> 親指シフトキーボードの上を行く変態キーボードですな
https://x.com/_pikuru/status/1747518907114741861?s=20


この人には偏見がある。
普通のキーボード以外はすべて変態だという差別意識だ。
標準を逸脱したものはマニアのそれにすぎず、
自分は関係ない安全地帯にいて、
そこから侮蔑して安心感を得ている。

普通の標準キーボードは手や肩への負荷がとてつもない、
ということに気づいていない。

自作キーボードの取り組みは、
メーカーが追求をあきらめた、
「使いやすい真の物理はなにか?」
を追求し直すことだ。

左右の手を肩幅に使う左右分離、
左に傾いた左右非対称をやめた、左右対称型、
横一列にせずに指の長さに合わせたコラムスタッガード、
ほとんど使わない親指を活用して、
機能キーなどを割り当てた親指島など、
「ずっとキーボードを使い続けるとしたら、
物理動線は負荷の少ないように再設計されるべきだ」
という主張をしている。

このことについて変態呼ばわりされる意味がわからない。
この合理を見ただけで理解できないのは、
キーボードについて考えたことがない人なのだ。

つまり、
「自分が考えたことのないことを考える人は変態」
という、
「違うものは異物」ととらえる本能が働いている。
「トラブルはごめんだよ!」と旅人に扉を閉ざす、
中世に出てくるオバサンと同じだ。

元ツイートでは、
ご老人が興味を持って尋ねてきたという。
そのご老人は好奇心が強く、
「世界はよりよく改良されるべきだ」
という哲学に興味があり、
「自らの無知を糺し、質問することを恐れない、
聞くは一時の恥を実践できる謙虚な人」
なのだろう。

明らかに合理的な形をしているからね。
スポーツカーが走るのに合理的な形をしていて、
日本刀が斬るのに合理的な形をしていることと、
本能的に同じだと見ればわかるからだ。

まあそもそも、
キーボードに合理を持ち込むこと自体を、
これまで考えたこともない可能性すらある。

万年筆が書くための合理を追求した結果で、
現代ではボールペンがそれを追求しているというのに、
キーボードがそれを追求してないと思うのは、
蒙であるとしかいいようがない。


まあ、それは日本人の95%くらいがそうなのかもだけど、
標準キーボードの歪さに疑問を抱かないのは、
なんでなのか僕にはわからない。
僕は最初からずっと疑問だったんだよね。
だから自作キーボードがあると知って飛びついた。
何十年も疑問だったことに答えをもらった。

「合理とはこのようなことであり、
標準キーボードは妥協の産物にすぎず、
大人の事情で動かせなくなったもの」
だとわかったからだ。


かつて、標準キーボードに固定化される前に、
日本語入力をキーボードでやることに、
真剣に考えた二つの運動があった。
親指シフトとTRONである。

そのうちTRONは構想段階でぽしゃった
(アメリカの外圧によって中断)ので、
世に知られているのは親指シフトのみだろう。

親指シフトの特徴は親指の活用であり、
独自につけた二つの親指キーを沢山使い、
左右との同時押しでひとつのキーに3つの文字を割り付けていることが特徴だ。

ブラインドタッチが可能なのは大体30キーだから、
そこに50(以上)のカナを載せる方法論だね。


かつて親指シフトはシェアNo. 1だった。
だがWindowsに取って変わられた。
富士通の怠慢で、Windowsに適応しなかったからだ。
(技術的には適応したが、
自社製品と食い合うことを避けるために、
Windowsへの移行を推奨しなかった。
ここまでWindowsが天下を取ることを予測できなかったのだろう)


富士通の過ちはもう一つあり、
親指シフト配列という論理配列と、
親指シフト配列専用物理配列キーボードを、
分離しなかったことだ。

親指シフトは二つ親指キーさえあれば、
その同時押し判定するソフトを走らせれば、
論理的に(=プログラミング的に)どのキーボードでも実現可能である。
そしてそのソフトは紅皿、DvorakJなど多数ある。

だが富士通はそのことを意図的に隠して、
そのソフトがキーボード内で走っている、
親指シフト専用キーボードを推奨した。

もともと親指シフト配列が開発されたのがそのキーボードで、
たしかにそのキーボードで打つと打ちやすいが、
ふつうの物理キーボードでも親指シフト配列に、
論理的に変更すれば打てる。
このことを隠したのは、
もちろん物理キーボードを売るためであろう。

僕はその実行ソフトを売るべきだったと思う。
なんなら無償配布でもよくて、
富士通製PCに標準装備でよかったはずなのに、
なぜしなかったのかは不明だ。

富士通は現場の発明レベルはとても高いが、
経営方針、営業方針に疑問のあるメーカーだ。
ホットな話題でイギリス郵便局の冤罪問題があるが、
なぜバグを放置したのか疑問符がつく。
買収した子会社の問題らしいが、
富士通の現場でない所の問題で、
つまりは経営陣がヘボだということだ。



親指シフト配列は、論理配列の一種である。
論理配列とは、
「このキーをこのように押すとこの文字が出る」
というルール集合のことであり、
それは電子回路または論理回路(プログラミング)によって、
実現される。

電子回路に焼けば、
専用物理キーボードだし、
論理回路にインストールすれば、
どのキーボードでもプログラム的に親指シフト配列の挙動をする。

逆に、うまく調整すれば、
標準キーボードを使って、どんな論理配列でもプログラムできるし、
どんな物理キーボードにも、どんな論理配列でもプログラムできる。

親指シフト専用キーボードに、薙刀式をプログラムできるし、
標準キーボードに標準配列をプログラムできるし、
自作キーボードに標準配列に親指シフトと薙刀式と新下駄をプログラムし、
都度切り替えられるようにもできる。

物理キーボードと論理配列は完全に分離できる関係だ。


だがこのことが啓蒙されていない。

親指シフト配列は親指シフト専用キーボードと、
同一視されている。
親指シフト配列の文字の印字が、
親指シフト専用キーボードに刻印されている見た目だからだろう。

もしこれが、
「物理キーボードのキー一個一個にディスプレイがついてて、
そのキーを押した時に出る文字が都度リアルタイムで更新される」
デバイスだったら、
物理は物理、そこでプログラミングにより、
任意の文字コードを乗っけられる、
が視覚化して理解されたのに。

キーボードは、物理と論理が分離している形をしていない。
(専門用語でいうと、
そのようなアフォーダンスを持っていない)

だから、
論理配列は物理キーボードと分離されていない。



論理配列を変更することは、
変態だろうか?

僕は動線を整理して、よりよく日本語を書くための、
動的整理だと考えている。
なぜならqwertyローマ字も、JISカナも、
そのように整理され尽くした上で実装されたものではないからだ。
歴史を紐解けば、都合で置いたものが、
よく練られる前に固定化して、
動かせなくなった事情しか出てこない。
(京大安岡さんの研究に詳しい)

親指シフトとTRONはそれを整理しようと思ったが、
道半ばで倒れている。
僕は、薙刀式より効率が悪いと考える。
何故かは過去にたくさん議論しているので省略する。
ざっくりいうと、親指シフトの過去になかった理論を、
薙刀式が使っているから。


自作キーボードで物理キーボードを変えていくことは、
変態だろうか?

物理動線を整理して最適化をめざすことは、
目的に対してモノが進化していくことである。


論理配列も、物理キーボードも、
「少し動かすと既存のものを使う人から苦情が出る」
という理由だけで、
進化を止めた。

論理配列と物理キーボードを追い求める人を、
変態呼ばわりする人の方が多い。

そして、親指シフトという、
論理と物理を分離できていない、
認識的未熟さで、トラブルはごめんだよと心を閉ざしている。

蒙だ。

あまりにも蒙すぎる。


ぼくはこれを啓きたい。


論理と物理は別々にコントロールできる。
論理、つまり言葉と指の運動の対応関係は、
合理化再編成できるし、
物理、つまり操作体系は、
合理化再編成できる。

それぞれを合理化再編成したものは、
刀が人を殺すのにもっとも最適進化したかのように、
「言葉がすらすら出てくる形」をしていることが、
予測される。


その一つの完成形が、
薙刀式と僕の自作キーボードである。
万人に触らせたい。(週末のキー部で触れます)



最初のTwitterにもどろう。

論理と物理は分離できる。
それぞれを最適化して、組み合わせの最適化もあるぞ。
親指シフトで認識を止めてないで、
質問する老人のように無知を恥じないことだ。
聞くは一時の恥だ。

それで、自分には無理だと思っても、
世界をより良く変えていこうとする人を、
変態呼ばわりして忌避するのはやめた方がいい。

まあ、世界を変えようとする人は、
常に奇異の目にさらされると、
ライト兄弟の昔から決まっている。

魔女狩りに参加した愚か者は、
これ以上変えてほしくない愚かな現状を守りたくて、
奇異な者に石を投げた。
posted by おおおかとしひこ at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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