2024年03月21日

研究は、書いてみて初めて実になる

名作を研究しよう。
それは書いたことがない人にとっては、
まだ見ぬ次の名作を妄想する材料になろう。

しかしより効果があるのは、
一回書き終えた人にとってだ。


書いている途中、不安に思ったり、
うまくいかなかったところがあっただろう。
逆にうまくいったところは自覚があるはずだ。
苦労の末、ついに突破できたところもあるだろうし、
何回やってもうまくいかなかったところもあるはずだ。

それを経験すると、
「他人はどうやってるか」がよくわかるようになる。
つまり、同業者目線というやつだ。


一通り経験すると、
一体他人はどうやっているのか、
分析がしやすくなる。
なぜなら、
「自分が苦労したところは一体どうやっているのか?」
という見方をするからだ。

あまりにもうまく切り抜けているならばうなるだろうし、
やっぱりうまくいっていないなら、
やっぱりうまくいかないのかー、と思えばよい。

そうした微に入り細に入り、
他人のやったことを確認できるのだ。

あれはああすればいいのか、なるほど、とか、
あれをああいう風にやっているのはすごいぞ、とか、
あれはわざと放置したな、とか、
あれをここまで練り上げるとは、どれだけの苦労が、とか、
「経験者ならではの理解」というのがある。
それは、やってみた人じゃないとわからないことなんだよね。

そして、やればやるほど、
他人の仕事の粗が見えたり、
他人の仕事の丁寧さが理解できたりするのだ。
職人が同業を見る目つきになっていくわけだね。


ゲーム実況動画とかでも、
自分のやっているゲームだと、
見方が変わるだろう。
やったことないゲームだと、
ただしゃべりを聞いたり絵を見たりだけだが、
やったことのあるゲームだと、
「あそこはああするといいのか」とか、
「そんなルートあんの?」とか、
「どこでそんな判断をしたんだ?」とか、
色々見方が変わってくる。
そういう感じだろう。

料理とかでも、自炊している人ほど、
どうやってつくっているかが大体分かるものである。


書き終えて、しばらくしたら、
他人のつくった名作を見てみよう。
なるほどこれはすごい仕事だ、と感心して、
名作の価値を再認識しよう。

そして、
それを盗めるだけ盗もう。
AIみたいなパクり方をしない限り、
名作からは盗み放題である。
そうやって文化は進展していく。
それを超えるのをつくる人が現れるからだ。


ということで、名作は見るたびに発見がある。
「これは気づかなかったが、なんといううまさよ」
というのが、見るたびに増えてくるものだ。

世にある、あなたが知らない名作なんて死ぬほどある。
まずはそれを見てみようぜ。
あ、もちろんまだ書いてない人でも名作は見ておくといいぞ。

どういうものを見るべきかは、
過去にも書いたし、
脚本の教科書に見るべきリストがあるだろう。
それを参考にすることだね。
古典のすごさを、まざまざとみておくといいだろう。
posted by おおおかとしひこ at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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