河野太郎のツイートによって、
ローマ字/かなの話題が盛り上がってて、
色んな言説が飛び交っている。
用語を整理しないと混乱するなーと思ったので、
表題を掲げてみた。
日本語を打つ方式には様々なものがあり、
大きく三種類にわかれる。
1. ローマ字方式: a=あ、ka=か、などと打つ方式
2. かな方式: あ、か、など直接かなを打つ方式
3. 漢字直接方式: 漢字変換を通さず、漢字一文字をアルファベット2文字で打つ
かな漢字変換方式
ローマ字方式
かな方式
漢字直接方式
というカテゴリ分けが一番大きくあるぞ、
という話。
で、本題だが、
ローマ字方式には、
デフォルトのqwertyローマ字だけでなく、
様々なやりかたが存在する。
たとえばスマホのフリックは、
子音を先にタップして母音へスライドするから、
ローマ字としての二動作を一動作にした方式で、
原理的にはローマ字方式である。
(見た目がひらがなだからかな入力と誤解してる人がいるが、
もしフリックがかな入力ならば、50個のキーがあるはず)
ほかにも、DvorakJP、Colemakなど、
英語配列をローマ字に使う方式や、
大西配列、tomisuke配列、けいならべ、SKY配列、M式、カタナ式のような、
独自のローマ字配列も存在する。
これはどれもアルファベットを一文字単位で入力する方式だ。
一方、
かな一文字を一動作にする方式がかな入力で、
デフォルトはJISカナ配列である。
だがこれは使いにくいので、
民間が開発した、
親指シフト、TRONカナ配列、飛鳥配列、新下駄配列、
月配列、新JIS、薙刀式などがある。
これらを図に書くと、
かな漢字変換方式
ローマ字方式
qwertyローマ字(デフォルト)
フリック(スマホのデフォルト)
DvorakJP、Colemak...
大西配列、tomisuke配列、けいならべ、
SKY配列、M式、カタナ式...
かな方式
JISカナ(デフォルト)
親指シフト、TRONカナ配列、飛鳥配列、新下駄配列、
月配列、新JIS、薙刀式...
漢字直接方式
T-code、TUT-code、奏コード、葦手入力...
のような、
入力方式の色々を俯瞰することができよう。
ローマ字とかなの優劣を議論する上で、
qwertyローマ字とJISカナの優劣を議論していればいいのだが、
そこに親指シフトや薙刀式が入ってくると、
話がややこしくなる。
なので、
よくある言説を整理しよう。
・ローマ字は打鍵数が多く、かなは打鍵数が少ない。
→○。
ただ「2倍」は嘘。打鍵効率(1カナを出すのに必要な平均打鍵数)は、
ローマ字1.7、親指シフト1.4、新下駄や薙刀式1.3、JISカナ1.2。
JISカナはqwertyの70%にしか打鍵数が減らない。
親指シフトは82%、薙刀式は76%。
・ローマ字は打鍵範囲が狭く、かなは4段も使う。
→qwerty、JISカナであれば○。
→かな方式である、親指シフト、薙刀式だと×。
3段使うことは同じ。
・かなは爆速である
→△
PC初心者のぽちぽち打ちではかなの方が速い。
ブラインドタッチ中級者ではqwertyが概ね速い。
上級者はかなのほうが速い。
超上級者では拮抗。
たとえば、ぽちぽち入力のかなの人と、qwertyブラインドタッチでは、
qwertyの勝ちになるし、
その人と上級者かなでは、かなのほうが勝つ。
自分が勝ちたいために、条件設定を恣意的に選ぶ人がいるので注意。
・かなはブラインドタッチがつらい。
→JISカナ入力ならば○。
→ブラインドタッチに特化した、親指シフト、薙刀式などがある。
・ローマ字だと英語で共用できる
→×
日本語と英語は運指連接が異なるため、
実質ふたつの配列をマスターしている。
であれば、日本語配列、英語配列を計ふたつ学んでも合理的。
ただ、全角半角による日英切り替えや、
ファンクションキーでの半角変換などはくそだ。
薙刀式では、FG同時で英語、HJ同時で日本語と、
明示的切り替え方式を採用している。
・ローマ字はかなより学ぶのが簡単
→△
qwertyローマ字とJISカナに限れば○だが、
より学ぶのが簡単な配列は他にもあるので、
その配列同士で比較するべき。
なお、qwertyローマ字をマスタークラスに上げるよりも、
薙刀式のほうが簡単だと僕は考えている。
「ローマ字」といった場合、
それがローマ字方式をさすのか、
qwertyローマ字をさすのかは、なるべく誤解を避けないようにしたいものだ。
「かな」という場合も同じ。
なお、「親指シフト」といった場合、
富士通の親指シフト配列(NICOLA)だけでなく、
親指シフト方式を採用した、
飛鳥配列、シン蜂蜜小梅配列、TRONカナ配列などを、
含む人もいる。
僕は親指シフトは前者の意味で使い、
後者を意味したい時は「親指シフト方式」と表記している。
まあこれで大体整理できたか。
qwertyとJISカナしか知らない人か、
不毛に論争しているなか、
親指シフトや薙刀式を知ってる人が、
話をややこしくしがち(笑)なので、
用語は正確に定義してから使った方がいいと思うよ。
2024年02月01日
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あれからかなり薙刀式には慣れてきました。
ローマ字面についてQWERTYとは違う配列を使っていたのですがキーキャップと配列を揃えたいと思いローマ字面をQWERTYに戻そうと思っています。
そこで気になったのですがローマ字でのBSはどうやっていますか?
編集モードにもなさそうだったので教えていただければと思いコメントしてます。
良かったら教えてください。
ふつうのキーボードの時→イライラしながらBSまで手を伸ばすw
MiniAxeの場合→Lower+UにBSが入っている
Lowerレイヤーの右手部にはカーソルやエンターなどが一通り入っているので。
僕は英語をあまり使わないのでこれくらいで足りてますが、
英語用の編集モードをつくって、
DF+UにBSを入れてもいいかもですね。
僕もminiaxe使用です!
レイヤー側に入れているんですね
今までは自分仕様の論理配列だったのでQWERTYのuの位置にそのままbs、lower+uにdel設定していました。丁度いいタイミングですしレイヤーの設定も色々触ってみようと思います!
結局キーマップって自分が何をどれだけ使うかを決めないと、
決められないんですよねえ。
ということで、僕は、
「英語を打つ時はデフォルトに準じる、
ただしMiniAxeはレイヤーを活用する」
というスタンスですね。
一応MiniAxeでもqwertyローマ字も打てるような、
キーマップにしているつもりです。
(ほとんど使ったことないけど)
仕事柄アドレスの入力が必要であったりちらほらローマ字を使うのでできれば自分なりの配列を使いたいのですが、キーキャップの印字とまずあわないのですごく気になるんですよね…
無刻印のキーキャップ使ってますが使いたいプロファイルのキーキャップは無刻印がなかったりとハードル高めです…
完全にブラインドタッチにしてしまえばキーボードを見ることもないので、
qwertyのままでも問題ないと思うんですよねー。
最初はシールを側面に貼っといて、
手が覚えてきたら剥がすという手もありますよ。
それと使いたいプロファイルにそもそも無刻印がなさそうでどうしようかなと
ダブルショットでなければ耐水ペーパーで削りとる。w
あるいは黒で染めてしまう。
PBTだと染めづらいけど、たしかSDNでTalpさんが染めてたような。
僕は詳しくないけど塗装も可能かも。
マッキーとかポスカだと剥げそうだけど。
最終手段は3Dプリントですかね。
僕はすでにそれを選択してるけど。
1回QWERTYで試してみて配列があまりにも我慢できないようであれば耐水ペーパーで削ってみますw