2024年02月12日

弱みが力になる

弱点が反転して、最強の能力になる。
それが理想だけど、なかなか難しいよね。

弱いと思われたものは、
実は反転して強い要素であった。
そういう設定をつくることは大変難しい。
だから、
弱い何かを克服する、
という場面をつくるのが望ましい。

弱点があったからこそ、
強化の機会に恵まれた、よかった、
という感じになると良い。
もし中途半端に強かったら、
それをたのみにぶっこんで、あっさり失敗していた、
という場面をつくると説得力が増すだろう。

たとえば、
ただ蛮勇をもって敵に突っ込んで、
あっさり死ぬ人を描いて置き、
逃げたからこそ、敵の攻略ポイントを知ることに時間を稼げた、
のようにして、
勇気がないから逃げた、だけど、今は勇気を出すときだ、
のように弱点克服のラインにすると、
「弱かったから、主人公になるチャンスが回ってきた」
という風にすると流れがスムーズだ。

その具体を考えるのが、
ボトムポイントからの反転、
リバーサルポイントをつくるコツだろうか。

そんな簡単には思いつかないだろう。
そもそもそこまで書いている時点で、
そんなものを用意していないことはよくあることだ。

だから、それに関することが一幕であったと、
リライトで書き足しておくとよいのだ。
そうすると、最初から伏線が張られた、
計画的に書かれた整理された話になるわけだね。


そういう風に弱点と逆転を描いておくと、
それを克服する物語が面白くなってゆく。

逆に、
単に弱点があって、克服しました、大逆転、
だと、一直線すぎて面白くない。
それによって逃げたから結果よかった、だけだと、
都合が良すぎるように見える。
それが足りていた人はどうなっている?
などのような他者の視点がないと、
うまくいかないだろう。

一直線だとご都合になり過ぎる。
他者を絡めるのがコツだね。


弱点があったほうがフィクションのストーリーは面白い。
逆転があるからだ。

ドラえもんはネズミが嫌いだけど、
もし最終回でドラえもんがヒーローになるならば、
ネズミを克服して何かをすることになるだろう。
それがドラえもんのテーマになるだろうね。
弱点は、そういう展開にするための、
小道具ですらある。

作者自身の自分の弱点を織り込まないことだ。
克服することがたとえフィクションでもできなくなるからね。

弱みはなんだろう?
それによってどういう失敗をするんだろう?
それによってどういう可能性の芽が摘まれるのだろう?
それがある人はどういう人生を送るのだろう?
それを逆転するにはどうすればいいのだろう?
どういう克服によって、(一瞬でも)逆転するのだろう?

人生というレースを、
どういう試合展開にするかが、ストーリーだ。
最終的な勝利がハッピーエンドとしてわかっているならば、
ラスト付近で大逆転して差し込むのが一番面白いはずだ。
だから、
その爆発の起点が逆転ポイント、
リバーサルポイントになるわけだ。
posted by おおおかとしひこ at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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