2024年04月08日

スケジュールを組む

執筆スケジュールのことではない。
作中のストーリーのスケジュールだ。


たとえば「漫画賞に応募する」ならば、
締め切り日があるだろう。
そこを目指すストーリーならば、
その日まで何日か、逆算して行動するだろう。

「今年中に成果を出さないとこの部が廃部になる」
ならば、今年の大会が締切日になる。

これが会社の契約とかになるともっとシビアだろうね。
「高校野球で結果を出す」ならば、
甲子園のスケジュールありきで動くだろう。
予選の日が決まっているから、
それに合わせて、すべての練習はスケジュールが引かれているだろうね。


世の中は、
未来の何日かを前提として、
スケジュールが組まれている。
モテてる女の子は、
予定は全部埋まっているだろう。
だからそれありきで、スケジュールが組まれるはずだ。

一つの日だけじゃなくて、
模試、出願、共通テスト、二次のように、
複数のスケジュールががちがちに決まっているものもあろう。
それありきで、
物語は進行していることを忘れてはならない。
つまり、
全登場人物が前提としているスケジュールを理解して、
それを上手に観客に提示しなければならない。

脚本家を目指す人は、
全員城戸賞の締め切り日が分っていて、
それ前提で一年計画を立てているかもしれない。
しかし、そんなものを分かっている人などいないので、
そのスケジュール感を説明する必要があるわけだね。


スケジュールとは逆算だ。
〇日までに何をする、
〇日までにこれの準備をする、
などのように、
逆算逆算でできている。
だから、
その逆算を観客が理解できないと、
なぜその人物はそのように動くのか、
なぜその人物は焦っているのか、
などを理解できないわけだ。

「明日までに宿題を出さないといけないんだよう」
とドラえもんに泣きつくのび太は、
観客にスケジュールを提示しているんだね。


締め切りは、
もっとも簡単なスケジューリングだ。
もっと複雑なスケジュールを考えてもよい。

今書いてる話は、
「〇試合に出て〇ポイント貯めれば次のクラスに出られる」
というツアー制のスポーツで、
結構わかりにくいなあと思った。
もっとわかりやすいように改変できないかなあ、
などと考えている状態だ。

クリスマス前に彼女をつくらないといけないスケジューリングは、
結構大変だ。
でも締め切りがあると物語ができやすいよね。



そんな風にして、
スケジュールをわかりやすく、
そしてリアリティをもって人物たちを動かすことだ。
不正やズルも、それを前提にやることができる。
ここでこれをやっとけばバレない、
をつくることもできるからね。

登場人物は、
過去(人生の目的とか動機)や、
現在(今抱えている焦点)だけでなく、
未来(センタークエスチョンがイエスなのかノーなのか、
締め切りやスケジュール)も、
持っているのだ。

これらを可視化することはできない。
仮にカレンダーや手帳を観客に見せたとしても、
理解するわけではない。
うまく理解させてあげなければならない。
「明日までに○○」が映画に多いのは、
そういうことなのだ。
posted by おおおかとしひこ at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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