脚本において矛盾は欠陥だ。
しかも「つまらない」「微妙」という、
主観的欠陥にくらべて、
客観的に、つまり誰もが指摘できる欠陥だ。
なぜかなかなか発見できないことが多い。
部分を見ているからだ。
そのために、一覧をつくるといい。
もっとも大枠の一覧は、プロットである。
プロットを書く目的はいくつかあるが、
矛盾の発見のためでもあると思う。
プロットは主に主人公の行動
(や感情)を書くことになる。
ここで矛盾があったら、
さすがに気づくだろう。
だけど、
場面場面の細かいことを考えていると、
いざ全部を繋いだ時のことまで、
頭が回ってないことがとても多い。
「あれ?ここがこうだとすると、
なぜこの時にこう思い、行動するんだ?」
と疑問が出てくるかもしれない。
それは、矛盾があるからだ。
(全く足りていない、ご都合主義の場面かもだが)
箱書きや、
カード法でも矛盾を発見できる。
頭から尻まで通すことが、
矛盾を発見させやすくなる。
あるいは、
一度全体の流れが頭に入り、
「全体の感覚」が体に入ると、
部分を見た時に「あそこと矛盾するのでは?」
などと発見しやすくなる。(経験則)
特に連載時、気づかないことが多いと思う。
あとになって、あれは矛盾になりそうだと気づくのは、
終わりが見えて「全体の感覚」が見えてきた時だね。
プロットや一覧表では主に主人公のストーリーラインだが、
「各キャラクターから見たプロット」
を書いてみると、各キャラでの矛盾を発見しやすい。
あの時こんなこと言ってたくせに、
今こんなことを言ってるとか、
あとあとこんなことをするつもりなんだから、
今これを思っているのは矛盾が起きる、
などを発見することができる。
つまり、場面場面しか見ていないご都合から、
「骨の入ったもの」にすることができる。
タコから脊椎動物になるわけだ。
かくして、
様々な一覧をすると、
矛盾をチェックすることができる。
その矛盾はたいてい、
ご都合主義や、弱いところでもあったりするので、
発見した矛盾は、
ただ直すだけでは「矛盾のないつまらないもの」
であることが多いことも経験則として書いておく。
矛盾が解消しただけでなく、
そのストーリーの看板になるような、
力強い場面に書き換える、
を目標にしたほうが、
全体がよくなるよ。
2024年04月10日
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