往復書簡状態になってる笑もりやんさんのTwitterから。
> どうせ漢字変換の確認しなきゃいけないから、速度という意味では要求値が低い
そこなのよね。
現実的な解として僕が辿り着いてるのは、
「漢字変換を目視確認しない」だなあ。
いや、それは無理だろ、
漢字の変換成功確率なんて100%いかないでしょ、
というのは前提。
だけど長年の感覚で、
「ここで変換かければ、ほぼ100%間違わない」
は分かるようになった感じがある。
薙刀式の打鍵動画を見ればわかる。
僕は単文節変換くらいの、
わりと短めの単位でガンガン変換をかけて、
その変換結果を見ずに次の文字を打って自動確定
(エンター不要)を使うことが多い。
で、しばらくして誤変換に気づき、戻って再変換することはままある、
という感じ。
なぜこんなことに収束したかというと、
「漢字変換で思考を途切れさせたくない」からだ。
ある一文、ないしブロック単位での思考を、
たかが漢字変換に邪魔されては、
一連の流れが途切れてしまうからね。
なので、その流れが途切れた段階で、
目の端で漢字変換を確認して、
いかんいかんと戻ることがわりとよくある。
それは、「戻って再変換するためのシステム」を、
薙刀式の編集モードでうまく組んだからだ。
DFを押しっぱなしにした状態で、
JMで一文字戻る、一文字進む
K,で一文字前選択、一文字後選択
L.で7文字前まで選択、7文字後まで選択(移動も兼ねる)
YNでホーム、エンド
Iで選択範囲を再変換
Hで確定エンド、つまり再変換を確定して今書いてたところに戻るマクロ
;/でカタカナ変換、ひらがな変換
という仕組みにより、
「戻って再変換する」行為がとても楽になるのだ。
実は薙刀式の操作の中核はわりとここにあるんじゃないかと思ってて、
カナの配置とは別のレイヤーにいるのだが、
こうした「変換から確定までのシステム」ごと、
配列であるべきだと僕は考えている。
なので、レイアウトという意味の「配列」ではなく、
動線という意味で、薙刀式は「式」をつけているのだ。
これがとても楽なので、
ガーっと書いてあとで再変換する、
ということが可能になる。
あとは、一発で変換できるやろ、
という単位で打っていく感覚でやってれば良い。
ちなみに補完入力は一切使わない。
候補が途中チラチラ出るのはイラつく。
出る場所がちょいちょい違うのも、
IMEの動作が重くなるのもムカつくので。
俺の集中を乱すものはなるべく排除する。
(ちなみに僕は執筆中はイヤホンなしでも周りの音が聞こえなくなる。
それくらいには集中する)
もっとも、
「俺の区切りをIMEが仕事しやすいように区切るのは、
俺の負け」のように思うこともある。
だが候補を一々選択したり、
文節を区切り直したりする手間や、
そのことによる思考の中断と蒸発に比べれば、
ずいぶんましな負荷だと考えている。
なので、
「デフォルトは変換結果を見ない、
怪しいやつだけチェック」
というスタンスになるので、
わりと快速に書けていると思う。
こうした、
変換から確定までの話をしてる人はほとんどいない。
僕が聞いたパターンだと、
・学習をオフにして、何番目に候補が出るかを覚えて、
スペースを押す回数を決めておく(タイパーPocari氏)
・漢直をやる
・ライブ変換に任せてるので誤変換は捨てる(塩澤氏)
しかない気がする。
三番目のはさすがに小説ではどうかと思うので捨てるとすれば、
実質「暗記システム」以外にこれを超える方法はない。
なので、
もっといいIMEを作れないの?
というのがこの先の議論になる。
ATOKの導入も検討したが、
現状の僕の打ち方であまり変換に困ってないので、
たまーにヘンテコな変換にイライラしつつ、
速度的には困ってないかなーという感覚がある。
これがATOKになって劇的によくなるならいいが、
結局重箱の隅の話になりそうで。
(それが金を払う価値があるかもしれないが、
そういう話がATOKユーザーから出てこないので、
全然ATOKの使い勝手がいいぞ、という話に辿り着かないんよね。
みんな文章下手なの?)
ということで、
今の僕の速度を支えてるのは、
「変換結果をなるべく見ない」という、
これまた目を挟まない方法論だったりする。
12フレ=0.2秒なんて待てないです。
大体誤変換には、
半行後くらいに気づくことが多い気がする。
気づいてるが手を止めるのにそれくらいかかるというか。
それくらい、視覚は遅い。
ちなみに薙刀式では、候補選択がTYに入ってるので、
それもカーソルまで手を伸ばさなくていい方法論だ。
こういう考え方の配列は、
たぶん薙刀式(とカタナ式)しかないんだよなー。
みんな真似すればいいのに。
2024年02月17日
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>変換から確定までの話
emacs `C-i', `C-o' で変換文節の伸張などで同様の変換対象の操作をするパターンもあります。
(わたしの現在の環境では、再変換機能があったかどうかを確認できないのでわかりません。)
emacsということでCtrlキーを酷使するのでおおおかさんが気に留めていなかったとしても仕方がないわけですが。
それにしても変換周りの話題は、あまり見かけないですよね。
わたしは薙刀式を近い内に挑戦するつもりなので、あまり関係なくなりそうですが、略称展開の発展形をしばしば探していたものです。
「入力〜漢字変換」の間に展開を行えれば、
「ds」→(desu)→「です」
「ands」→(andesu)→「アンデス」
と、体感・感覚に任せてよきにはからう入力になるのにな…と感じていました。
たしか『小飼弾の「仕組み」進化論』では、プログラマー向けかもしれない効率化として「癖になった誤入力は、癖を治すのではなく変換辞書で正す対応」などのような入力ハックを紹介していました。
こういったソフトウェア側での対応と、マシンスペックやIME事情の都合が、この分野の発展が遅れている(ように感じる?)原因なのかなあ、なんて考えます。
文系理系の二刀流の個人や組織でなければ日本語キー配列の未来を造れないと、小学生時代(20年ほど前)に感じたことを、薙刀式のマニュアルの練習を試しながら思い出しました。
乱文失礼しました。
emacsのctrl-なんとかは、
ほぼMacの文字入力に継承されていて、
すべてA横のctrlで使えます。
ただ再変換がなくて、かなキーダブルクリックにバインドされています。
これはOSレベルの実装で実にいい仕事なのですが、
Macで文字入力をしてる人はそもそも少ないので、
話題にもあがりにくいですね。
ただA横とはいえ、ctrlの使いすぎは厄介なはず。
ただでさえローマ字ではAを多用するので、
総合的に考えられているとは言い難い。
Winの文字入力体系は僕は壊滅的だと感じていて、
OSレベルでも、標準エディタであるWord+MS-IMEでも、
めちゃくちゃだと思います。
無変換、変換キーが何に使うのか、
まったく継承されてないのも腹立たしい。
結局、エディタやIMEに同梱されている動線を使うしかないので、
もし「一から操作体系を考えていいよ」って言われた時に、
どうしようかなー、などと妄想することはありますね。
とりあえず薙刀式の編集モードは、
現在のデフォ環境を使う上で、
相当動線が整理されてると思います。
フルキーボードはいらなくなるのがいいところ。