引き続き打鍵を解剖して、
解像度をあげていく。
僕ははじめてメンブレン/パンタグラフから離れて、
高級(静電容量、メカニカル)キーボードを触った時、
オン点(アクチュエーションポイント)から、
底打ちまでの空走区間(ブレーキエリアとでも呼ぼう)
の意味がわからなかった。
これがあることで何が得するのだろう?と。
そこに疑問を持ち、
なるべくトラベル距離を短くする改造をしていた。
オン即底打ち即戻りでもいいんでない?と。
底打ちしない半ば打ちでは、
わりと便利なんだけれど、
でも別になくてもいいし、などと考えていた。
実際、ハウジングの中敷きに、
2mmプラ板を入れて、フルトラベル2mmの、
メンブレン的に改造してみたことがある。
結果はバウンスしまくって、
チャタリングが止まらなかった。
メカニカルの機構上のことなのかもね。
(そもそも底打ちでもバウンスしていて、
ソフト的にそれを除去している。
qmkのdebounceでコントロールできる)
機構上、空走距離はある程度必要なことがわかった。
ギリギリ1.2mm(空走0.8mm)まで詰めたんじゃなかったっけ。
今は滑りまくるHPE素材スイッチと、
軽いバネを使ってるからわかる。
このブレーキエリアは、
弱い指にこそ必要なのだ。
ぶっちゃけ、
強い人差し指や中指には、
このブレーキエリアは必要ないと考えている。
自分の意思を電気信号に変えるのに、
要らない動作はなくてもいいと思う。
だから人差し指中指は、
基本底まで打ち抜く打鍵をしていることが多い。
たしかにフルトラベル3.5mmは長いけど、
30gだし、滑るしで、
まあ一気に底までカツンといく。
しかも真鍮仕込みなので、
底打ちが気持ちいいようにチューニングされてるから、
底打ちのインセンティブがあるんよね。
この金属的な感触もあいまって、
万年筆のペン先的な感覚だと僕は感じている。
だけど、弱い薬指小指ではそうはいかない。
底打ちするのは結構な重労働だ。
このとき、半ば打ちが生きる。
というか、不器用な弱い指は、
毎回同じ打鍵ができてないことが多い。
だから掠ってもオンをひろえるように、
軽いバネ+摩擦最小+ブレーキエリアが生きてくる。
つまり、
アナログ的に待ちが広いのが、
ブレーキエリアの役割だと思われる。
なので、薬指小指に関しては底打ちありなし不定、
人差し指中指は底打ち、
というのがなんとなくの僕の基本スタイルだと思われる。
これに加えて、
書道のように、始画は底打ちだとしても、
ララララと流れに任せて書く時は、
底打ちを捨てて半ば打ちになる。
人差し指中指では特にコントロールが効くから、
こうした時に、
書道のような「力を抜いた線」が書けるような感覚になる。
トメは底打ち、ハネやハライは半ば打ち、
みたいな感覚が、
ブレーキエリアがあることで生きてくると思う。
これに一旦慣れてくると、
パンタグラフの最高級の、
富士通のギアリンク式の軽くて柔らかいやつでも、
「全画ブロック体で書かなきゃいけない」
みたいな感覚になってしまう。
続け文字にならない感覚。
会社貸与のノートPCなんかキーが重くて、
1カナごとに突き指させんのか、ってなってしまう。
(ほとんどはMiniAxe繋いでるけど、
カバンから出してすぐしまう時とか)
スピードスイッチに一時期凝ってたけど、
最近あんまり使ってないのは、
ブレーキエリアが狭いからかな。
でもHPE採用のスピードスイッチができたら、
ためしてもいいか。
(現状のスイッチにプラ板を仕込めばできるはず)
僕は昔漫画を描いてて、
Gペンが好きだった。
万年筆のペン先も同じ作りだ。
あの感じに、
キーボードがなるといいとずっと思っている。
強い時は強く書けて、
弱い時は弱く書けて。
デジタルだから01なんだけど、
気持ちはアナログだからかな。
そうそう、漫画の絵を描く時って、
その表情の顔をしながら描くことが多い。
悲しい顔を描く時は悲しい顔をする。
笑い顔は笑って描く。
怒った顔は表情筋を釣り上げて。
文章を書いてる時はどうだろう。
あんまり自覚したことないけど、
たぶん表情変えながら書いてる気がする。
もりやんさんのいう所の、
アクションライティング、役者になって書いてるからかな。
他の人はどうだろうと観察すると、
無表情でタイプしてる人ばかりだな。
業務メールだからだろうか。
気持ちのこもってない業務メール書いてるから、
詰まらない仕事になってるのではないかねえ。
(追記)
どうも僕はアクチュエーションの感覚はどうでもいいなと思っていて、
もりやんさんはそのアクチュエーションの感覚をこそ頼りにしてるっぽい。
https://note.com/catfist/n/n62395c977834?sub_rt=share_pb
色々違いがあっておもしろい。
2024年02月22日
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