バネを軽くすると、
そのスイッチの粗が見えやすい、
などと自キ界隈では言われている。
僕もそれをずっと感じている。
何故かをもう少し深掘りしてみる。
軽量バネにすると、
1. 擦れ感をより感じるようになる
2. ブレ感をより感じるようになる
3. 底打ちの感覚が安っぽくなる
4. 戻り振動をより強く感じるようになる
の4つの問題が起きやすい。
なんでか、をまず考察する。
そもそも、
擦れも、ブレも、底打ちや戻りの振動も、
変わってないと仮定しようか。
実際には、
バネの力が弱くなるから、
相対的には高速運動をして、
より速い擦過、より強い衝撃になると思われるが、
変数を固定するためにここは不変としよう。
この時、指の感じる力は、
もともと、
「重いバネ+その他のファクター」
だったのだ。
ここが軽いバネになったことで、
相対的に、
その他のファクターをより感じるようになる、
とモデル化できるような気がする。
要は、軽いバネで敏感になった指の感覚が、
バネで減った分その他のファクターも減ってない、
と検知するんだろうね。
弱い力で押せるのに、
擦れも弱い力になってないし、
ブレ感も収まらない力に感じるという原理だ。
擦れはルブすれば?
と思うかもしれないが、
もはや「ルブのヌルヌルが抵抗に感じる」
くらいの領域になっている。
ヌルヌルはもはや滑りではないという感じ。
35g近辺ですら、
あのPearlioの滑りが「擦れている」が強くなった。
ルブしたらさらに重たくなるのは明白なので、
HPEに出会わなかったらPearlioをまだ使ってただろうなー。
(LY、P3はまだ試していない)
ブレ感は僕は諦めている。
タイトなのがいいのかもだけど、
結局直進性を高めると擦れるからね。
なので、擦れを無くすことを重視すると、
ブレてもヨシと考えた。
底打ちが安くなるのはなんでだろう?
よく分からないんだけど、
なぜか「軽いプラを叩いている」感触になる。
だから僕はPCB下の、中央ステムが出っ張ってるところに、
真鍮ブロックを置いてあるわけ。
このデカい金属を叩くことで、
大きな質量を叩いている感覚になる。
そしてその感触はかなり気持ち良い。
で、
今戻りの振動をどう制御するかで悩んでいる。
その他のファクターを大きく感じるという仮説に戻れば、
戻り振動があることで不快なのはいいとして、
これを完全に殺してしまうと、
なんか快感が減るんだよね。
戻りの振動を丸めると籠る感じになり、気持ち良くない。
カランとしたピークのある振動で、
かつ余韻が暴れない綺麗なものにすれば、
いいはずなのだがうまくいかない。
そうそう、
「軽い押下圧がよいのだ!」
と、メンブレンやパンタグラフの、
55〜60gしか知らない世界から、
HHKBの45gに来た時の感動はまだ覚えている。
そして「もっと軽い30gリアルフォースがあるぞ!」
と聞いて期待して、
実際にヨドバシに触りに行った時の、
「おや?」という気持ちもはっきり覚えている。
なんか、「軽くて気持ち良い」んじゃなくて、
「スカスカで安っぽい」って思ったんだよな。
30gはスペック的にはかなりいいはずなのに、
「打鍵の快感」は全然なかった。
それでも「体にいいはずだ」と自分を説得できれば、
30gリアルフォースで満足してたのかも知れないけど、
45gHHKBを触った時のような感動を、
求めているんじゃないかと思う。
(いまそれを触っても全然いいと思わないくらいには、
指は贅沢を覚えてしまった)
真鍮を仕込んだりしているのは、
「バネが軽いと安っぽい」ことからの脱却を考えているからだ。
おそらくだけど、
質量が全てを解決しそうで、
キースイッチの質量を重くすればいいのでは?
と考えている。
ただ、ひとつのパーツではなく、
複数のパーツがあるから、
事は単純ではないみたい。
2024年03月04日
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