僕は英語をほとんど書かないからqwerty英語をそのまま使っている。
だけど、もし英語をガッツリやる人だったなら、
何をやるべきか検討するか自作すると思う。
そのとき、qwertyとの同居をコントロールしなければならない。
どういうことかというと、
ほとんどのショートカットは、
qwertyを前提に組み立てられているからだ。
zxcvは左下に固められているし、
たとえば映像編集ソフトpremiereでの、
巻き戻し/再生/早送りは、
JKLにバインドされている。
あるいはVimを詳しく知らないが、
カーソルはHJKLに並べられていることくらいは知っている。
これは、
空間的な並びを利用した、
アルファベットの意味と関係ないショートカットだ。
だから、英語配列を変えると、
これらのショートカットの位置が動いてしまう問題がある。
(一方、emacsやMacでの文字関連ショートカット、
ctrl+n(next line)、ctrl+p(previous line)は、
空間関係と関係なく、文字の意味で移動を行う。
どの場所に移動しようが、
意味でショートカットを押せる、
知性のあるやり方だ。
Windowsにもこの知性があればよかったのに)
対策としては、
「ctrl、alt、winを押しながらだとqwertyに戻す」
というやり方がある。
つまり結局はqwertyともう一つ別の配列、
計二つが必要になるという話。
ショートカットを使いやすいように、
全バインドを変えられるように、
各アプリが実装してくれればいいのになー。
アプリごとにバラバラなのが大変ムカつく。
ちなみにPremiereはそれが可能で、
好きなバインドに好きな機能を割り振れるのよね。
映像編集ソフトはわりと昔からそうだ。
もう25年以上使ってる、
プロ用のAvidではデフォルトでそうで、
同じ設定ファイルを僕は25年使いまわしている。
(この発想が最初からあったから、
「なんで文字配列は動かせないんだ??」
と疑問を覚えて論理配列やりはじめたのかもね)
もちろんこれはqwertyベースだから、
配列を変えるならこれらも全とっかえになる。
「ctrlを押したときだけqwerty」だと、
Premiereだと、JKLのシングルタップで再生コントロールなので、
それも崩れるのよね。
僕はエクセルを使わないのだが、
Fなんとかキーをよく使うらしい。
なんでそんなブラインドタッチできないキーをよく使うんや。あほか。
エクセル使いは全員あほやろ。
そんなもん、FJ付近にもってこいや。
アプリ上でできないなら、
マクロパッドつくれや。
キーボードを、
文字打ちの道具専門にして、
アプリ操作と兼用しなければ、
この悲劇を避けることができる。
Vimなんかはそれが徹底していて、
文字は文字モード、操作は操作モードと、
明示的に切り替えるよね。
Adobeのソフトはデフォルト操作モードで、
レイヤー名クリックと、テキストレイヤーのときだけ、
文字入力モードになるね。
おそらくだけど、
もし僕が英語専用配列を使うならば、
そのようにして、
操作専用マクロパッドをつくり、
文字と分けると思う。
「兼用する」という貧乏根性が、
あなたの打鍵生活を貧しくしているのだ。
プロなら専用の道具を使えばいいのさ。
武士は刀でキャベツを切らない。
ということで、
・操作用配列(フルキーボードである必要はなく、
必要なキーだけまとまってればよし)
・英語専用配列
・日本語専用配列
・第三言語用配列
・第四言語用配列
…
と、
用途によって増やせばよろしいのではないかしら。
十徳ナイフは器用貧乏に終わる。
活躍してる場面見たことないものね。
僕は英語を専門にやらないので、
・操作用配列としてのqwerty
・PremiereとAfterEffectsは専用マクロパッド設計した
・英語は兼用でqwerty
・日本語専用に薙刀式
という立場だ。
たとえば翻訳者なら、英語専用配列やってもいいのかもね。
僕がそういう仕事をするのだとしたら、
操作盤としてのqwertyキーボード、
英語専用配列の別キーボード、
日本語専用の論理配列をどっちかに乗せる、
というダブルキーボード体制にすると予想する。
26とかセコイこと言ってるやつが、
器用貧乏で終わる。
2024年03月06日
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ブラウザーなどでも HJKL のバインドがナビゲーションなどに使われているという現実があり英語だと全然使われない J が一番良い場所にあるのが辛いのです (ドイツ語だと多分そこまででもないでしょうが)。
> Vimなんかはそれが徹底していて、
> 文字は文字モード、操作は操作モードと、
> 明示的に切り替えるよね。
これはその通りなのですが、だからこそ問題が難しくなっている気がします。
* 入力モードとコマンドモードの時だけ配列変える → しかしノーマルモードとコマンドモードはかなり近い位置にあり、(例えば検索ではノーマルモード、置換ではコマンドモード) これらのモードで違う配列を使いたくない。そもそも vim 以外でも文章入力することはあるので、vim の特定モードだけ変えても問題は残る。
* vim のノーマルモード (とビジュアルモード) だけ QWERTY と同じような挙動をするように .vimrc に書き込む → やってみたのですが、思った以上に茨の道で諦めました (予想外のところでコマンドが使えなくなったりするのと、場合によってはどうやってバインドし直すかわからないケースもあり)。
ごぶさたです。
僕はあまり英語配列について真剣に考えてないんですが、
ショートカット的なことをやろうとすればするほど、
qwertyのマッピングを変えることは厄介になりそうだな、
というのはなんとなく分かります。
で、真剣に考えた人ほど、
qwertyに戻ってきてしまうのは、
なんだか残念ですね…
vim専用に、
○○配列でのqwerty位置での操作体系のフィルタをつくり、
また別のアプリ用に…
と各個撃破の形になってしまい、
共通の解がないんでしょうね…
あと、英語配列を変えた時に、
ショートカットなどは置いといて、
純粋に文章が早く楽に書けるものか?
という問いには興味ありますね。
なんだかんだいって英語圏で論理配列が流行らない理由は、
あんまり変わらないからでは?と訝っています。
(単に外人の指がそんなに器用ではないから、
という身も蓋もない仮説もありか)
> ショートカットなどは置いといて、
> 純粋に文章が早く楽に書けるものか?
体感ではありますが、プログラミングなど関係なく平の英文であれは (そして慣れれば) QWERTY に比べて楽に速くタイピングすることができるような感じです (当然ながら慣れるまで大変ですけれど)。
…とはいえそれですべてが良いというわけでもないらしく、例えば銀行に備え付けられているキーボードで素早く入力できなくなったりとか…。人によってはこういう理由で QWERTY 配列に戻ることもあるそうです。
>体感ではありますが、
> 楽に速くタイピング
ああ、それは良かった。
日本語配列の劇的な効果に比べて、そんなでもないのでは、
なんて思ってましたが。
日本語配列を変えたとしても、
どこかではqwertyローマ字使わなきゃいけないのと同じで、
英語でも併用の義務は残ると思います。
これは慣れるしかないでしょうね。
ただショートカットの問題が出てくるから、
英語配列は二重苦を背負うことになるのか…
> 英語配列は二重苦を背負うことになるのか…
そうなのです。(漢直などの場合を除き) 日本語の場合は IME というレイヤーを挟むことになるので配列のロジックを IME にすべて任せる (そして IME/IMF があるのでショートカットも今までどおり使える) といういいとこ取りができるのですが、IME という概念がない言語だとそれも難しいかと思います (英語やドイツ語でも使える IME を作れば良い、という話ではあるのですが…いやしかしターミナル上で使っている vim ではコンテクストの判断ができないか…)。
そうか、エンジニアたちに配列の話をするときに、
ターミナルをいろいろな所で触るから、
デフォルトキーボードデフォルト配列でないとだめ、
みたいなことは、そういうことだったのか、
となんとなくわかりました。
僕らみたいにエディタやせいぜいブラウザ上で文章を書くわけではないのか、
となると、OSレベルで何かできないと意味ないのかもですねー。
仮にIMEのようなものをつくるとして、
現在のアプリにあわせて、
自動的にショートカットを現在の配列に合わせて翻訳してくれるものをつくる
(アプリごとに登録するだけだけど)
ことは出来るのかもしれないですが、
手間はかかるよなー…
vimの挙動はアルファベットじゃなくて、空間位置に紐づいてるからなー。
逆にアルファベットに紐づかせたemacsのほうが賢かったですね、配列サイドからすると。(Mac版の薙刀式は、縦書き/横書きでソースを変えずにカーソル移動をctrl+○で実現してるはず)