2024年03月11日

【自キ】Tecsee RAWの扱い方

最近僕が手を入れまくっている、
Tecsee RAWはとてもいい所と悪い所が、
両極端にあるピーキーなスイッチだ。

試行錯誤した結果、その取り扱いマニュアルをまとめておく。


【いい所】

・擦れ感が史上最高にないこと。
 擦れ感がないスイッチでも、30gくらいの軽いバネを入れると、
 途端に擦れ感を感じる(たとえPearlioでも)のだが、
 HPEステム×ナイロンハウジングの組み合わせは、
 30gでも無敵の擦れしない感を誇る。
 たぶんこれ以上擦れないスイッチは今のところないかも。

・ブレ感が適度にあること。
 擦れないスイッチでも、ブレ感のないタイトなスイッチ、
 たとえばBlack Lotusではキツく感じて、摩擦感を感じることが多い。
 (実際には横方向の圧力を感じているのだろう)
 それが、適度にブレることでほぼないのが良い。

総合して、「ただ落ちて戻るだけのスイッチ」
という、擦れ感に関しては理想のものだと僕は思う。
ルブ? 余計抵抗が増えるからやめとけ。
ルブの油すら抵抗になるレベルだぜ。

・ロングポールな所。
 僕はあんまりロングポールは好きじゃない。
 力が集中しすぎるから。
 だけどこのロングポールは悪くない。
 材料の相性や厚みのファクターだろうか。
 これが通常の4mm両足着地だと、ぼんやりしてしまうと思う。

このため、全体的にクラッキーなチューニングが合うと思う。
滑って行った先がカツーンと跳ね返る方が、
このスイッチの特性を活かせる。
ソックにすると、ロングポールと滑りがケンカしそう。



【悪い所】

・リーフノイズ。オン、オフ時にリーフが震えて、
 ハウジング内にぶつかる?音がある。
→これは対策可能。
 マステを7mm×1.5mm程度、6枚積層して
 (6重に貼ったマステを切るのがやりやすい)、
 トップハウジングのリーフスペースの天面に貼ると良い。
 これ以上貼るとリーフが固定されてオンにならず、
 これより少ないとノイズ低減量が少ないようだ。

・底打ち感はクラッキー方向だけど、まだぼんやりしている。
→好みによるかな。
 僕はパキパキのクラッキーがいいと思ってて、
 3mm厚の真鍮ブロックをPCBとボトムプレートの間、
 スイッチ直下に挟み、
 「金属の上をタップダンスで踊るような感覚」
 を手に入れている。
 これをやると打鍵の解像度が上がるのでオススメ。

 ただこれによってたくさんの振動が生まれる。

→対策は、鉛シート(オーディオスピーカーのデッドニング用、
 0.3mm厚で粘着シートつき)を、
 ボトムハウジングの凹んでるところ
 (両側面、LED透過部)に積層して貼り付けること。
 (それぞれ3枚、5枚)
 こうすることで打鍵がぽやっとするのを、
 しっかりした感覚にすることができる。
 (基本的には質量を増やした方が微妙な残響がない)


・戻り振動がノイジーなこと。

 これはこのスイッチの最大の欠点だ。
 まだ最適解は見つけていない。
 ただ、試してみたところ、デッドすると、
 打鍵がぼんやり遅く感じる。
 どうやら、底打ちと戻りがほぼ同時に鳴るような、
 二重の極みみたいな感じの打鍵が一番快速になるみたい。

→今のところの対策をメモっておく。

1. トップハウジングの質量を増して、デッドニングする。
 鉛シートを貼る、積層した鉛シートを貼る。
 さらには3Dプリントした、スイッチ外側にピタッとはまるものでデッドニングする。
 とりあえず鉛シートは効くが、
 カバーがないとポロポロと剥がれてくるだろう…

2. トップハウジング裏、ステム両肩が当たる、
 とても狭い所に何かを貼る

マステ1枚、2枚積層、3枚積層→コトコト系、ソック系に
養生テープ1枚、2枚積層→コトコト系、やわらかめ
両面テープで0.2mm真鍮シートを貼る→パキパキなクラッキー
真鍮シート+マステや養生テープでクッションのミルフィーユ
 →中途半端

3. 上下ハウジング間にスイッチフィルム

DESフィルムだと、効果があるのかないのかよくわからなかった。
なので南北の接触部分に細く切った両面テープで粘着。
これで戻りの感覚は結構変わる。


・うるさい。
 僕は打鍵感追求派であり、音はどうでもいいのだが、
 うるさいのはいただけない。カフェでも使うし。
 なのでこれはポロンを色んな空間に入れて、マシにしている。
 ただ空気の共振も減るのか、打鍵感もマイルドになる。


あくまで今のところの対策だ。
だけどその手間を惜しむだけの価値が、
滑り感にあるのよね。
滑り感というにはおこがましい、
そこに何もない感、バネしかない感、
と言っても過言ではない。

このためだけに、Tecsee RAWを使っている。

同様の素材、HPEは、
Tecsee Blue Sky(linear/tactile)のハウジングでも使われている。
ステムがPOMなので、POM×HPEというスイッチだ。
ただHPEは細いと脆くなるのか、
5pinがほとんど折れて3pin仕様になっちゃったな。
脆さは摩擦係数や振動特性に関係するんだろうなー…

Blue Skyでも滑ったけど、
Tecsee RAWのほうが、
「ここに何もない感じ」が強いな。



ということで、
僕の現在の推しスイッチの取り扱いでした。
ピーキーすぎて勧めづらいけど、
この滑り×軽量バネの感覚が、戻れない快感なのよね。
posted by おおおかとしひこ at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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