2024年03月12日

祝アカデミー視覚効果賞

ゴジラがVFXの賞を獲った。
とてもめでたいことだ。
山崎貴の長年のキャリアの頂点だろう。

しかしこれは同時に、
映画監督である彼が、出自の技術でしか賞を獲れず、
映画監督としては無冠であることを意味している。
円谷英二は特撮監督に徹していたが、
山崎貴は監督である。
映画としての部分点ではなく、総合点を獲りにいけてないのは、
大いに恥じるべきところだ。

彼が円谷英二やスクリーミングマッドジョージの立場だったら、
朝まで飲みたいところだが、
ドラゴンクエストyour storyのことは忘れてねえぞ。
当時最新の人類の娯楽であるゲームが、
それまでの娯楽、漫画や映画や演劇や小説を超えた瞬間の、
記念碑である。
それを旧来のメディアが自分たちのフィールドでやって、
何一つ超えられなかったことは、
もっと議論されてしかるべきだ。

そして、東宝という日本一の映画会社が、
ゴジラは肝入りにして意地でも水準を超えてくるのに対して、
その他は水準を超えられない理由についても、
もっと議論されてしかるべきだ。

勝ちに不思議の勝ちあり、
負けに不思議の負けなし。
(肥前国第9代平戸藩主、松浦清の言葉を野村克也がよく引用した)
勝ちの理由はよく分からないこともあるが、
負けの理由は分析して改善できるものばかりだ。

ゴジラ以外の爆死について、
ゴジラが作品賞や監督賞や脚本賞を獲れなかったことについて、
不思議の負けとか言ってる場合ではない。

(作品は未見だけど、
ドラクエの辛酸のせいでまだ見れてないです。
見てから作品批評はしたい)
posted by おおおかとしひこ at 02:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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