ゴジラがVFXの賞を獲った。
とてもめでたいことだ。
山崎貴の長年のキャリアの頂点だろう。
しかしこれは同時に、
映画監督である彼が、出自の技術でしか賞を獲れず、
映画監督としては無冠であることを意味している。
円谷英二は特撮監督に徹していたが、
山崎貴は監督である。
映画としての部分点ではなく、総合点を獲りにいけてないのは、
大いに恥じるべきところだ。
彼が円谷英二やスクリーミングマッドジョージの立場だったら、
朝まで飲みたいところだが、
ドラゴンクエストyour storyのことは忘れてねえぞ。
当時最新の人類の娯楽であるゲームが、
それまでの娯楽、漫画や映画や演劇や小説を超えた瞬間の、
記念碑である。
それを旧来のメディアが自分たちのフィールドでやって、
何一つ超えられなかったことは、
もっと議論されてしかるべきだ。
そして、東宝という日本一の映画会社が、
ゴジラは肝入りにして意地でも水準を超えてくるのに対して、
その他は水準を超えられない理由についても、
もっと議論されてしかるべきだ。
勝ちに不思議の勝ちあり、
負けに不思議の負けなし。
(肥前国第9代平戸藩主、松浦清の言葉を野村克也がよく引用した)
勝ちの理由はよく分からないこともあるが、
負けの理由は分析して改善できるものばかりだ。
ゴジラ以外の爆死について、
ゴジラが作品賞や監督賞や脚本賞を獲れなかったことについて、
不思議の負けとか言ってる場合ではない。
(作品は未見だけど、
ドラクエの辛酸のせいでまだ見れてないです。
見てから作品批評はしたい)
2024年03月12日
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