2024年03月15日

【薙刀式】qwertyの運指の無理なところ

qwertyローマ字は頻度バランスが良くないだけでなく、
運指上も無理のあるところが多い。
僕が無理と思うところはたとえば。


られて、られた、されて、された、だから、さされて、させられて

左手連続。
「わざわざ」は極悪運指として有名だけど、
これは縦連を含むからで、
そうでなくとも上のような左手連続は僕は無理。
日本語の概念を頭の中で再生するよりも、
数倍時間がかかってしまう。

これらは、タイピングゲームでは出にくい言葉
(タイピングゲームは単語単位が多いから)だが、
現実の文章ではしょっちゅう出てくる言葉だ。
こういう、単語と単語を繋ぐような言葉が豊富なのが、
膠着語である日本語の特徴だ。
それこそ「わざわざ」よりも沢山出るだろう。
これらを打ちにくい事自体、
日本語を書くことに向いてないと思う。


nを最高三連続打つことがある

「次に母音ないしyが来ない時はn、来る時はnn」
という原則で基本は対応できるものの、
ん+ナ行だとnnnがあり得る。
そんな sonnna
本人に honnninnni
とかよく使うワードにこれらが現れると死ぬ。
「n何回だっけ」と少しでも思うことは、
思考に割り込みが入り、アイデアは蒸発してしまう。
仮に無意識で書けるとしても、
同鍵三打は操作法として欠陥でしょ。
こんにゃく konnnyaku
とかニャ行が少ないゆえに、まず一発で打てない。
翻訳コンニャクとかqwerty殺しだな。


母音→子音が速い組み合わせがある

これで余計打鍵リズムが狂うなあ。
母音、子音+母音、子音+y+母音、n/nn
という体系においては、
その区切りで一区切りつけたいのだが、
たとえばinはアルペジオのため速い。

死なない sinanai
だと、しな/ないという概念に分かれるから、
/で間を置きたいところだが、
inの所で加速してしまい、
日本語のリズムが狂う。
せめてsi/na/nai
と打ちたいところだが、そうさせてくれない。
速く打とうとすればするほど、
inを見逃すわけにいかないので、
速く打とうとすればするほど、思考のリズムと指のリズムがバラバラになる。

音楽に合わせてステップを踏むべきであり、
音楽とステップがバラバラではダンスは踊れまい。
そしてそれが上級者に求められるっておかしなことだ。



左右に母音子音を分離した、
左右分離型ローマ字配列では、
これらの問題は基本的に起こらない。
「ん」専用キーを置けばn何回の話もなくなるし。

とはいえ、アルペジオ運指は封じられるし、
打鍵効率1.7は原理的に変わらないため、
日本語を打つには打鍵数は多すぎると思う。

だから僕はローマ字のカタナ式を捨て、
カナ配列の薙刀式へ移行した。

qwertyの運指のメチャクチャさが嫌いだったから、
「指が最小距離でつながってゆく(特にアルペジオ)」
を重視したわけだ。


qwertyローマ字は、
たまたま優秀なところがある。
小指を除いては比較的優良なバランスをしているし、
yuio絡みのアルペジオは気持ちよく、
適度に左右にばらけるため左右交互が多い。
たとえばn何回問題も、
nが最も器用な右手人差し指担当だったから、
あまり表面化していない。
もしnが左手中指下段だったら、
日本人全員がキレ始めてたはずだ。

qwertyローマ字を導入したのはcannonのワープロが初だそうだ。
まさかここまで支配的になるとは、
当時の誰も思わなかっただろう。

前にも議論したが、
qwertyローマ字は素晴らしい配列だから普及したのではない。
26さえ覚えれば良いと、
初心者のハードルを下げたから普及したのだ。
だがそれが日本語を書くために、
とても困難であることは、
隠匿されてきたといえる。



薙刀式では、繋ぎの語のほうをアルペジオで速く打てるし、
n何回問題もないし、
おかしな所での加速ポイントはない。
思考のリズムと指のリズムが合い、
相乗効果を生むようになっている。

なぜ日本人は愚かなqwertyを使い続けるのか、
僕にはさっぱり分からない。

他の選択肢を知らないこと、
キーボードよりも手書きの方が遅いこと、
(字が下手なことも含む)
26以上のやる気が出ないこと、
などが原因であろう。

おそらく外国人が日本語を学ぶような、
独特の困難さが、
qwertyの重力圏から出るのに必要なはずだ。

qwertyを義務教育でない世代で助かった。
僕がそれをやってたら、
こんなに文章の書ける子に育っていない。


posted by おおおかとしひこ at 15:43| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ノーマルqwerty配列で、標準ローマ字読みどおりの入力では
無理があるところが多いことに同感です。
斜め上とか、横の離れたキーを打って戻る運指もしない方がよいと思います。

打鍵数が多くなる、左右の打つ順番が逆になって誤打のリスクがありますが
同指連打ほぼなくテンポよく楽に打てることの説明書きの練習をさせてください。

HGBTQ(仮称)方式
16キープラスαでほぼ左右交互打鍵ローマ字入力

ローマ字入力で使うキー
_w_e_r______u_i_o
__s_d_g______h_k_tEN
___c_b______q_m_,_.__BS
__MD1___________MD2_CAPS

使う指
_薬中人____人中薬
__薬中人____人中薬小
____親親____親親
__親____________親親

ローマ字入力で使わないキー(使うこともできる)
q______t___y______p
_a______f___j______l
__z_x
_ALT______v


tはlの位置で右薬指打ち

られて、られた、されて、された、だから、さされて、させられて
rtrkte、rtrktw、strkte、strktw、dtkwrt、ststrkte、stskrtrkte

「わざわざ」
wtsctwtsct

qはnの位置で右親指打ち
そんな
socqqw

本人に
hbcqqccqqc

bはvの位置で左親指打ち
こんにゃく
kbcqqhwkr
やhsゆhdよhg
翻訳こんにゃく
hbcqhskrkbcqqhwkr

死なない
siqwqwi
Posted by 中島 at 2024年03月16日 00:12
>中島さん

なるほど、基本は左右交互打鍵だから、
少なくともバラバラな運指にはならなさそうですね。

ただこうなるとアルペジオが使えなくなって、
ゆっくりした打鍵ならいいけど、
慣れてきて打鍵速度があがると、
左右追い越し現象があるかもなー。

その辺は使い込まないと分からないのが、
配列の難しいところです。
親指を使うのはタイパーみたいで面白い。
Posted by おおおかとしひこ at 2024年03月16日 10:33
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