ある焦点に向かっていくことが、
ストーリーの基本形だ。
しかし同じ焦点だけだと飽きてしまう。
だから適度に焦点が変わる。
変わるポイントをターニングポイントという。
ターニングポイントはおおむね10分くらいを目安に置いておくといいと思う。
ところで、
この10分尺だけで執筆を考えると楽になる。
つまり、
「10分だけのシナリオを書けばよい」と、
自分に課すことが出来るわけ。
10分シナリオならば、
よくよく考えていれば、
執筆自体は1日でも可能だろう。
(構想のほうが時間を取る)
あるターニングポイントで終わったところから、
「つづき」を10分だけ書いて、
ターニングポイントで終わる、
というスタイルならば、
執筆をブロック化できるよね。
これは、第一稿を書くときに、
重宝する考え方だ。
長大な2時間をどう書いたらいいか分からないとき、
「10分なら書ける」と思い込むと、
まあ書けるわけ。
次の10分はどうしようかとか、
その次の10分で何をしようとか、
10分単位で考えられるようになると、
執筆が楽になると思う。
もちろんストーリーの都合で、
10分が1ブロックになるとは限らない。
なので、あくまで目安ということで。
「10分単位で執筆する」と覚悟すれば、
「その10分を濃くする」ことも意識できる。
たとえば、
この10分は悲しみに沈んだパートで、
次の10分は喜びがあり、急いだパートである、
などのように、
1ブロック1ブロックを、
明瞭に分けて考えることができるようになる。
次の10分はうれしいパートだから、
この10分はなるべく深く暗くしたれ、
などと、
コントラストを考えた執筆も出来るようになるだろう。
執筆の一番つらいところは、
「今何を書いているのか分からなくなる」
「次何を書くべきか分からなくなる」
ことである。
10分ブロックならば、
端から端まで見ることが出来るから、
「ここはこうしておくべきだ」
などのような判断が出来るはず。
もっとも、
10分をひいひい言って書くレベルならば、
この方法論は使えないが。
僕の経験上、
5〜15分くらいまでは、
一息で書くことが出来る。
脚本添削スペシャルを15分規定としているのも、
その経験に基づく数値だ。
だからこれくらいを一気書き出来るようになれないと、
多分2時間なんて全然書けなくて、
すぐに迷路にはまってしまうのではないかと考えている。
10分パート×12ブロック、
15分パート×9ブロックで、
120分が埋まる。
これくらいならば、
各ブロック単位で考えられるのではないだろうか。
3分が精いっぱいだとしたら、
3×40ブロックになってしまうから、
整理できなくなると思うよ。
ということで、
10分ブロック単位で執筆するのは、
わりといいんじゃないかと思った。
プロットを10分単位で線を入れて、
その10分を書くことだけを考えて、
目の前の原稿に集中すれば、
12ラウンドやれば完成しているさ。
もちろん、ストーリーに応じて、
10が7になったり16になったりしてもよい。
面白いかどうかが問題であって、
数値が大事なのではない。
あくまで目安だ。
2024年04月23日
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