2024年04月23日

転調を10分置きに意識する

ある焦点に向かっていくことが、
ストーリーの基本形だ。
しかし同じ焦点だけだと飽きてしまう。
だから適度に焦点が変わる。
変わるポイントをターニングポイントという。
ターニングポイントはおおむね10分くらいを目安に置いておくといいと思う。

ところで、
この10分尺だけで執筆を考えると楽になる。


つまり、
「10分だけのシナリオを書けばよい」と、
自分に課すことが出来るわけ。
10分シナリオならば、
よくよく考えていれば、
執筆自体は1日でも可能だろう。
(構想のほうが時間を取る)

あるターニングポイントで終わったところから、
「つづき」を10分だけ書いて、
ターニングポイントで終わる、
というスタイルならば、
執筆をブロック化できるよね。

これは、第一稿を書くときに、
重宝する考え方だ。

長大な2時間をどう書いたらいいか分からないとき、
「10分なら書ける」と思い込むと、
まあ書けるわけ。
次の10分はどうしようかとか、
その次の10分で何をしようとか、
10分単位で考えられるようになると、
執筆が楽になると思う。

もちろんストーリーの都合で、
10分が1ブロックになるとは限らない。
なので、あくまで目安ということで。


「10分単位で執筆する」と覚悟すれば、
「その10分を濃くする」ことも意識できる。
たとえば、
この10分は悲しみに沈んだパートで、
次の10分は喜びがあり、急いだパートである、
などのように、
1ブロック1ブロックを、
明瞭に分けて考えることができるようになる。

次の10分はうれしいパートだから、
この10分はなるべく深く暗くしたれ、
などと、
コントラストを考えた執筆も出来るようになるだろう。

執筆の一番つらいところは、
「今何を書いているのか分からなくなる」
「次何を書くべきか分からなくなる」
ことである。
10分ブロックならば、
端から端まで見ることが出来るから、
「ここはこうしておくべきだ」
などのような判断が出来るはず。

もっとも、
10分をひいひい言って書くレベルならば、
この方法論は使えないが。

僕の経験上、
5〜15分くらいまでは、
一息で書くことが出来る。
脚本添削スペシャルを15分規定としているのも、
その経験に基づく数値だ。

だからこれくらいを一気書き出来るようになれないと、
多分2時間なんて全然書けなくて、
すぐに迷路にはまってしまうのではないかと考えている。
10分パート×12ブロック、
15分パート×9ブロックで、
120分が埋まる。
これくらいならば、
各ブロック単位で考えられるのではないだろうか。
3分が精いっぱいだとしたら、
3×40ブロックになってしまうから、
整理できなくなると思うよ。

ということで、
10分ブロック単位で執筆するのは、
わりといいんじゃないかと思った。
プロットを10分単位で線を入れて、
その10分を書くことだけを考えて、
目の前の原稿に集中すれば、
12ラウンドやれば完成しているさ。

もちろん、ストーリーに応じて、
10が7になったり16になったりしてもよい。
面白いかどうかが問題であって、
数値が大事なのではない。
あくまで目安だ。
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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