列挙してみる。
・指の負荷バランスを整えること
・動線を整理してスムーズに指運びできること
・アクション数を減らして脳の負荷を下げること
・よく使う言葉を良運指にすること
・字だけでなく機能もその動線に組み込むこと
かな。
・指の負荷バランスを整えること
特定の指だけ偏って使うとか、
弱い指を酷使するとか、
強い指が遊んでるとか、
利き手の右より左を多く使うとか(利き手は人によるが)、
そうした不条理を良きバランスにする。
「良きバランス」には色々あるが、
少なくともqwertyローマ字の無茶苦茶は是正されるだろう。
また、ホームポジションのキーをよく使い、
そこから遠いキーの頻度を下げることも、
このことに含まれるだろう。
・動線を整理してスムーズに指運びできること
「超絶運指の難曲」みたいなものがピアノにある。
跳躍が多く、複雑な指運びをしなければならない。
そうした無茶を避けて、
自然な指運び、最短距離の指運びになるような、
言葉の連なりになるような配列を見出すこと。
悪運指(同指連続、跳躍など)を避け、
良運指(左右交互、アルペジオ)を増やすこと。
どのようなカナ連接がどれだけ使われるかは、
統計に基づく確率論がよく使われる。
どのような運指がどれだけ速いかについては、
体験に基づく評価が多かったが、
僕が実際に30キー×30キーの2連接900パターンについて、
実測した数値データも存在するので、
今後データは蓄積されるかもしれない。
・アクション数を減らして脳の負荷を下げること
一説によれば、
人が一日に取れるアクションの数は決まっていて、
それを超えると疲れるらしい。
1文字を打つのに複数アクションがあると、
それだけで脳の負荷があがると思われる。
ただでさえ、日本語には変換や確定があり、
アクション数は多いのだ。
英語みたいに打つ即確定ではない。
それ以前の動線を、アクション数を減らせるならそれに越したことはない。
僕の理想は1モーラ1アクションだ。
これを実現しているのは、
新下駄、シン蜂蜜小梅、薙刀式しかない。
漢直は変換過程のアクションを0にする代わりに、
一文字に数アクション必要になる。
僕は漢直を使えないので、
どちらが得なのか、ミックスでも行けるのかは、
まだ未知数だ。
・よく使う言葉を良運指にすること
新下駄配列は、
100万字統計から見出した、
頻出2連接を順番に良運指(アルペジオ優先)に当てた配列である。
新JIS配列は、
教科書文章を基準に、
繋がりの薄いカナを2グループにわけ、
それらを左右の手に配置することで、
左右交互打鍵率を上げた配列だ。
薙刀式は、
日本語を著すときの中核になる言葉を、
アルペジオに当てている配列である。
(この言葉は恣意的に選ばれたもの。
たとえば、ある、ない、する、して、こと、てきなど)
また、よく使う助詞をほぼ人差し指中指に配置してあるので、
ある単語とある単語を接続しやすくなっていて、
文章を書くこと=思考を繋げていくこと、
に役立つようになっている。
親指シフトでは、
漢字の熟語の二文字目は8種類しかない
(いうんきくちつっ)ことを利用して、
この文字を右手に与えて、
左右交互で漢語を打ちやすくする工夫がある。
月配列系の月Kや月光では、
日本語ではマイナーの部類の「ふ」を優遇して、
外来語では頻出するファ行を打ちやすくする工夫がある。
その他、
多くの配列では、
長音「ー」を優遇している。
全体頻度だけでいうとマイナーだが、
外来語では最頻出になるため、
優遇しておいたほうが外来語をスムーズに打てるためだ。
各配列によって、
何を書きやすくするかには異同がある。
目的や思想に合うものを選ばれたい。
・字だけでなく機能もその動線に組み込むこと
BSやエンターやカーソルは、
日本語を書く上でよく使うキーだ。
書きっぱなしでは書くことは完結しない。
これらの変換や確定に必要なものまで、
配列に取り込んだ方が、
統合環境になるはずである。
これらの動線まで考えて配列である、
と考えたほうが全体的だ。
カタナ式、薙刀式ではその思想が強く、
よく使う記号や編集のためのショートカット集、
編集モードまでも論理配列に含めている。
(ほかに、飛鳥、新下駄、親指シフト、
れんかなどでも機能キーや記号の扱いがある)
論理配列にできること。
論理配列を変えると何が得をするのか。
論理配列は何をすることで得しようとするのか。
逆に、これら以外は論理配列にはできない。
たとえば、自作キーボードでは、
物理配列すら変えられる。
ロウスタッガードを格子配列にしたり、
あるキーとあるキーの距離だけを縮めたり、離したり、
キーの大きさや形を変えたり、
3D曲面にすることができる。
だけど物理配列を変えても、
論理配列が109キーボードのままじゃあ意味がない。
打鍵の負荷を減らすことはできるが、
動線効率を変えるのは、
論理配列を変更することだけでしか、
実現できない。
論理配列を変更することには、
デメリットもある。
・無意識レベルにマスターするまでの期間がある
・他のマシンでの従来配列との両立
・ctrl+○などのショートカットまで変わってしまう
・無意識レベルにマスターするまでの期間がある
薙刀式は以降の簡単なカナ配列で、
1〜3週間程度でなんとかなる。
親指シフトは難しく、一か月〜半年という話はよく聞く。
・他のマシンでの従来配列との両立
他のマシンでqwertyを使わざるを得ないこともよくある。
結論から言うと、両立できる。
論理配列をマスターする半分くらいの時間、
両立慣れの期間を見ておくと良い。
・ctrl+○などのショートカットまで変わってしまう
これは難しい問題だ。
モデファイアを押してる間だけqwerty、
というオプションがおすすめだが、
たとえばadobeのソフトではv単打で選択、
などのようにモデファイアを介さない場合がよくある。
僕が英語使用時はqwertyに統一しているのはそのため。
英語配列を変えたい人は、
この問題にいずれぶち当たるだろうね。
解決策は別記事で考えたい。
論理配列ができること。
論理配列にはできないこと。
僕は、秤にかければ、
メリットがデメリットの万倍あると思うので、
さっさとやるべきだと考えている。
また、物理配列をうまく見出すことで、
論理配列がやってることを、
アシストできるとも考えている。
2024年03月31日
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