2024年05月23日

予告編を書く練習

なんでもいいから、予告編の原稿を書いてみよう。

絵つなぎは無視してよい。
ナレーションだけで予告編をつくることを考える、
という縛りで何かをやってみることは勉強にものすごくなるよ。


好きな映画の予告編をつくってみよう。
絵の力を使わない
(たとえば表情の良さとか、そういうことではない)、
音楽の力も使わない、
となると、
内容の情報伝達だけで、
本質を描きだして、しかも重要なネタバレせず、
しかしちょろっと出しして興味を持たせ、
なおかつ全体的に面白そうと思わせなければならない。

これはもはや映画配給会社宣伝部の、
新入社員の課題にしてもいいくらいだ。
自社の映画を100本見て、
全部つくるくらいはやってもいいだろう。


ナレーション縛りになると、
どれだけ説明するか、説明しないか、
ということだけに注力することになるよね。
これを予告で説明しなくても、
ほかの語りから想像できるだろう、などの判断もつくようになる。

100本もやれば、
面白い映画だけじゃなくて、
つまらない映画も混じってくる。
面白い映画は面白そうに、
つまらない映画も、面白そうに、
予告編をつくることが仕事になるだろう。

なんだったら、
人は興味を持ち、内容を楽しみにするのだろう?
いろんなことをやっておこう。
予告編って90秒くらいなんだっけ。
じゃあ原稿用紙1枚、400字前後で縛るかね。
(隙間が空くことも想定している)
ガチナレーション勝負だ。
声で出すか字だけで出すかは選べるとする。


好きな映画でやってみよう。
つまらなかった映画でもやってみよう。
そして、実際の「正解」を見てみよう。
予告編はネットに沢山転がっているから、
見ること自体はすぐに出来る。

ここを拾ったか、ここは省略したか、
なんてことがよくわかるだろう。
その時に「自分の原稿のほうが良いのに」
と思うことも出てくるだろうね。


これは、
「その映画のコンセプトは何か」を、
短い文でとらえる訓練である。

それでいて、
本質をネタバレせず、
本質をチラ見させて、
おもしろそうに見せる訓練だ。

何に役に立つ?
企画書を書くときだね。
あるいは、
全編ネタバレでない、
プレス用の「あらすじ」にも使えるだろうね。


映画は娯楽である。
どんな娯楽がありそうかが、
コンセプトである。
それが面白そうじゃなかったら、
誰も面白そうに思わないよ。


手前味噌だが、
小説「百の恋はざわめく」は、
短編恋愛小説を100本収めたものだ。
3日に一回、こちらで予告編をアップしている。
https://twitter.com/naginata_style

140字という制約で書いたものだが、
100本書くと見えてくる風景もあるぜ。

もし暇なら、今ある分だけでも、
予告をつくってみると勉強になるよ。
僕の書いたものがベストとも限らないので、
どう本質をとらえるか、
どうヒキをつくるか、
などを試行錯誤するには、
ちょうどいい大きさかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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