2024年04月14日

【薙刀式】配列議論の非対称性

qwerty擁護派と新配列側の議論において、
qwerty派がqwertyしか知らないのに対して、
新配列側はたいてい、
qwertyよりも良いと感じる新配列を、
手で理解していること。


とくにqwerty擁護派は、
たまたまqwerty適性が強かった人で、
触ってそのまま来た人なんじゃないかと予想する。

触る→速くなる→速くなるから面白くなる
→限界に至る→工夫(最適化など)でまた速くなる
→限界に至る→もっと速いのないの?
→え、新配列が速い?→速くないじゃん

という感覚が多い気がする。
もっとも、
qwertyに批判的だがqwertyしか使ったことない人で、
なんかqwertyよりいいやつあるんでしょ、
でも僕はこれでいいので、今更他はやらんです、
と、思考停止する人もいる。

qwerty擁護派は、
「7割の日本人が、qwertyのブラインドタッチが出来てない」
ことを忘れている。

qwertyをスペック通りブラインドタッチできる人は、
3割しかいない。

だから、
「qwertyに向いてる人と向いてない人がいる」
ことを忘れがちなのだと思う。


同様に、僕はスマホではフリック派なのだが、
フリックを使わずにqwertyを使ってる人の意味がわからない。
なんでそんな効率の悪いものをやり続け、
スマホの便利なスワイプを活用しないのかわからない。

話を聞くとqwertyしかできなくて、
フリックができないのだそうだ。
フリックができない人がいることを、
僕は想像もしたことがなかった。


qwertyやJISカナの限界を感じてる人は、
むしろ限界までやり切ってるタイパーにいる。

qwertyの競技速度では指を壊すので、
普段は7割程度の速度だとたのんさんは言ってたし、
競技のためにJISカナを普段使いしてるが、
高速で打てば指を壊すとテルさんも言っていた。

競技打鍵と日常打鍵はわけて、
競技を優先するために日常打鍵を犠牲にしている、
という本末転倒気狂いぶり(ほめてます)なのだ。

だから競技者を引退したら、
体を労わるために新配列を使いたい、
とまでテルさんは言ってた。

おりしも、
miriさんは2年前手を手術したそうだ。
qwertyを使う字幕入力者で、
趣味でタイパーをやってるから、
過度のqwerty使用者ではある。
その手はやはり壊れる。
手術をしてからは絶対女王のような貫禄はなくなったように見える。
いや、単に他のレベルが上がっただけかも知れない。


他にも、作家(ほぼqwerty使用者だろう)に、
腱鞘炎持ちは多いと聞く。
こうした人に勧めたくて薙刀式をつくったが、
まだ彼らまで届いてないので、
自分の力量不足を反省する次第だ。



こうした負の側面に、
qwerty擁護派が自覚的かどうかはわからない。

ただ、
新配列経験者は、
複数の手の感覚があるため、
相対的な議論ができるというわけだ。

qwerty擁護派は、
他の配列にある程度習熟した上で、
qwertyは速いし良い、
という議論をするなら対等だけど、
さすがにそれを要求するのは無理だろう。


ただし、
新配列使用者の中で、qwerty出戻りは結構いる。
愛用キーボードが廃盤になったり、
OSの更新でエミュレータが死んだり、
新規アプリにエミュレータが追随してなかったり、
会社がインストール禁止になったりしてだ。
転職がきっかけの人もいるね。

つまり、スタンダード化されてないため、
qwertyを使わざるを得ない、qwertyでいいや、
と消極的選択としてqwertyに出戻る。

だから僕は、
選択的余地を残せるように、
配列選択そのものをスタンダードにしたいわけ。

その上で、qwerty最高薙刀式クソという人と、
薙刀式最高qwertyクソという人が、
仲良く競い合えばいいだけの話で。

その上で最強トーナメントやって、
今回は○○配列の○○さんが勝ったね、
とプロレス的な議論をすればいいのになあ。



という話は、qwerty擁護派から出た試しが今のところなく、
qwertyの俺を負かしてからにしろよ、
あるいは、
qwertyで結果を出せないなら他で出せばいいんじゃない、
くらいの、
議論に入ってこない人の方が多い。

なので、
いつまでたっても、
新配列界隈でqwertyクソのループしか回らず、
議論は広まっていかない。


qwertyのブラインドタッチを挫折した、
残り7割の人をターゲットにすればいいのでは?
と思ったこともある。

ただ新配列の配列図を見ただけで、
うわーってドン引く人が多くて、
「そこまで文章書かないので…」と、
腰が引けちゃうのよね。


結局新配列に手を出す人は、

1. qwertyバリバリで、速いと噂の新配列ってどうなの?
 (大して速くならないやん、qwertyの方がスピード出るわ)
2. qwerty挫折して他の可能性を知りたい
 (たいてい新配列にとどまるが、
 上のような事情で出戻る人が一定いて、蒸発してゆく)

の2種類しかいなくて、
残り7割を取り込めればいいのになー、
などと考えてはいる。


さらにそれよりも、
物理配列のロウスタッガードと109キーボードがおかしいだろ、
と僕は思っている。
自作キーボードがようやくそれを自由化してくれたが、
自キ界隈では、
いまだにロウスタッガードを使い続ける人もいて、
僕にはそれが謎なのよね。



三つ子の魂なんだろうか。
デファクトスタンダードの力なのだろうか。
他に少しぶれても抵抗が強いから、
結局その引力圏から脱出できないという。

これを議論するためには、
僕が徹底的にqwertyで結果を出せばいいのかな?

対等でなければ議論できないわけでもないが、
ことは「手の生理的感覚」「脳と手の感覚」
「思考とか文章の力」などの、
個人に紐づいた感覚の話なので、
自分の思い込みを相対化することが難しいのよね。

それが人類共通の感覚なのか、
個人の偏差なのかを、
区別することは大変困難だ。
しかも内的な感覚だから、言語化も測定も難しい。



…と、ここまで分かった上で、
qwertyを擁護して欲しい。

そもそも新配列側が、qwerty否定が原点なのが、
問題なのだろうか。

いつまでも議論がすれ違う。
posted by おおおかとしひこ at 14:07| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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