前記事のつづき。
前々から月配列系とぼかして書いてたんだけど、
全貌を把握してなかったので、
把握したいとエイヤとまとめてみた。
リンク切れがたくさんあってせつなくなる…
現時点でわかる範囲でまとめたので、
わかる方いたら補足お願いします。
さて、薙刀式からみた月配列系の感想。
進化系統樹を見るような感想をもった。
シンプルなデザインからはじまり、
徐々に改良するたびに複雑になり、
複雑になりきったら、
次のシンプルなものが生まれて、
という繰り返しを見るようだ。
はじまりの月2-263は、
のちの月配列から見ると相当シンプルで、
そのシンプルさゆえに愛され、
後続がなかなか超えられなかったのだろう。
たくさんの月配列が生まれたが、
長いこと使われたのはどれなんだろうね。
濁音別置、拗音別置など、
亜種がたくさん生まれたけれど、
考えなくていいや、
というシンプルなやつが愛されたのではないか、
などと想像している。
僕が注目したのは、
新JIS、月2-263、幸花配列、ぶな配列、
月T、月光、月林檎などで、
単純なルールの並び替えのほうが、
のちのちまで使いやすいものになるんじゃないか、
と感じた。
あと運指の難しいところに未定義を置くのは、
生理的に好きじゃないんだなー、と気づく。
みちみちに2面に詰まってるのが好きなんだな、僕は。
ここからが薙刀式との比較論。
薙刀式って、
月配列の問題であった、
・濁音半濁音同置のために゛゜後置になる問題
・それゆえシフトカナの濁音半濁音は3打になる問題、
・拗音の手間(最大5打)
・小書きの手間(ょ以外たいてい2打)
・外来音の手間
などを、
かなりスマートに解決してるなあ、
と感じた。
シフト方式を変えることと、
排他的配置を組むことで、
1アクション(3キー同時まで含む)で、
濁音、半濁音、小書き、拗音、外来音を、
すべて同置にする薙刀式のアイデアは、
「すべてをすっきりさせる」
という目的と結果をもたらしてるなあと感じる。
濁音別置、拗音別置、さらに外来音別置の月配列なんて、
とてもじゃないが覚える気がしない。
だったら同時押しで楽になりたい、
と思った下駄配列(もとは月U9の同時押し版)の考え方に、
賛同してしまうなあ。
下駄配列は同置を捨てて、別置の新下駄へ発展し、
配字規則も全然違うものへ窯変していったが、
「すべて同置」へと統一して、
配字をあらためたのが薙刀式だと言えるだろうか。
薙刀式が登場した時、
「これまでにない文脈の配列」と評されたことがあったけど、
一応いろんな配列のスレやブログなどは大体見たので、
すべて同置が欲しいとか、
同時押しは人差し指が楽なのになーとか、
機能キーがなぜいい位置にないのかとか、
自分の要望から入ったけれど、
それは「そこにないもの」を僕が欲しがったのだと思う。
ただ、
「2面でシンプルなもの」は、
新JISを見て以来、
とても魅力的に見えてるな。
月配列系列は、
日本語の複雑な変化、
つまり、濁音化、半濁音化、小書き化、
拗音化、外来音化に対して、
打鍵数を増やすことや、
面数を増やすことで対応しようとした。
薙刀式は、
シフト方式を全部変えて対応することで、
アクションをすべて1に、
シンプルな配列図を保つことに成功した。
新下駄は、
全部別置と割り切り、同時シフトキーを増やし、
面数を増やす代わりにアルペジオ運指を重視した。
色々なアプローチがあるなあ、
と俯瞰できてきた。
月見草の、ゃゅょっの前後は限定された組み合わせしかないから、
それを前置後置シフトキーにも使う、
というのはとても斬新なアイデアだ。
その原理を模倣した配列がないのが勿体無いくらい。
月林檎がそれを継いでるくらい?
新JISの運指を色濃く残すのは、
オリジナルの2-263しかないだろうね。
「これは新JIS的じゃない、
もっと新JISの本質に近づけるはず」と、
さらに原点回帰したやつってないのかなー。
あるいは、
「新JISはまだ中途半端だ、
もっと改良できる」と、
さらに原理主義になったやつってあったのかしら。
記憶の中ではないので、
あったら面白いなーと思ったんだけど。
DKSLなどの、
アルペジオの拠点になるキーを封じられることから、
月配列は左右交互重視主義だろう。
シフトキーからのカナや、
単打からシフトキーへはアルペジオを組むことが可能だから、
中指縦連などをひたすら嫌い、
左右に散らす配置がメインになるだろうね。
薙刀式のアルペジオ重視のものとは、
運指理論が正反対になりそうだ。
なので配列図を眺めても、
「これのどこがいいんだろう?」と、
解読できないところがたくさんあった。
実際の打鍵動画がないのが惜しまれる。
タイムスリップして作りたくなってしまう。
元々の新JISからそうなんだけど、
どうしても30×2=60キーでは、
足りないのよね。きっと。
はみ出しがあるのが本当に勿体無い。
これがちょうど60に収まったら、
素晴らしい完成度になっただろうに…
ぁぃぅぇぉゃゅょと☆あたりが、
どうしても多くなる原因なんだろう。
シフトキーに1キー取られるから、
同時押しにすればそこにもカナを置ける、
と気づいた下駄配列は、
だから進化の1ステップだったのだろう。
薙刀式もこれの延長にいる。
(その代わり、素早いロールオーバーを封じられたが)
月配列系の進化系統樹から見たら、
あれらの苦労を排他的配置の同時押しだけで、
ぜんぶ同置をなしえた薙刀式は、
たしかに異質であったろう。
知らないマンションの住人と全員会うような、
不思議な体験をしたなあ、月配列一覧探訪。
もし月系列の使い手で、動画撮らせてくれる方いたらコメントください。
実態を知りたい。
2024年04月24日
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