ワープロが何故衰退したのか?
高慢だったから、ではあるまい。
発達していったPCに比べて、
改良されなかったから、といってもよい。
おそらく機能が便利すぎて、
初心者お断りになってしまい、
新規参入がなくなっていったから、ではないかと想像する。
https://x.com/shields_pikes/status/1784854210045170116
どんな便利なものでも、
それが広まった時点で、
次に考えるべきは「継承」だと思うんだよね。
既存ユーザーは死ぬまで使うとして、
より広まるには、新規参入がないと話にならない。
そしてそれは、一定数までで止まったんじゃないか。
80年代の家電の歴史を思い出すと、
便利なものが広まる
→次の便利なものが出てみんなが飛びつき、広まる
というスクラップアンドビルドの歴史だったと思う。
つまり、普及と同時に商売としては終わりなんだよね。
メンテ、つまり、維持と新規参入というフェーズへ、
緩やかに移ることをしなかった。
つまり、「最初に買う人」しか、
金が動かなかったんだよな。
ソニータイマーなる、すぐ故障して買い替える、
がないと、
市場に金が投入されなかったんだよな。
VHSやファミコンが優秀だったのは、
「ソフト」を売ることでマージンを取ったことだ。
これによって、本体が普及した後も、
商売は継続できる。
まあ、それもPS3あたりから鈍ってきて、
「普及」ではなく、マニアだけしかやらないものになってしまった。
PS1やサターンの頃は、
TVCMでみんなやろうぜみたいな空気だったのが信じられないね。
ワープロは、普及した時点で、
次の普及、PCに食われる運命だったんだな。
なぜPCが普及したかというと、
マウスという「見た目操作」のおかげだ。
ワープロのような、マニュアルを見ないと使えないものに比べて、
マニュアル見なくてもメニューを見ながらマウスで動かせた。
この「マスターしなければならないこと」の差が出て、
ワープロは新規参入がなくなったのだと思われる。
楽なものがあるのに、
わざわざしんどいことを人はしない。
それが多少劣化してても、だ。
「いいものをつくれば売れる」と信じたメーカーたちは、
「いいものを理解して、使いこなすまでの手間」を、
想像できなかった。
家電のマニュアルといえば、分厚く、わかりにくいものの象徴だろう。
なんであれがあんなに分かりにくいのかわからない。
俺が書いてやろうか?と思うくらいだ。
たぶん、「それを使う思想、生活」という、
ゴールイメージから書いてないからだと思う。
数学と同じで、簡単なものからの積み上げが長すぎて、
「数学を使う思想、生活」
(それは理系の人生だ)を想像させることができないのと、
同じじゃないかと思うな。
ワープロを使うとはざっくりどういうこと?
を、うまく示せなかったことが、
新規参入がなくなったことの敗因だと思う。
ワープロに慣れすぎて、
ワープロのここがいいのだ、
などと、ワープロに知らない人にアピールできなかったのだろう。
「Windowsでいいじゃん」という人に、
「ちがうんだよ、ここがいいんだ」
と、言えなかったのだ。
僕は、その、衰退したあとに、
Windowsを使い、
Wordのクソさ、qwertyローマ字のクソさ、
MS-IMEのクソさ、109キーボードのクソさに不満を持ち、
それぞれ、
iTextとTATEditor、薙刀式、
MS-IMEはブツブツいいながら使い、
自作キーボードと、
自作タブレットスタンド+自作懸架式机に転向している。
これと、ワープロとを比較したいんだけど、
ワープロのどこが良かったのか、
細かいレベルで分からないんだよね。
たとえば変換機能がこう優秀だったとか、
操作体系が優秀だったとか、
エディタのこれが良かったとか、
そういうことが知りたい。
(表計算で平均と偏差値が出たそうです。
これはエクセルより使いやすそう)
なるほど、それは継承すべきである、
ということを知りたいのだ。
ATOKのホームページをどれだけ見ても、
MS-IMEと比べてどこが具体的にいいのか、
よくわからんのよね。
つまり、広報が下手すぎるんだよ。
たとえばATOKは、リアルタイムでMS-IMEより優れてる点を、
動画で快適さを示すべきでしょ。
なんで俺がここまで情熱を傾けるかというと、
自分の書きたい欲に対して、
現状のデジタル環境が酷すぎるからだ。
一方ワープロは素晴らしかったらしい。
ほんとうに素晴らしかったのか、
今の俺の基準から見てまだ足りないのか、
知りたいんだよね。
ただ、親指シフトが大したことないとわかってきたので、
実のところワープロも今基準でみたら、
大したことないのかもしれなくて、
その全貌を理解したいだけなのかも知れない。
普及という点では、
ワープロはフリックになった。
そう考えるのが残当だ。
紙焼きする代わりに、LINEでメッセージを交換しているのが、
ワープロの未来の姿なのだ。
僕はもう少し長い文章、
2000字、5000字、4万字、10万字程度を書きたい。
フリックじゃ2000が精一杯。
4万字に耐えられる、
素晴らしい文房具が欲しい。
もしそれにワープロが便利だというなら、
メルカリで100万かけてもワープロを買うよ。
キーボード関連でとっくに100〜200万は使ってるだろ。
その便利さをアピールできなかったから、
人は低きに流れた。
単純に、安くて難しそうなことをしなくて済んだから、
人はワープロからPCに移行したのだ。
そして、指一本でスライドする簡単さで、
人はフリックに移行したのだ。
だけど、文章の射程距離は、
簡単になるにつれ短くなっている。
僕はそれを、知性の低下だと感じている。
平均に合わせると、バカに合わせなきゃならん。
賢い人用の文章生成装置の最先端が、
PC以降止まってんじゃないの?
2024年04月30日
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