2024年06月23日

暖かい雨

アイデアは逆を組み合わせるとよい、
などと良く言われる。
「暖かい雨」という例で考えようか。


雨はたいてい冷たいものだ。
だから冷たいニュアンスのときに使われる小道具である。
彼女に振られたとか、
葬式であるとか、
会社を首になったとか、
そういう悲しい場面で良く雨が降るものだ。

それを逆に使うのだ。
暖かい雨が降るときはどういう時だろうか。
ひどい時にも仲間がいてくれたり、
負けそうなときに彼女が励ましてくれたり、
色々な場面をつくることができるだろう。
普段ならば冷たい雨だが、
今降っているこれは暖かい雨である、
などのように表現できるはずだ。

これが逆を使うということだ。

ある小道具を使うとき、
本来の用途というか、文脈がある。
いわばベタな使い方だね。
ナイフは人を殺すためか、食べ物を切るのに使う。
椅子は座るのに使う。
テーブルは、話し合いの席につくときに使う。
それらと逆の使い方をするのだ。
ベタな文脈と逆の使い方をすると、
意外性があるわけ。
意外なだけでなくて、「逆」ということで、印象に残りやすいわけだ。

どういう使い方をしてもよい。
むしろ、それを思いつくことが創造、ということだ。

ああー、こういう逆の使い方があったのかー、
と膝を打つような、新しい「逆」を思いつこう。
暖かい雨が新しいかというと、まあありそうだから、
あくまで例ということで。

もっと斬新な逆を使えるようになったら、
とても印象的で、以後語り継がれるような、
うまい使い方だと言われることになるだろうね。
posted by おおおかとしひこ at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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