2024年07月04日

これから書く30分のログラインを書け

2時間のシナリオはたいへん難しい。
途中で変節してしまったり、
頓挫することはとてもよくあることだ。
だから、見失わないように、
「これから書く30分のブロック」のログラインをつくるとよいかもしれない。


そもそもログラインは一本の作品にひとつだ。
全体を俯瞰したものだからね。

それを、部分にも活用するということだ。
これから書く30分の大ブロックについて、
「〇〇な〇〇が〇〇する話」とうまく言えるか?
ということだ。

たとえば第一幕ならば、
「〇〇な逆境を抱えた主人公〇〇が、
異物である〇〇に出会い、いよいよ〇〇に乗り出す話」
とでもなるだろう。

こんな風に自分の中でテンプレをつくれると、
30分がぶれずにうまくいくかもよ、
という話。


30分が長すぎるならば、
15分ごと、10分ごとに区切ってもいいよ。

この〇〇分のブロックでは、
「〇〇な主人公が〇〇する」という風に考えると、
方針がぶれにくくなり、
潮目が変わったり、アップダウンがあるかをチェックできるかもしれない。

「失敗した主人公が追われる」とか、
「チャンスを見つけて逆転の秘策を思いつく」とか、
「どん底でかつて手に入れていたものに気づく」とか、
「ガンガン成功していく」とか、
なんでもいいから、
そのムードや流れをログライン化してみるといいわけ。

ともすると、
何をどう書いていいか分からなくなるから、
なるべく小区切りにして、
書きやすくしよう、という工夫だ。
大岡式ログラインである必要はない。
もはや全体のログラインじゃないからね。
一行あらすじ、と思ってもいいくらいだ。
でもそれよりもややディテールを入れておくと、
あとで迷ったときに使えるかもしれないよ。

仕事をしながらだと毎日書けるわけじゃないから、
執筆に戻ったときに、
「ええっと、これから何のどのパートを書くんだっけ?」
と迷うこともまれによくある。

そういう時用にも、
「この〇分は、〇〇〇〇〇という流れ」
と、ログラインで意識できるように、
メモしておくといいだろう。

逆に、毎日書きすぎて、
「今どうなんだっけ?」と周囲が見えなくなることも多い。
客観的な視座を確保するためにも、
そうしたことは見えているとよいだろう。

もちろん、
客観的に見えていないときにはログラインが書けない。
「書けないということは客観的になっていないな」
と、気づくためにも、
一度自分に「この〇分間のログラインは?」
と聞いてみるといい。


今何を書こうとしてるのかわからないのに、
今から書けるわけがない。

考えたら当たり前のことなのだが、
それが分からなくなるから「書けない」になるのだ。
(小泉構文)
posted by おおおかとしひこ at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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