2時間のシナリオはたいへん難しい。
途中で変節してしまったり、
頓挫することはとてもよくあることだ。
だから、見失わないように、
「これから書く30分のブロック」のログラインをつくるとよいかもしれない。
そもそもログラインは一本の作品にひとつだ。
全体を俯瞰したものだからね。
それを、部分にも活用するということだ。
これから書く30分の大ブロックについて、
「〇〇な〇〇が〇〇する話」とうまく言えるか?
ということだ。
たとえば第一幕ならば、
「〇〇な逆境を抱えた主人公〇〇が、
異物である〇〇に出会い、いよいよ〇〇に乗り出す話」
とでもなるだろう。
こんな風に自分の中でテンプレをつくれると、
30分がぶれずにうまくいくかもよ、
という話。
30分が長すぎるならば、
15分ごと、10分ごとに区切ってもいいよ。
この〇〇分のブロックでは、
「〇〇な主人公が〇〇する」という風に考えると、
方針がぶれにくくなり、
潮目が変わったり、アップダウンがあるかをチェックできるかもしれない。
「失敗した主人公が追われる」とか、
「チャンスを見つけて逆転の秘策を思いつく」とか、
「どん底でかつて手に入れていたものに気づく」とか、
「ガンガン成功していく」とか、
なんでもいいから、
そのムードや流れをログライン化してみるといいわけ。
ともすると、
何をどう書いていいか分からなくなるから、
なるべく小区切りにして、
書きやすくしよう、という工夫だ。
大岡式ログラインである必要はない。
もはや全体のログラインじゃないからね。
一行あらすじ、と思ってもいいくらいだ。
でもそれよりもややディテールを入れておくと、
あとで迷ったときに使えるかもしれないよ。
仕事をしながらだと毎日書けるわけじゃないから、
執筆に戻ったときに、
「ええっと、これから何のどのパートを書くんだっけ?」
と迷うこともまれによくある。
そういう時用にも、
「この〇分は、〇〇〇〇〇という流れ」
と、ログラインで意識できるように、
メモしておくといいだろう。
逆に、毎日書きすぎて、
「今どうなんだっけ?」と周囲が見えなくなることも多い。
客観的な視座を確保するためにも、
そうしたことは見えているとよいだろう。
もちろん、
客観的に見えていないときにはログラインが書けない。
「書けないということは客観的になっていないな」
と、気づくためにも、
一度自分に「この〇分間のログラインは?」
と聞いてみるといい。
今何を書こうとしてるのかわからないのに、
今から書けるわけがない。
考えたら当たり前のことなのだが、
それが分からなくなるから「書けない」になるのだ。
(小泉構文)
2024年07月04日
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