2024年07月06日

誰が事態を動かしているか

それを把握しよう。


もちろん、主人公が事態を動かしていて、
コントロールしているのが理想だ。

そうじゃない時をチェックせよ、
ということかもしれない。

今、この事態は、
敵によって作られたものであるとか、
今これは〇〇待ちで止まっているのであるとか、
今この事態は、
友人によって主導されているのに乗っかっている、とか、
今これは〇〇が助け船を出してくれていて、
それに乗っかればうまくいく、の流れであるとか、
誰もコントロールできていない、
自然に任せた状態である、
とかを書き出してみるとよい。

もちろん、一人による場合だけではなく、
〇〇と××のコントロールが拮抗している、
ということもあるかもね。
それはコンフリクトが効いているときかもだ。

事態は、誰までの範囲か、
も関係している。
家庭の話ならば家族までの範囲かもしれないし、
部活ならば試合までかもしれないし、
宇宙戦争ものなら銀河の行方までかもしれない。

大事態はどうなっていて、小事態はどうなっているか、
俯瞰してみよう。

主人公が事態をコントロールしていなくて、
ただ待っているだけで、
誰かが「はいどうぞ」とお膳立てをしないと何もできないのが、
メアリースー状態、ということになる。
それはよろしくない。
主人公が事態を動かすのだ。
動かす主体だから、主人公なのだ。


人生経験がないと書けない、
というのは、こういうことでもある。
人生を自分で動かした経験がないと、
動かせない主人公しか書けなかったり、
逆に嘘っぽい動かし方しか書けなかったりする。

リアリティのあふれる人生の動かしかた、
ダイナミックな人生の動かしたを、
知らないから書けない、ということもよくある。


だからといって、書けないわけではない。
自分を基準にしなければいいからだ。
自分にはできないが、
このキャラクターならば事態をこのように動かせる、
このキャラクターならばこのように自分から行ける、
みたいにすれば、
あなたが人生経験がなく、
人生を動かしていない童貞でも構わない。

人生経験があれば書ける、
というわけでも必ずしもない。
書けたかどうかという結果の問題だからね。



さて。
執筆中によくある病、
「次に何を書けばいいのか分からない」は、
「誰も事態を動かしていない」という空白地帯になっていることがまれによくある。

今この事態は動いていないとか、
自然に任せた状態であるとか、
そういうことがとても多い。

だから、何か仕掛けない限り、
事態は動かないので、
なかなか次に何かをやることが難しい、
というのが、
「次に何を書くべきか分からない」という状況ではないだろうか。

これを避けるためには、
それ以前に戻るのがいいと思う。
「誰も事態をコントロールしていない」になる前、
誰かが事態をコントロールしていた時点まで戻り、
その次に誰が手綱を握るか考えて、
事態コントロール権を渡せばよい。
それが主人公でもよいし、他の誰かでもよい。

その人物には動機があるはずで、
事態を動かすチャンスが来れば、
自分に有利になるようにコントロールするはずだ。

つまり、チャンスボールを渡せばよいのだ。
風が吹いてボールが転がるでもなんでもいいよ。
今何も起こっていないよりは、
ましなシナリオになるだろう。

主人公サイドが難しいならば、
敵サイドが動かせばよい。
それに対するリアクションとして、
主人公サイドは行動を強いられる。
そうすれば、いずれ事態のコントロール権争いになってくる。
「次何をするべきか分からない」ということはなくなるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 08:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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