主人公はどこで汗をかくだろう?
ヒロインは? ライバルは?
各登場人物の、汗はどこでかいてる?
それをチェックしてみよう。
それは、生理的な反応である。
意図的に汗をかく人はいない。
いや、さっぱりするためにひと運動しようとか、
サウナへ行こう、ということはあるかもだけど、
それすらもストレスの現れということかもしれない。
とにかく、
登場人物が汗をかくところはどこか、
リストアップしてみたまえ。
メイクの人がチェックして、
汗メイクを準備するシーンをリストアップするのとは違う。
ストーリーの上で、汗をかいているのはどこか?
というチェックをするわけ。
何かがばれそうなときの、冷や汗かもしれない。
ドキドキして興奮するときの汗かもしれない。
失敗したらどうしようという緊張の汗かもしれない。
発表のときの脇汗かもしれない。
嫌な予感があって、ずっと汗をかいている時かもしれない。
まあどこでもよい。
つまり、「平静を失っているところ」を、
チェックせよ、ということだ。
ストーリーとは非日常である。
日常の平静な気分ではないものである。
それを冒険などと言ったりする。
ストーリーの本質は冒険であり、
日常の安心安全なところから離れて、
大冒険することに主眼がある。
冒険のないストーリーはつまらないのだ。
日常で冒険している人はほとんどいない。
だから他人の命を懸けた冒険を見ることが娯楽になるわけ。
で、
そういう非日常の冒険をしている部分、
つまり、
平静な精神状態ではいられない部分は、
どういうパート?
を探すわけ。
仮にそれを赤で塗るとしようか。
これがもし一個も赤で塗られていなかったら、
「日常の気分でストーリーにいる」というわけになり、
「どこが冒険になるの?」という突っ込みが入るぞ、
ということだ。
もし真っかっかなら「落ち着け」となるだろうか。
でも、全編落ち着いて冷静じゃあつまらないから、
書くのも見るのもしんどいけど、
こっちのほうが面白いだろうね。
つまり、
主人公や悪役やライバルやヒロインは、
日常の冷静で平静な心持ちではいられない場面が、
いくつもある。
ドキドキしたり、ハラハラしたり、
焦ったり、心中穏やかじゃなかったり、
心配したり、ハアハアする。
キスシーンやラブシーンだって汗をかく。
アクションシーンは必死であればあるほど汗をかく。
つまり、日常ではいられない、
特殊な心のときに、汗をかくという証拠がある、
ということである。
汗をかいている時は、たいてい非日常の瞬間である、
ということだ。
単に真夏に日常の労働をして、
暑いーと汗をかいているのは、
例外としてのぞこうか。
今そういうことをチェックしているのではない。
汗をかいている時は、
文字通り、ストーリーが熱くなっているときだ。
だから冷静ではいられないわけだ。
そういう、集中して熱くなっている瞬間は、
どこか、
何か所あるか、
誰がそうなっているか、
ということをリストアップしてみようぜ、
ということだ。
これによって、
自分のストーリーが俯瞰できると思う。
ああ、主人公、落ち着きすぎだな、とか、
焦りすぎだな、とか、
この登場人物、全然感情が動かないな、とか、
汗かきすぎているな、とか、
ヒロインが動かないのは、汗が出ていない、
安全地帯にいるからだな、とか、
そういうことを分析するのに使えると思う。
じんわりでもいい。どっと、でもいい。
汗をかけ。
汗をかかせろ。
状況が逼迫するほど、
汗をかかないといけなくなるだろう。
それは、ストーリの緊急度合いが強く、
大きく状況が動くということだ。
つまり、おもしろいストーリーになっているということだね。
登場人物が汗をかくところは、
観客が手に汗を握る場面の候補だ。
登場人物が冷静で、日常の平常心だったら、
手に汗を握るわけがないよね。
2024年07月11日
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