2024年05月25日

【薙刀式】「速さ」は数字で出せ

「速くなる」を期待するなら、
数値で比較しないと分からない。
主観的な速さは体感で結構変わるので。



Twitterから。
> 5年くらい前に、原稿執筆のスピード化を目的に、親指シフトに入力を変えたのですが、元のローマ字入力に戻そうと思います。 理由はスピードがそこまで速くならなかったことと、よそのパソコンを使って書きにくいことも。 今、ローマ字打ちがかなり遅いのですが、どのくらいでも戻るでしょうか。

文脈から、
qwertyローマ字→親指シフトにコンバート→また戻る、
というルートだろう。

「速くならなかった」
「(現状遅くなったqwertyが)戻る」
とあるが、その基準が分からんので誰もアドバイスできない。


たとえば創作文で、
qwertyローマ字が1000文字(変換後)/10分、
親指シフトで1000、
現状qwertyが500としようか。

一日5000字ペースなら、
500→1000に戻すのに二週間くらい?
2000字ペースなら一ヶ月はかかるだろう。

こうした速さの基準がない限り、
誰も何もいえない。
もちろん人によるから、一年かかるかもしれない。

習得時の記録があれば、
親指シフトが500→1000になった時くらいの、
期間を見積もった方がいいと思われる。

もっとも、
一度マッスルメモリーに入ってるものは取り戻しやすいので、
そこまではかからないことが予測されるが、
そもそも定量データがないので、
「3日から一年」なら当たるやろ、くらいだよね。



速さの定量データはいくつかある。

1. タイピングゲームにおけるランダムワードコピー打鍵、短時間(1分程度)

タイプウェルが業界標準?だけど、
少なくとも同じものでデータを取るべき。
これで大体秒○カナという、指の物理速度がわかる。

2. 初見長文コピー打鍵(10分程度)

ビジネスタイピングの課題。
変換込みなので実戦的だが、
初見文の難易度を揃えることが難しいので、
定量比較としては精度が疑問視される。

3. 自由文(10分程度)

創作文を自由に書く。エッセイでも日記でも良い。
小説や詩だと、日常文に対して半分以下の速度になることが知られている。
軽いブログ記事くらいが基準になろう。

そもそも漢字変換や文を考える速度にも影響されるため、
それが下手だとタイピングだけ上手くなってもしょうがない説はある。



僕の例だと、

qwertyローマ字:
1.タイプウェル80秒台 秒3.5カナ程度
3. 530字(変換後)/10分

薙刀式
1. タイプウェル55秒 秒5.5カナ
3. 1500字(変換後)/10分

という比較が可能だ。
薙刀式からqwertyに戻る理由は一つもない。



そして当然だけど、
これらの数値は蓄積されていないので、
定量的な研究は存在しないのが現状だ。

コンバートした時の速さの変化について、
記録している人を探すのはかなり難しい。
同じワードで検索できないことが多いからね。

「親指シフトからqwertyローマ字に戻した人の、
速度変化を知りたい」と思っても、
これを検索することはかなり難しいだろう。

このTwitterの主は、
そうした広い視野でものごとを見てないことが分かるので、
こうした人は配列に対して、
科学的、定量的に考えてなくて、
信じるか信じないか、宗教的にしか考えてないことがわかる。

だから信者と馬鹿にされるのだろう。


速度は思いなど関係ない所で測定されるべきだ。
その上で、思いをその道具で綴るべきだ。

新幹線が速いのは、
「あなたに早く会いたいから」
ではない。
電圧、モーターの設計、車両の空力、運転者の技量、
コース設計、
毎回同じ精度のメンテナンスなどが速さを支えている。
そのように議論するべきだろう。


速さを主観で語ると、
「そんな速くならなかった」とか、
言説だけが幽霊のように出回り、
不安になるだけだ。

1000が900になったら、
「速さは超えなかったが楽になった」
という結果になるはずで、
1000が500にしかならなかったら、
「向いてなかった」になるはずだ。

言葉だけで議論するのは、
デマを撒き散らすのと同じだ。
具体的な数値で議論されたい。
posted by おおおかとしひこ at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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