2014年に初稿を書いてから、10年かかってしまいました。
脚本しか書いたことのなかった俺が、
小説的文章力には自信がなかったけど、
お話はおもしろいだろという確信だけで、
10年間こつこつと108話を書きました。
遠野物語100周年で映画を企画できないか、といわれて、
原作(民話を収集したもの)で気になったのが天狗の人攫い。
たったそれだけからここまで膨らませたのは、
まあまあ偉業だったんじゃないですかね。
世界は狭くなり、分かりやすい悪が減ったな、
と思い、
心の闇こそフロンティアなのではないか、
と思ったのが10年前。
あれから、
ADHDや統合失調やメンタルヘルスに対する、
社会の理解は結構進んで、
シンイチの処方箋がリアリティに追い越されたところも、
今やあるかもしれません。
10年あれば社会が変わってしまうのはよくあることだけど、
こんな風に世界が変わってしまうとは、
書き始めた当初は思ってなかったな。
東京五輪で構造腐敗が暴かれ、
戦争があり、コロナがあり、
豊かだった日本は目減りして、
少子化になって高齢化になって、
だいぶガタが来て。
心の闇と天狗の炎が対になる、
と気づいたのは二章の途中だったかなー。
それも込みで、
ほんとは一話からリライトしたい。
書き始めたときは、
おもしろいのさえ書けばいつか誰かが気づく、
なんて楽観的に考えてたけれど、
10年前に比べて、
プロ作家業界が凋落して、
アマチュア作家頼みになってしまうのも、
想像の外だったなー。
シンイチの冒険はこれで終わりです。
最終回、
ネムカケが嫌じゃ嫌じゃと暴れ始めたのは、
プロットを書いてた時に勝手に動いた記憶がある。
キャラクターが勝手にストーリーを進めた、
最後のパートだったな。
思いつけば、
番外編でのシンイチの活躍や、
その他のてんぐ探偵の後日談やスピンオフなんかもやりたいけど、
とりあえずドントハレです。
読者の方はありがとうございました。
次回作にご期待ください。
久しぶりに、全力で書き切った最終回三部作でした。
最初の方は見るに耐えず恥ずかしいですが、
全文読みたい方はどうぞ。
全108話+特別編4話、1150万字あります。
https://ncode.syosetu.com/n0683dj/
2024年05月21日
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