2024年05月23日

「参考書の読み方」が参考になる

これはほんと。
ていうかこれが出来ないと、本は読めないとすら言える。
https://x.com/hpeo_jp/status/1789220177869242449


全体の構造や結論を把握してから、
細かい導出や定義に入った方がいい。

とくに理系の学問は、
「結論がものすごく強力」だから、
それを導くための前提の議論に、
長くを費やすことが多く、
最初で脱落してしまうと、
その後の便利な結論まで辿り着けないことが多い。

分数で脱落した人は、
中心極限定理の凄みを知らないまま一生を送るだろう。

テイラー展開やマクローリン展開は、
フーリエ級数や波動方程式のためにあるよね。
複素平面を常用する大学以降の数学物理では、
オイラーの公式e^iπ=-1で、なんで複素が実数とイコールになるん?
なんて考えてると脱落するのだね。(俺のこと

とくに学問は、
骨格とかわかりやすさを前提に書かれていない。
正しさ優先だからね。

なので、
先に「どこが重要か」
「そこに至る構造」なんかを把握してから、
細かいレベルに入ればいい。

天才は頭から順に読んでも一発で頭に入るけど、
我々は天才ではないのでそうするべきだ。



で、
これは書く側も意識しろよ、
というのが本題。

我々の書くものは学問ではない。

正しさよりも、
一発で読んだときにわかり、面白いものを目指している。
最初のガーッとした斜め読みで、
すべて理解できるようにせよ、
ということだ。

それって、
「今見ているところが、
全体のどこにあって、
何目的で何をしてるのか」が、
常に頭の隅に残っているようにせよ、
ということである。

もちろん、
「我々は現在○○にいる、
☆☆目的で★★をやろうとしていて、
それは全体で言うと●●の部分になる」
なんてことを、
毎回セリフでいうのはダサい。

だが、これと似た感じになっていろ、
ということなのだ。

長いものほどそれを見失いやすい。

書いてる側が必死で、
そこまで見えてないんだよね。


学問は正しさ優先だからいいが、
もっとよく出来たシナリオみたいに、
構造を分かりながら書けばいいのに、
といつも思っている。

そういう意味ではファインマン物理学は、
かなり構造がわかりやすく書かれた名著だったことを、
思い出した次第。



またこれは、
書く時の原則でもある。

一日で構造を把握できるように書き、
n日かけて部分を書き、
さらにそれより時間をかけて詳細を書き、
さらにそれより時間をかけてリライトするのだ。

そうしないと、
「わかりにくい参考書」になってしまうぞ。


人は、全体の中の部分の関係と、
今いるところとの相対位置を測りながら生きている。
地図が読めるとはそういうことだ。
内容においても、
地図の読めない人の話になるべきではない。

参考書が「チャート」となっているのは、
偶然ではない気がする。
posted by おおおかとしひこ at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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