2024年05月30日

【薙刀式】Meryを調教した結果

その後色々調べて、まともに使える状態までもってきたので、
オススメ設定の仕方をまとめておく。

結論から言うとまともにはなったが、
重たさだけは変わらず、
iTextのほうが軽いため、
Meryの使用をお勧めすることはない。

どうしても縦書き/ZenモードのMeryを使いたい人は、
以下の設定を使うと良い。


まずその前に、
「挿入モード」というものを知らなければならない。

なんやそれ?

WindowsではInsで切り替えるそうだ。

文字の入力の仕方には、
普段僕らが使っている「挿入モード」と、
いにしえで使われていた「上書きモード」という、
二つのやり方があるらしく、
それをInsで切り替えるのだと。

押したこともないキーを押してみて、
(そのためにフルキーボードを引っ張り出してきた)
挙動を確認する。

挿入モード: 文字と文字の間にカーソルを移動させて文字を打つと、
 打たれた文字のうしろに、あとの文字が下がってゆく。

上書きモード: あとの文字を上書きして、すでにあった文字をつぶしていく。

ふむ、上書きモードが大昔のデフォで、
修正液を塗りながら書いていくのと、
挿入モードは切り貼りを自動的にやってくれるもの、
とアナログ的に理解するとしよう。

大昔は上書きモードだったらしいが、
少なくともPC-8001は挿入モードだった記憶がある。
ということは、
僕の触ったPCはすべて挿入モードであり、
上書きモードを触ったことがないわけだ。

なぜそれが今でも残り、
そしてその切り替えのためだけにInsが単独であるのかは調べてないが、
まあ使う人のために残すのはよいとしよう。


さて、
Mery(僕のダウンロードしたのは3.7.1)は、
初期設定だと、
「変換中の文字列が上書きモードで挿入される」
ということになってるらしい。

なんでや? いにしえからあるから?

やったー!変換中の文字列が上書きモードだぜー!
と喜ぶ人は日本に何人いるの?

これのせいで、
「文字の左側に縦線が入る」
「行を跨いだ入力での禁則処理が変」
「行を跨いだ入力で行間が反映されず、
確定した瞬間その文字が横に動く」
という不可解な挙動になってることが判明した。

これを日本語入力のあたりまえにする、
すなわち、
「文字の右側に縦線が入る」
「行を跨いだ入力での禁則処理を反映」
「行を跨いだ入力でも行間が反映される」
にするには、
オプション/基本/変換中の文字列を挿入モードで入力
にチェックを入れるだけでOKのよう。

は?なにそれ?

はじめてダウンロードした小説家がこの設定にたどり着けることは、
100%ないだろう。

僕が初見の人でも100%楽しめる世界を作り上げる仕事についているからか、
この、100%辿り着けないことに対して、
僕が仕事に捧げているだけの情熱と同じくらいの憤りを感じる。

わかりやすくしろやボケ。





さて、ここにチェックを入れただけで、
昨日のムカつきポイント3つは解消することがわかった。

ただし最初に感じた「重い」と思われる挙動は解消しなかった。
変なプラグインとか入ってたらオフったろ、
と探したがデフォルトでは全てオフのようだ。
ということは現在がもっとも軽い状態。

比較のためにiTextと比べたが、
ミリ秒感覚がずれる。
入力から文字が出る反映分の時間が、
1F(=1/30秒)程度かかっている気がする。
これは大体メモ帳、TATEditorと同じくらいの速度だ。
(僕はメモ帳ですら遅いと思う)

マシンスペックを上げれば対処できそうだが、
Meryのためにニューマシンを買うのは本末転倒だろう。
iTextが速いのに。


また、
Zenモードには欠点がある。

頭からずらずらと書いてゆき、
画面の残り20%ほどになったとき、
その行を固定してスクロールしつづけるため、
「目がモニタの左端に固定されること」だ。
首いてえわ。

僕はこれをふせぐために、
iTextのウィンドウを適当な大きさにして、
画面右に置き、
スクロール行をモニタの真ん中に保っている。
このことでモニタの左半分は空くので、
別作業スペースになるのも便利だ。

Zenモードは全画面なので、
常に画面左端を見続けなければならない。

で、「表示/タイプライタースクロール」をオンにすると、
真ん中に現在行を固定してスクロールするモードがあるのだが、
左半分の白いスペースが何も効果を発揮していないので、
じゃあ別の作業スペースにくれや、
と思ってしまった。

これをつくった人は、
たぶん1万字とか10万字とかを書いたことがなく、
一日5000〜2万字書く生活を続けていない。

あまりにも使いにくい。遅いし。無理。



結論で言えば、iTextをうまく設定すると、
反応が3倍くらい速いので、
Meryを使う理由はアンドゥツリーくらいしかない。
(iTextは昔のエディタなので、
アンドゥツリーの発明される前のもので、
一回前の状態しか持っていない)

さらに積極的にMeryを使う理由があったら教えて欲しい。

ちなみに自作キーボードのコーディングには、
割と便利なことは記しておく。
どうせ俺コードタイピング遅いし。

僕が欲しいのは、
あくまで日本語の縦書きを激烈に書くための道具だ。


iTextの作者の方いたら連絡ください。
100万円くらい振り込んでもいいですよ。
それくらいはお世話になってるので。




(追記)
とりあえず挿入モードで統一することで事なきになったが、
全部を上書きモードでやる人にとっては、
このバグは放置なのでは?
まあいいや。Mery愛用者が勝手にバグレポするなりしてくれ。

そもそも、上書きモードと挿入モードの、
二つがまだ存在してることの意味がわからない。
上書きモードは淘汰されるべきでは?
ないし、「その二つが併記されうる」ことを、
周知しなければわからなくなるのでは?

だってそれを使いこなせないとMeryを使えないんだぜ。
僕は変だと思うけど、Meryは強制だ。
posted by おおおかとしひこ at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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