2024年05月30日

【薙刀式】縦書きエディタで長文作品を書くためのTIPS

何も知らないと、
小説や脚本はwordで書くのだと思ってしまう。
Microsoft純正だし、出版社推奨だし。

やめたまえ。
wordは作品を書くためのソフトではなく、
「すでに書かれた作品をコピペして(仮)印刷用に整形する」
ものだと思うと良い。
そうでなければ、激重(小説一冊、10万字を超えると水の中だ)
であることや、数々のレイアウトに割く煩雑さを説明できない。

我々は作品を書きたいのであり、
作品から一枚でもコンドームを挟みたくない。
なので、
「テキストエディタ」を用いると良い。


テキストをデジタルデータで扱うには、
主にふたつのアプリを使う。

ひとつはwordや一太郎のような、
「ワープロ」である。
文字入力と、印刷用のレイアウト
(見出し、ページ数、ルビなど)の二つを行う。

もうひとつはテキストエディタ。
メモ帳がわかりやすいが、
体裁を無視して、
ただただテキストだけを打っていくものだ。
さすがにメモ帳では何もできなさすぎるので、
もう少しまともなテキストエディタを使うと良い。

ただ、
いいテキストエディタがあまりない。

たぶんだが、テキストエディタの作者は、
10万字を15回リライトするような、
プロの仕事を想定してないからだ。
一日5000字〜2万字書くような、
スピードを想像してないからだ。

これに耐えるのは、
僕のためした限りでは縦書きで使えるのはiTextのみだ。
ワープロとしてはTATEditorがよい。
word?捨ててもいいぞ。


で、
テキストエディタは、
プレーンテキストだけを扱うので、
レイアウトこみのワープロに比べて使いづらく、
いくつかのTIPSを知っておくと便利だ。

以下に僕のものをまとめておく。


1. 明朝体を使うこと

できればモリサワのリュウミンが使えるといいが
(出版社のデフォルト)、
游明朝Lightでもいいだろう。
ゴシックの文章は日本語の美しさ、たおやかさが出ない。
僕の文体は明朝体でないと書きづらい。
自分の文体にあわせてフォントを選ぶと良い。
たまに教科書体や丸ゴシックが合う文章も書きたいときがある。


2. 行間をあけること

行間のコントロールができないエディタはお勧めしない。
大体、どのエディタも行間せますぎね?
僕はデフォルトよりもゆったりと空ける。
そのほうが、「行間を読む」日本語の文章を書きやすい。
主語の省略や余計な言葉を省いて余白をつくるなど、
日本語としての美しい文章を書きやすくなる。


3. 改行コードは非表示推奨

プログラミングでは必要かもしれないが、
日本語に改行記号はない。
非表示がよい。


4. 一行は20、25、30字のどれかがよい

文字数を計算しやすい、キリの良い数字が良い。
一行20字が400字詰め原稿用紙のデフォだけど、
ちょっと少ないよね。
30だと細かすぎるので、僕は25字を使っている。
4行で100字かー、とわかりやすいし。


5. 三点リーダ、ダッシュ(ダーシ)は2文字ペアで

出版社の慣習。
…ではなく……で。
ーではなくーーで。


4. Mark Down記法は無視する

アウトラインエディタとか、Mark Downとかしゃらくせえ。
そもそも構成が頭の中に入ってないやつが、
長文なんて書けるわけがない。
構成だけ別に欲しけりゃ紙のメモで十分だ。

また、
本文中にメモを書きたいときがある。
「あとで戻ってきて○○を足したい」とか、
「ここいまいち」とか、
「○○を調べ直すこと」とかだ。

僕はこれら用に、●をよく使う。
●●●●●●●コメント
などのようにしておくと、
目立つからだ。

Mark Downの半角文字、色でも変えない限り見にくくない?
それよりもモノクロ最強の●でいいじゃん。
■でもいいかもね。とにかくスミが一番強い。
いっとき「鬱」を試したことがあるが、鬱っぽいのでやめた。

あとで●で検索すると、ひとつひとつ潰していけるよ。

「まる」で変換して一個出して、あとはコピペ。
(薙刀式の編集モードだと楽にできる)


5. 見出しは大きくしたいけど

テキストエディタでは、
フォントは同じもので統一されてしまうことがある。
「レイアウトはワープロで」
という原則からすれば当然だ。

だけど見出しくらいは大きくしたいことがある。

そのときも僕は●を使う。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●● 第一章 二人の生活 ●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

とかやっとけば、
スクロールしまくったときに見逃すわけにもいくまい。
もっとデカいのがほしければ前後にさらに足せば良い。

もちろん、書き終えたときは●で検索して潰していく。
有限個だし、作業もそんなにかからんだろう。


6. 紙に印刷して校正する

これ何故かよく言われることなのだが、
紙に印刷した方が誤字を発見しやすい。
また、紙に印刷することで、
考えが客観的になり、
落ち着いてリライトしやすくなる。

なんでかはわからん。

で、モノクロ印刷したときに、●は最強に見つけやすいのよね。
Mark Downとかカラー化したり、
オートインデントしてるよりも、
よっぽど●●●●●…のほうがいいよ。


7. 余計な機能のあるエディタは使わない

テキストエディタの使用用途は、
コーディングのほうが多いかもしれないね。
複数タブの行き来やdefや、レイアウトチェンジや、
環境整備できるのはコーディングには便利だけど、
その分重たくなる。
カラー対応エディタよりも、モノクロのほうが速い。
クラウド?しるか。

ポメラは、そんなものを全部捨てて、
文章だけに特化したものだ。

そのようなエディタを使うとよい。
(残念ながらiTextくらいしか知らない)

コンドームを一枚でも挟むべきではない。
アイデアや名作は逃げていく。



僕はこれだけ突き詰めても、
なお第一稿は手書きで書く。
漢字直接入力可能で漢字変換の手間がいらないし、
充電しなくていいし、汚れてもなんとかなるからだ。
メモも取れるしレイアウトフリーだし、
あとで清書するってわかってたら、
いかようにでも書き換えられて、
ベストを目指すことができる。
(僕の手書き原稿はよく迷路状になる)

まあ、本気でない文章、
プロットレベルやブログや会社の資料は、
テキストエディタで書くけどね。


その本気に、ついて来れるテキストエディタは少ない。
iText以上に軽く、シンプルで、
日本語縦書き特化のものがあったら知りたい。
(設定はやや面倒だけど、
軽さにおいて最強なので、
その一点だけで高評価)


とりあえずオススメTIPSを紹介した。
参考にされたい。
posted by おおおかとしひこ at 12:22| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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