関西の重鎮が次々と世を去る。76歳はまだ早いやろ。
僕的にはざこばといえば「らくごのご」だ。
関西ローカルだったけど、
これが全国に知られていない意味が分からないくらいすごい番組。
客席から3つお題をいただいて、即興で三題噺をやる番組だ。
考える時間は数分。
それでシチュエーションからキャラクターからオチまで考えないといけない。
鶴瓶とざこばという希代の噺家が、アドリブで挑む30分。
(当時鶴瓶は上岡龍太郎ともアドリブの30分「パペポ」をやっていた。
週2本アドリブ番組をやっていたというのはまじですごいな)
三題噺をやったことがある人は視聴者の中にもそんなにいないだろう。
脚本家を目指すならばぜひともやっておくべき基礎課題だ。
それを鶴瓶とざこばは毎週毎週やりつづけた。
ある種の落語の古典的な型をつかったり、コント風だったり、
なんでもいいから面白い話にしなければならない、
深夜のとてもスリリングな番組だった。
ある回で、どうしてもオチを思いつかないざこばが、
泣きながらごめんなさいと謝ったことをよく覚えている。
笑いに必死であればあるほど、大の大人が泣くまでプロはやるのだと、
ざこばの真剣さをよく知った。
鶴瓶かざこばかどっちがやったのか忘れたけど、
「床ずれ」を入れ込めずに、
無理やり「男連れ」に読み替えたのもよく覚えている。
意味だけではなく、音でやるなど、
どんな手段を尽くしてもおもしろければいい、
ということをこれで学んだ。
全盛期の面白いテレビの人たちが、どんどんいなくなってゆく。
「らくごのご」ってDVD化してんのかなあ。ぜひ見てほしい。
ほんものの「はなしをする人」がそこにいる。
2024年06月12日
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