2024年07月28日

脚本の勢いとは、目的に近づく勢いのこと

と考えると、
「勢いのない脚本」をどう修正するべきか、
めどが立つ気がする。


脚本に勢いがない、
というのはよくある悩みの一つである。
(他にはご都合主義やメアリースー、
リアリティ不足、つまらない、
などがよくある悩みだろうか)

で、
この勢いというのをどうやってつくればいいか、
勢いがないところから思いつくことは難しい。

なので、
勢いとはこういうものだ、
とわかっていると、
勢いをつけよう、
などと考えることが出来るわけ。

それを、
「目標に近づいている速度」で考えるとよい、
という話。



ストーリーには目的がある。

それが目の前に近づき、
もうすぐ手に入れられる、
と思えるときが、
もっとも勢いがあるときだ。

あと一秒先に勝利があるときとは限らない。
諸葛孔明を手に入れた劉備は、
勢いがあっただろう。
ずっとずっと先の勝利だとしても、
かなり有利に目的に近づいた、
となれば、それは勢いがあるということだ。

だから、
現在地点と目的達成の間に線があると思って、
一気に近づくようにイメージするとよい。
もちろん、徐々に近づいて、
どんどん加速して勢いを増していく計算でもよい。
いずれにせよ、
勢い=目的に近づく「速度」で定義できる、
(距離は問わない)
というところだ。

全然振り向いてくれない彼女が、
「今日は長いこといっしょにいれるよ」ってなったり、
「案外きみいいやつじゃん」とかなったら、
もうそれだけで行ける気がする。
それが、勢いのある状態ということだ。

セックスという最終目的にはまだ遠いが、
かなりの前進、という意味で、
もっとも勢いがある瞬間、
ともいえるわけだ。


で、
このストーリーの勢いを感じるには、
現在地点と目的地が、
はっきりわかっていないとわからない、
ということだ。
それがぼんやりしていたら、
前進しようが後退しようが、
どっちになっているか分からないからね。

なので、つねに、
目的地と現在地と、どれだけ近づいたかが、
わかるようにしておくこと。

説明台詞をいれろ、
ということではない。
分かりやすくせよ、というだけのことである。


今勢いがないなー、
盛り下がってるなー、
と感じたら、
目的地に近づける勢いをつくるといいのではないだろうか。

あるいは逆のことを考えて、
「遠ざかる」をつくってもいいかも知れない。

ああ、このままでは無理だ、
と不安になり、悲しくなる流れをつくってから、
「いけるぞ」となれば、
勢いが生まれやすくなるかもしれないね。

今遠ざかる局面である、
今近づいていく局面である、
今ぎりぎりまで肉薄したのに、
一気に遠ざかる場面である、
などのようにコントロールしていくと、
みえないが確実にある、
勢い、テンションなどを考えられるようになるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 05:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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