シーン単位、シークエンス単位で考える。
あるシーン、シークエンスをリライトするには、
二通りのやり方がある、
ゴールを変える方法と、
変えない方法だ。
シーンのゴールを変えることはなかなか難しい。
ゴールが変わると、その次も影響を受けて変わり、
それが次に影響して……
と、どんどん影響は波及しいく。
バタフライの羽のはためきが、台風の原因になることも全然ある。
だから、リライトする、という必要性が生じたとき、
ゴールを変えないで変えられるなら、
まずその方針を検討することをおすすめする。
(あとでゴールを変える場合についても議論しよう)
ゴールを変えずに、
その前段階を変えて、
そのリライトの目的を果たせるか?
を検討するとよい。
迷路の入り口を別のところから入って、
同じところから出る、というイメージだ。
入りとゴールを同じにして、
途中経過だけ変えるのは逆に難しいだろう。
だから、
ゴールだけキープして、
それにたどり着きやすい別の入り口を見つけるとよい。
逆算で思いつくこともあるし、
何個かランダムで考えたら、
偶然思いつくこともあるだろう。
ゴールさえ守れば、
何をしてもよい、という条件は、
むしろ一番考えやすい条件でもある。
いい思いつきをしやすいように、
条件を整えることも、
リライトでは大事だったりする。
今書いている話では、
5分にわたる長いシーンだったんだけど、
やりたいことをキープして、
他をほぼ書き直すことによって、
前段階から全部変えた。
印象はよりよくなり、完成度があがったように思う。
「これは何をしなければならないシーンか?」
と問うことで、
「これとこれはマスト」が分かるようになる。
そして、ゴールをマストにすることで、
次のシーン以降への影響を0にするわけ。
(このシーンの何かが伏線になるなら、
それもマストに入れておくべき。
もっとも、その伏線をあとで使わない、
ように書き換えることも可能だろうが)
さて、
もうひとつ残された可能性、
ゴールのほうを変えてしまうとどうなるだろう?
僕がおすすめしない理由は、
「ストーリーが変わってしまうから」である。
もちろん、ストーリーを変えるべきリライトである、
という風に割り切ってやるならば、
やるべきだけど、
ストーリーを変えずにリライトするならば、
ゴールを変えると、あとあと辻褄が合わなくなるよ、
ということだ。
逆に、ゴールを変えて、ストーリーを変えるほどのリライトというのは、
辻褄合わせからやり直すことに他ならない。
なので、骨格からコントロールしなおすことが重要だ。
意味合いとかも変わって来るからね。
シーンの役割すら変わって来るかもしれない。
バタフライの羽ばたきが、
全体を変えることを余儀なくさせるだろう。
もちろん、
まったくよくないものを、
そのように大手術する必要はあるかもしれない。
しかし、よくないという診断に対して、
ゴールを変える大手術が必要なのか、
ゴールを変えずに前段階を変えるだけで、
全然うまく行くのかを、
手術前に診断できる必要があるだろうね。
その方法論も含めて、
リライトの見立て、ということだ。
もしこれまで、
「ゴールをキープして前段階を変えるリライト」と、
「ゴールごと変えるリライト」の、
二つのうちどちらかか?
を意識してこなかったら、
次はそれを意識して、考えることだ。
2024年08月06日
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