ホリエモンあたりからかなあ。
手を動かせる人よりも、
それを使う人の方がえらい、
みたいな風潮が出てきたのは。
仕事を取ってくるほうがえらくて、
手を動かしてるのは下の立場の労働者、
みたいな搾取関係が広がり、
アウトソーシングで決定的になった気がする。
Twitterから。
> 最近本気で怖いのは、手を動かせる技術者より、PMできる技術者が優遇されすぎた結果、いざ不具合本番障害あっても、誰も直せないわからないみたいな事案が目に見えて増えてきてること。
管理だけできてもビジネスはまわらない。手を動かせる人間もいないと、一刻を争う事態で誰も何も出来ない
これはIT業界の話らしいが、
映像業界でも、
こうした流れになりつつある。
マネージャーはいるが、
手を動かせる人のことを知らないから、
物も頼めないし、
強気の人は値切るだけしかしなくて嫌われてて、
弱気の人はそれにつけあがってぼったくる、
みたいな、
「知らない人同士の軋轢」しか、
なくなっている気がする。
かつては全てが同じ会社で、
同じ釜の飯を食い、
相手の職人のことをよくよくわかった上で、
職人たちもマネージャーの回し方をわかった上で、
阿吽の呼吸で動いていたが、
アウトソーシングの結果、
別会社に発注になり、
安く叩き、職人たちは逃げて、
質が下がり、
質を上げるには予算を増やす以外なく、
現場の工夫でどうにかできるのに、
やり方をしらない、
という惨状が広がりつつある。
単純に、
「技術がブラックボックスになってしまった」
ことが大きい。
職人たちは自分を守るために、
他人に技術を伝えなくなった。
だから余計に「マネージャーごときに理解させない」
という感じになっている。
金勘定管理と現場職人は、
こうして乖離していく。
質が上がるやり方とは思えない。
だから、質はさがってゆく。
同じ会社に所属して、
皆が同じ釜の飯を食うには、
予算が上がるか、
中抜き、ぼったくりをやめるしかない。
CM業界は、かなり危険な状態にいる。
かつては、映画会社に、
俳優部も脚本部も演出部も美術部も、
撮影部も照明部も録音部もあった。
それが製作部しかなくなり、
全部フリーランスにアウトソーシングしている。
だから、質は下がっているか、
それを確保するために高額の金がいる。
高額の金を集めるために、
人気芸能人を押さえたり、
人気原作を押さえたりしてきたが、
それも危険水域にきてないか。
もっとも、
質が高いから興行成績があがるわけではない。
だが質の高いものの連発は文化をつくる。
文化をつくらず、目先の儲けに走ったことが、
日本映画転落の原因ともいえようか。
CMはかつて文化をつくった。
流行語大賞が機能していて、
CMからも連発されていた。
それが衰退して、ただタレントのアップに頼り続けている。
日本映画の行先はこうだぞ。
かつての日本の映像の最先端の凋落ぶりはかなり深刻で、
映画がこうなって欲しくないなー、
などと思いながら暮らしている。
対策は、
手を動かす人への尊敬だ。
いや、尊敬的態度などなくてよい。
もっと金を払うだけで良い。
マネージャーを薄給にして、
中抜きを減らすことしかあるまい。
マネージャーをするより職人になった方が得だ、
と思わない限り、
質の向上はありえない。
今は、職人はきつそうだから、
同じ給料なら楽そうなマネージャーやろう、
あれ、マネージャーのほうが給料いいじゃん、ラッキー、
この立場を死守、
ってなってるから問題なのだ。
2024年07月01日
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