前記事の続き。
まるでその人に出会ったかのような感覚を得るまで、
キャラクターは煮詰めていくとよい。
そして、それらのキャラクターが被っていないようにつくると良い。
それは「とある劇団を運営している」という感覚に近いと思う。
ある劇団がある。
どういう劇団がいいか。
キャラクターがあまり被っていないものがよい。
伝統的な歌舞伎だと、
一枚目 座長にふさわしい実力者
二枚目 線が細い斜めに見ている色男
三枚目 おちゃらけ者、ピエロ
のキャラ分けがある。
有名どころでは、ドラえもん布陣もあるだろうし、
戦隊ものの五人布陣もあるだろう。
車田正美がリンかけで発明した五人組の主人公パターンは、
たとえばスラムダンクにも受け継がれている。
どのキャラも被っていない。
しかしどのキャラにも共通点がある。
その塩梅は、先人の作品を観察するとよい。
人気の劇団パターンもあるし、
人気が出なかったパターンもある。
その違いはなんだろうか。
「バランスが取れているか」があるように思う。
キャラが被っていないだけではなく、
それぞれの突出している方向が全然異なる、
ということが大事だと思う。
それらの突出する方向が、似たような方向だとキャラが被っているように見える。
そうではなく、
全然違う方向に突出するとキャラが立ちやすいだろう。
クール/熱血とか、長距離/単距離とか、
性格や得意なことで分けるのはひとつのコツだろう。
そんな風にして、
「個性豊かな集団」としての劇団を運営することをかんがえると、
「あとどういうキャラが欲しいか」
「このキャラはいらないか」などが、
判断しやすいと思う。
劇団プロデューサーとしてのあなたが、
キャラクターメーカーのあなたに依頼すればいいんだな。
あるいは、
キャラクターオーディションを開くあなたに、
こういうキャラを見つけて欲しいんだけど、
と依頼することになるかも知れない。
こうしたときに、
星占いは役に立つ。
12の性格に分れていて、
関係性の基本が定義されているからだ。
応用しやすいのよね。
地の星座ばかりがいるから、火や水も足しとくか、
みたいに判断しやすくなる。
バランスがとりやすくなるわけ。
もちろん、バランスを極端にするという狙いのときには、
わざとバランスを崩すためにも使えるね。
まんべんなく人格が網羅されているものならば、
占いだけでなく心理学の分析法なども使えると思う。
ただ星占いは身近なので、
資料がゲットしやすいという利点もある。
今回書いた話で僕がやってみたのは、動物にたとえることだった。
黒猫、小型犬、引退した闘犬、大型犬、大型の猫、
みたいなイメージで劇団を組んだ。
これなら性質が被らないだろうなあ、という感じで。
というわけで、
その人に出会ってしまった、と思えるまで、
キャラクターを煮詰めたあとは、
それらの複数間のバランスをとっていくことになる。
主人公サイドに反対の人格のものがいて、
喧嘩してもいいし、
敵対サイドに反対の人格のものがいて対立してもいいし、
主人公サイドに似た性格の人がいて仲良くなってもいいし、同族嫌悪に陥ってもいいし、
敵サイドに同じ性格の人間がいて、運命を感じてもよい。
色んな使い方を、劇団の運営のように俯瞰して考えることは、
とても大事である。
一つの作品に対して、
一つの劇団が出来上がるわけだ。
藤子不二雄はドラえもん劇団を、
他の作品でもアレンジしながら使っている。
そういうこともあるだろう。
「持ちキャラ」というやつだよね。
僕の作品でもよく出てくるヒロインがいるらしい。
好みが反映しているのだろう。
と、いうわけで、
ストーリーを書くことは、
ストーリーのうねりやターニングポイントをつくることや、
起伏をつくることであるが、
劇団を運営していくことでもある。
両方ができていないと、面白くならないと思うよ。
2024年08月19日
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