これは一つのTIPSとしてメモしておく。
次の展開が思い浮かばない。
そういう時の非常手段として使ってみてほしい。
そしてそこで書けたことは、
何も車に乗らなくても、
別の場所で実現できたことだ、
と思ったら書き換えれば良いだけのこと。
どうにもこうにもならない、
詰まった時のTIPSだ。
まず登場人物を最低二人、車に乗せる。
乗るところから始めてもよいが、
すでに走ってる途中から始めたほうが、
強制的に始められる。
乗る人数は三人以上でもよいが、
まずは二人の方法論をマスターしよう。
さて。
車は動いている。
どこへ?
つまり、車に乗っている以上、
「目的地がある」のである。
何かを運んでいるでもいい。
誰かに会いに行くでもいい。
ラーメンを食べに行くでもいい。
逃げているでもいい。
風光明媚な所へ行くでもいい。
晴れてても雨でも、夜でも嵐でもいい。
環境は、目的に対して逆境をつくる。
ラーメンを食べに行く目的と嵐だと、
「よっぽどうまいか、腹減ってるか」
の切羽詰まった目的になってくる。
その目的が仮になくてもよい。
事務所への移動中、みたいな、
日常の一場面だとしても構わない。
これは、
密室を作ることに意味がある。
車は、強制的に密室をつくりだせるのだ。
密室に二人、
というのはどちらかがそう意図しない限り難しい。
自室に呼ぶ、
会議室に呼び出す、
デートする、
などの「特殊な文脈」を必要とする。
ところが乗り物ならば、
強制的に密室を自然に作り出せるのだ。
もちろん車でなくてもよく、
「社員旅行で遊園地に寄ってみたのだが、
観覧車に乗る順番が狂って、
上司と二人きりで乗るハメになる」
でも構わない。
「出張先のホテルで、何故か手違いで相部屋の羽目に」
はAVで人気のシチュエーションだね。
車は、
強制的に密室で二人をつくれる、
ことがデカいのだ。
さて、
この時気まずい会話なのだろうか。
仲の良い会話なのだろうか。
普段思ってたが言わなかったことを言うのだろうか。
何かを会話しているうちに、
思ってもみなかった方向へ進むことが多い、
というのが経験則だ。
上司と二人で観覧車に乗るハメになったとしても、
上司が急に新入社員の頃の夢みたいな話をするかも知れないよね。
そういう、「その人の別の面に出会うこと」は、
密室で発生する。
もちろん、デートや、
たまたま会社の居残りの二人、
みたいなシチュエーションもつくれるだろう。
でもそれより、
「車に乗ってどこかへ向かっている」だと、
ふつうに、自然に作れるんだよね。
そして、もし面白いことを言えたら、
その会話を、車じゃなくて、
飲み屋とか、タバコを吸いにきた屋上とか、
観覧車の中とかに、変えてしまえばいいわけ。
そしたら、
そのシーンがその映画の中の白眉のシーンになる可能性も秘めているよ。
それでもなかなか会話が進まないならば、
「目的地まで5分です」とナビに言わせてやれ。
慌てて何かを言うに違いない。
締め切りが来れば人は動くものだ。
告白しようと思ってる男女なら、
急に告白が始まるかも知れないよ。
ロードムービーは、
こうした強制力を使って、
物語を前に進めることが多い。
しかも車だから目的地が持てるし、
絵は常に動いてるし。
車は、映画のためにあるような小道具なわけだ。
僕は免許がないので、
普段車に関するアレコレに関わることはないが、
今書いてる話で、
詰まった時に二人を車に乗せたら、
面白い会話をしたので、
それを採用することにした。
そのことで親密度が少し上がり、
そのあとのシーンに影響することになった。
ちょっと駅まで送ってくよ、
なんてシチュエーションでも、
何かしら小さな事件を起こすことができる。
困ったら車に乗せてみよ。
このコツを知ってしまったら、
車の中のシーンが来たら、
「シナリオライター困ったな」と、
ほくそ笑むことができるね。
どうしてもその次が車のシーンである必然性は大抵ないから、
唐突な繋ぎになることが多い。
それでも話がつながってれば不自然ではない。
どうしても車であるか、はないことが多いね。
だから、まあバレないよ。
車に乗せてみ?
その二人は何か話すだろう。
さて、三人以上で機能するかな?
二人きりの方が話しやすいだろうね。
後部座席のうるさい奴らが寝てしまい、
実質二人になったシーンでも、
同様なことが可能だろうね。
それを寝てた奴がこっそり聞いてて…
なんてことも、のちのち可能だ。
東京の人は電車を舞台にすることが多いが、
田舎の人は電車よりも車関係のほうが書きやすいかも知れない。
田舎の人有利だな。
まあ、都会にはタクシーがある。
飲み会後タクシーで送っている途中に…
というのは良くあるそそるシチュエーションだよね。
2024年08月27日
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