薙刀式大流行!
老いも若きも薙刀式で文章作成!
ってはならないと僕は思っている。
ブラインドタッチそのものをマスターする努力が、
しんどすぎるからだ。
もちろん薙刀式は、
カナ系新配列の中で最もブラインドタッチのマスターが楽な、
最小負荷配列のひとつだと自負する。
だけど、
「ブラインドタッチ」そのものの技能習得が、
万人にできる、
というほど簡単じゃないと僕は考える。
個人的な感覚でいうと、
逆上がりや自転車、縦笛より難しいと思う。
つまり、
小学生が習得できる技能の範疇にない。
中学生の技能だと何があったっけ。
二次方程式の解法とか?
それより難しいんじゃないか。
となると、
高等教育レベル、大学レベルの技能習得。
たとえば運転免許クラスかな?
運転免許クラスだとすると、
メリットが必要だね。
サイトメソッドで700字(変換後)/10分行ける人には、
いらないかもしれない。
ただ、長期的に文章を書く人には、
負荷軽減でマスターすべき技能だと思う。
つまり、ライターや文書を扱う社会人にとって、
運転免許を取得する程度には、
メリットがあるんだよな。
ただし、qwertyのブラインドタッチは、
難易度が高すぎて大型二種をいきなり取りに行くようなものだ。
原付なみの?、薙刀式で十分じゃないかと思う。
8本の指をバラバラに動かすのは、
かなり神経を使う。
僕はタイピングを本格的にやる数年前まで、
左薬指を単独で、
自分の意思で動かしたことがなかった。
グーやパーなど、他の指と連動して動かしたことはあっても、
単独で動かした経験がなかったと思う。
そんな中年おじさんがいきなり標準運指とか言われても、
無理に決まってる。
qwertyのブラインド教本で、
いきなりレッスン1のAQZで苦しんで、
レッスン2のSWXで、もう無理ってなった。
最初にJUM、KI,、HYN、LO.、;P/から始めてたら、
マシだったかも知れない。
だから僕はそのルートを諦めて、
自分用の配列をつくるルートに入った。
(大西配列の大西さんも同じ)
標準運指は難しい。
ホーム段だけならまだしも、
上下もあるし、
一個一個打つだけじゃ意味なくて、
じゃらじゃらと繋げないと言葉にならないし。
体育としても芸術の指遣いとしても、
万人がマスターするには、
練習の手間がかかりすぎるものだと思う。
ここがネックとなって、
「ブラインドタッチが普及する」はないと思う。
格子配列ならまだあったかもだが、
意味のわからない不条理なロウスタッガードでの標準運指を、
マスターせよというのは拷問クラスの苦しみだ。
さらにqwertyの理不尽運指が輪をかける。
よくみんな出来るよな。
柔軟な学生のうちなら出来るのかねえ。
ブラインドタッチが万人にできない理由はつまり、
・そもそものスキルが難しい
・格子配列×薙刀式ではなく、ロウスタッガード×qwertyが、
かなり難しい
・メリットが万人にはない
に集約されるかな。
薙刀式はとても強力な武器だが、
女子高生には過剰な威力かもしれないと思うわけ。
だから、薙刀式を気軽に試せないことが、
そもそもの参入障壁なのよね。
親指シフトでも同様の問題はあった。
だけど親指シフトの場合は、
キーボードを買いJapanistを買えばゲットできて、
あとは練習すればなんとかなる、
という物理環境があった。
それなしで親指シフトをマスターしようという人は余程の変人で、
でも新配列をやろうとする人種は、
それと同じくらいしかいないんだよな。
薙刀式プリインストールキーボードという物理を出したとしても、
「ブラインドタッチをマスターすること」
の努力をさらに支払う人が、
どれくらいいるかだよね。
コストとリターンを天秤にかければ、
すでにやった人ならリターンの方が高いぞ、
といえるのだが、
やってない人がコストを見積もれない以上、
なかなか手を出さないのはよくわかる。
僕が自作配列カタナ式をつくったときは、
やむにやまれぬ事情があった。
小説を書きたいという衝動だ。
そんなものがない人が、
ブラインドタッチをマスターする苦痛を、
乗り越えられるのかなあ、と思う。
ということで、
メリットの方を強調しようと思って、
果実をぶら下げればいいのでは、
と思って、
僕は薙刀式の動画を公開している。
これを見て薙刀式に興味が出れば、
ゴールイメージも湧きやすいであろうと。
それでも、
ブラインドタッチ出来ない人が、
ブラインドタッチをマスターするのは、
かなりの労力だと思う。
qwertyに比べて、
新配列は指の器用度や耐久性に配慮した、
ブラインドタッチに向いている形をしているが、
だとしてもかなりシンドイと思う。
僕がコツコツ追いかけてる限り、
すでに100人以上の人が薙刀式を試し、
その合理性を気に入ってくれているようだが、
それが1万人、1000万人になるかなあ?
というのは疑問だな。
1万人は行くかも知れない。
親指シフターを取り込めるかもだ。
だけど内輪の食い合いをしても、先の発展はなさそうだ。
万人がブラインドタッチで、
スルスルと文章を書く社会。
ワープロが目指した未来は、
結局来なかったんだよね。
作家や記者など、文筆業には、
ワープロ(ほとんどは親指シフト)が、
一旦は浸透したものの、
PCがその文化を破壊してしまった。
新配列の運動は、
そのワープロ文化を取り戻そうとする運動かな?
文筆業以外も文章を書きたい人がいて、
その中のエンジニアたちが、
新配列という合理性の現在のコアなんだろうか。
文筆業の方々は、
インストールとか設定とかよく分かってないから、
薙刀式専用アプリHachiku(Windows)、
Benkei(Mac)の存在は役立つかも知れない。
作者の両氏には感謝しかあるまい。
だけど民間アプリはセキュリティで跳ねられるから、
いずれはIMEに同梱したり、
自作キーボード内のファームになるのだろう。
まだ過渡期である。
ブラインドタッチを苦労してマスターする、
その未来が明るくなければ、
そんな苦痛を好んでする人はいない。
出来るエンジニアたちが集まれば、
上手くいきそうなんだが、
出来るエンジニアほどオープンソースの世界にいて、
自己責任で色々やってね、という感じなので、
下々の人々が使う、
「スイッチオンでつく電気のようなパッケージ」
をつくる人がいない。
商売っ気のある商人が必要なのかも知れないが、
でも商売というほど数がいないので、
まだ商売のラインじゃないのよねえ。
まだまだアンダーグラウンドだ。
でも、
薙刀式動画を見れば、
感度の高い人ならば、
ブラインドタッチのハードルを乗り越えるだけの、
メリットを感じ取れるかもしれない。
一度習得したブラインドタッチというスキルは、
薙刀式を捨てても役に立つので、
その後qwertyをやってもらっても、
別の新配列に移行しても構わない。
そんな感じで、
ブラインドタッチタイピングそのものを、
スキルとして考えるといいのかも知れない。
薙刀式は、カナ配列の中では、
ブラインドタッチマスターのための、
最も簡単な配列でもある。
(ローマ字を含めれば大西配列とかのほうが簡単だろう)
まずは標準運指を、格子配列でマスターしちゃうのが、
一番手っ取り早そう。
左右分割格子配列が、
手軽に供給されてるのが自作キーボードHelixくらいしかないよなあ。
もっと色々出たらいいのにな。
2024年07月17日
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