濃い。濃すぎる。
https://soratobuoyayubishift.com/
この方によれば、
親指シフトのアイデンティティとは、
親指同時打鍵ロジックそのものだともいえる。
でも僕はそうは思わないのよね。
どんなに親指同時打鍵ロジックが優れていたとしても、
親指シフトの文字配列が、
使いやすいとは思えなかったからだ。
左手に負荷が高い、し、か、あたりの不自然な配置、
Q@に句読点という使いにくい配置、
小書きのやっつけ配置
(ニコラに至っては半濁音もやっつけ配置)、
小指の「う」「ん」など、
長期的な打鍵を想定していない小指負荷の高さ、
あるいは、
指の繋がりを意識したわけでないカナの配置、
同手シフトと異手シフトで左右盲が起こること、
など、
使いやすい文字配置とはとても思えない。
だから、
「親指同時打鍵」という処理は優れていたのかも知れないが、
親指ばかりに気がいって、
文字そのものを書く感覚からは、
だいぶん遠いんじゃないかと思ったんだよね。
どちらかというとキーパンチャーのような感覚で、
筆で文字を書く感覚ではないと、
触ってみて感じた。
親指シフターが口を揃えていうのは、
1アクションで1カナが打てることで、
それはとてもいいと思うのだが、
そもそも日本語は5カナや7カナを基本としてリズムが作られているので、
1カナにしかフォーカスしてないのは、
変だと思う。
しかもよく使う語尾なんかは等間隔リズムじゃなくて、
流れるように書かれるはずだ。
親指シフトが想定していたのは、
すべてが等間隔の、お、も、て、な、し、
のようなスタッカートリズムだったのだろうか。
日本語のリズムについてお遊戯レベルじゃないかと思うんよね。
例えば上の文では、
「じゃないかと」とか「思うんよね」なんて語尾は、
とても速くごにゃごにゃとなる。
つまり変拍子、変リズムで考えられ、
表記され、発音されるはずだ。
そのような議論を、
親指シフト側から聞いたことがないんだよなあ。
飛鳥配列が最初に異を唱えたのかな。
薙刀式ではさらにその考え方をすすめて、
話題の語(名詞や形容詞動詞語幹など、
文章の内容によって変わる語)と、
繋ぎの語(助詞助動詞、接続詞や活用語尾など、
話題の語を繋いで膠着語である日本語をつづけるもの。
どんな話題でも必ず出てくる)にわけて、
後者を素早い連続シフトや片手アルペジオで打てるようになっている。
こうした、
「言葉や思考は1カナ1カナのリズムではない」
ことまで立ち入ったのが薙刀式だ。
とはいえ、
親指シフトができた時代は、
そこまで考えられていなかっただろう。
僕は、その続きを考えた、のかもしれない。
そういうわけで、
そんな話は読めないものの、
そのアイデンティティたる親指同時打鍵ロジックについては、
かなり文章量が割かれているので、
興味のある方は一読の価値があると思う。
僕は、親指シフトがベストの日本語入力方式だと思っていない。
新下駄、飛鳥配列、月配列、薙刀式、シン蜂蜜小梅あたりが、
はるかに凌駕していると考えている。
僕は、たかが同時打鍵ロジックと考える。
万人にとってベストのロジックはなくて、
その人にとって使いやすいロジックがあると考える。
なので、
適宜ロジックを変更しながら使えるほうが、
いいと考えている。
(自分の打鍵ログを見ながら癖を知れるのが最高だよね)
ロジックが配列の本質ではなく、
文字をたどる指遣いが、
僕は配列の本質だと考えているので、
ずいぶんと違う世界を覗けたことは大変うれしい。
願わくば、
新配列たちについてどのように考えるのか、
この方の考えを伺いたいものだ。
僕は薙刀式を用いて、
1500字(変換後)/10分程度で自由文を書いていて、
それは動画に多数残している。
世間にある親指シフト動画で、
そこまでの速度で書いているものが現存しない。
だから、親指シフトはそこまで夢の道具じゃないのでは?
と僕はまだ眉唾なのだ。
僕は2000くらいで書きたいが、
色んなものが足を引っ張ってると思って、
現在も物理(自作キーボード、自作3Dキーキャップ)や、
論理(薙刀式)を弄っている。
どうしたらそれが出来るかを知りたい。
親指シフトがそれを達成したかを、知りたいな。
(追記)
このサイト名、空飛ぶモンティパイソンのパロディなのか。
やっとわかった。
ちなみに、空飛ぶスパゲッティモンスター教との関連は不明だが、
同教団は2006年設立なのでだいぶ後発。
2024年07月15日
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