2024年07月16日

【薙刀式】カナ入力は、一吐五打くらい

一息の間に五打打つ。
連打で知られる中国拳法、蟷螂拳の字訣
(4文字熟語でコツを示したもの)だ。

カナ入力がローマ字に比べて本質的なのは、
一吐五打で、日本語のリズムの基礎の5音を一気に打てることだ。


その、理想の様子の打鍵をTwitterで見たので貼っておく。
https://m.youtube.com/watch?si=Z6ipmfWI7ALf6RkA&v=mm-h_0zy9Xg&feature=youtu.be

これはJISカナによる打鍵だが、
その変態運指はあとで論じるとして、
カナ入力方式の、1アクション1カナによる打鍵が、
「概念の捻り出し」に楽出来ていることを示している。

これがもしローマ字方式ならば、
1カナあたり平均1.7打必要なので、
5音を書くのに8.5打必要、ということになる。
この手間が脳を削る。

削られていない感覚が、動画の打鍵の感覚、
ということである。


美しい日本語は、5音と7音を基調とし、
これを多用するのは五七調などと呼ばれ、
詩歌の基本である。
朗々とした調子のいい文章は、
これらを多用するものだ。

5音を5アクションでぐしゃっと潰し、
7音を7アクションでぐしゃっと潰す、
(ないし5+2で1.5拍で行く感じ)が、
「日本語を書く」感覚に近いと思う。

タイピングに必要な指は8本しかなく、
7アクションで潰せるような単語や文節はあまりない。
なので、5音5アクションが、
普通にぐしゃっと潰せる標準になろう。

つまり僕が言いたいのは、
「5音を5アクションでぐしゃっと潰す」が、
1アクションになる、ということだ。

日本語のリズムの最小単位=5音が1アクションになるのが、
カナ入力方式の、最大の利点だと僕は考える。


文章を書くときに、
カナに分解して考える人はいない。
単語単位、文節単位だろう。
それは5音を基礎とする。
(前後のバッファは多少ある)

その一単位を1アクションでぐしゃっと潰せると、
文章を書くのに捗る、
ということなのだ。


これがローマ字式だと、
8.5アクションで必ず指が足りず、
1アクションでぐしゃっと潰せなくなる。
7音だと11.9打必要になり、
2アクションで潰せるかなー、というくらいになってしまう。

ここが、「母国語を書いている」感覚から遠ざかるのだ。


もちろん、
qwertyローマ字が、
ある種の過渡期措置であり、方便に過ぎないことくらいは、
多くの人々は理解しているだろう。

本気で「ちゃんとした文房具」を考えるとき、
ローマ字方式で書くよりも、
カナ方式で書くべきだと考えるのは当然だ。




だけど、
そのカナ方式のデフォルトであるところの、
JISカナがクソみたいな配列なのが問題だ。


もう一度動画を見てみたまえ。
これを訓練で打てるようになるとはとても思えない。
数字段だけでなく右小指外2列のフルキーを使うブラインドタッチは、
曲芸中の曲芸レベルだ。
だから競技タイパーの中でもJISカナタイパーは圧倒的に数が少ない。

この競技タイパーたちのせいで、
「カナ入力は難しく、選ばれた人のみのもの」
という先入観ができてしまった(?)のは、
大変残念なことだ。

「JISカナは難しい」は真である。
しかし、
「カナ入力するのに、JISカナを使わなければならない」は、
真ではない。

カナ入力は、JISカナと、それ以外にもあるということだ。



その他カナ入力方式を、
カナ系新配列などと呼び、
たくさんたくさんある。

その中でも薙刀式はかなり使いやすいカナ配列だ。
親指シフトでもいいよ。ロートルすぎるが。
もちろん新下駄や飛鳥でもいいし、
シン蜂蜜小梅や月配列でも構わない。

これらのうち月配列を除けば、
「1カナ1アクション」なので、
「5音を1アクションでぐしゃっと潰す」が、
可能になるのだ。



カナ入力方式のベストはまだ決まっていない。
だけど、どのカナ系新配列も、
JISカナより抜群によい。
JISカナ配列がクソすぎるだけだがね。

もしあなたがカナ配列をつくっていいよ、
と言われたらまずどうする?
一番使うものをホーム段に持ってきて、
手の運動を楽にするよね?

JISカナはそんなことすらしていない。
だから動画のように、あっちこっちに指が飛ぶわけ。
競技タイパーだから出来るけど、
こんなことができるのは日本に30人くらいだろうし、
このまま小説10万字を書けるとはとても思えない。


上にあげたカナ系新配列なら、
どんなものでももっと指を動かさなくてカナが打てる。

僕は薙刀式の作者なので、
薙刀式が一番いいぜという。

証拠は薙刀式の打鍵動画に示したので見てくれ。
30本以上上げた。
この競技タイパーほど速くはないが、
5音程度を一気にぐしゃっと潰しているさまが、
よく分かると思う。
そして競技タイパーみたいな無茶な動きではなく、
中年のオッサンでも十分ついていける速度だとわかるはずだ。

他の新配列の動画もKIHでたくさん収録できたので、
それらを見比べるのもよいだろう。



カナ配列は、JISカナを最低レベルとして、
それよりもっといい配列がたくさんある。

本気でデジタル物書きをやるならば、
カナ入力方式のほうが文章を書くのに本質的だし、
だったらJISカナ以外の新配列を検討するべきだろう。

(漢直もありだが、僕はまだそこまで知らない)





ちなみに武術の世界では、
一吐五打の蟷螂拳が強いかというと、
重たい一撃を一発打つ方が強いんじゃね?
(たとえば八極拳)
という反論もある。

でもデジタルタイピングなんだから、
一打の価値は同じなんだよな。

じゃあ一吐n打(指は8なので最大8)が、
いいんじゃないの?
posted by おおおかとしひこ at 14:01| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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