たまに検索してみるとよい。
たとえば今書いてる話では、
30過ぎの男女が主人公だ。
このシナリオが「映画化しよう」となったとき、
演じるのは、
誰もみたことがない俳優が演じるのではなく、
具体的な、今活躍している、
人気スタアが演じて、公開されるわけだ。
30代 俳優
30代 女優
などで検索すると、
具体的な人気俳優の羅列を見ることができる。
僕のシナリオの主演俳優主演女優は、
この中にいるはずだ。
誰がピッタリかを探そう。
そして気づくわけ。
「この中からしか、選べない」ことに。
ヒロインは長澤まさみのイメージだったけど、
彼女ももう37かーとか。
ガッキーもいい歳で、30ちょいの役は厳しいかもなーとか。
年齢的に合うのは、二階堂ふみ、西野七瀬。
パンチが足りねえなあとか。
松坂桃李は今35かー、丁度いいか。
年齢的にはむしろ菅田将暉が近いけど、
菅田将暉にこの役のイメージないよなーとか。
仮に松坂桃李を主演にした場合、
彼より強いライバルの同級生が出てくるんだけど、
誰なら納得する?とか。
イメージは鈴木亮平だったけど、
彼ももう41なのよね。
もっと年齢的にも合う俳優を探さなければならない。
ライバルを松坂桃李にしたら、
じゃあ主人公は誰がいいかな?とか。
そんなわけで、
俳優が持つイメージは、
彼らがすでに持っているストーリーがあり、
我々の書くシナリオと合わないことがある。
仮にピッタリな俳優を見つけたとしても、
向こうに断られることもあるわけで、
第二候補になったら急にショボくなることもあるよね。
また、
その人気俳優が決まったら、
その役と合わない部分が出てくることもあるかもしれない。
俳優が調整するか、
シナリオを変更してその俳優に合わせた役に書き直すかでいうと、
後者が現実的だ。
その時に、
そのシナリオが目指していた方向性が変わり、
本質が変わってしまったとしたら?
じゃあ、あまり知られていないけど、
ぴったりな俳優を持ってくる?
どんなに役に合ってたとしても、
その○○○○主演、と宣伝されて客が来るかい?
松坂桃李や長澤まさみだったら、
何でもいいから見たいというお客さんは、
結構いるだろう。
あとは内容が良ければヒットのルートに入れる。
でも知らない30過ぎの俳優と、
知らない30過ぎの女優が出てたら、
アカデミー賞クラスの脚本でも、
誰も見ないかも知れない。
さあ、こうした現実的問題は、
シナリオと実制作の水際で、
毎日起こっていることだろう。
あなたは、いずれこの問題を扱うことになる。
誰をその役に当てるのか?
その俳優に合わせてシナリオを書き換えるか?
あなたは、俳優たちにある程度詳しくなるべきだ。
マニアになる必要はない。
知名度や、その俳優の持っているこれまでのストーリーを知るべきだ。
世間一般の程度で良い。
そうすると、
少なくとも「役に合うか、合わないか」が、
分かるようになる。
肝心の役に関しては、
あなたが死ぬほど努力して、
ついに作り上げたキャラクターだから、
あなたが知りに知り尽くしているはずだ。
それを、誰に受肉させる?
という話だ。
そして、現実の俳優たちが演じるわけだから、
僕の書いてる今の話では、
30代 俳優 30代 女優
で検索した、誰かになるしかないんだよね。
よく知っている原作の映画化で、
微妙に合ってない俳優があてがわれている違和感を、
感じたことは何回もあるだろう。
あなたのシナリオがそうなったとしたら、
そんな嫌なことはないだろう。
だから、
○○○○はどう?
とすぐに言えるように、準備するべきだ。
仮にその人がNGなら、
じゃあ○○○○でも行けるよね、
などのように切り返せるかということだ。
その俳優が持っているバックストーリー。
これまでどんな役でヒットを飛ばしてきたか。
あの役のあの感じを求められてるのか。
それとも新しい役どころか。
それが今度○○役をやります!というニュースバリュー。
それがあなたが心血を注いで作ったキャラクターを、
受肉させるに相応しい器。
脇役はまあいっぱいいるから安心して良い。
問題は、興行に直接関わる主演クラスだ。
菅田将暉、二階堂ふみ主演、ライバル役松坂桃李
ならまあ客は入るかな。どうだろ。
松坂は主演じゃないと断るかしら。
主演にした場合、周りとの釣り合いはどうだろう?
松坂桃李 長澤まさみ主演、ライバル役鈴木亮平だと、
話に対して老けすぎているかな?
第二案は? 第三案は?
そんなに沢山候補はいないよね?
あなたのキャラクターがオリジナルであればあるほど、
今いる俳優たちとは違うキャラクターだからね。
でも、
誰か人気俳優が演じる未来だけは変わらない。
そして人気俳優は無限にいなくて、
有限の人数しかいなくて、
あなたのキャラクターを演じるのは、
その有限個の組み合わせの中にしかない。
だから、
俳優にはある程度詳しくなるべきなんだよね。
あなたはオーディションをしたことがあるだろうか?
ほとんどの人はないだろう。
100人200人の中から、
正解を見つける自信はあるかい?
昔タイロケに行った時の、夜の話。
今夜の夜伽を選びに行くと、
ガラス張りの向こうに100人くらい、
美女が番号札を持ってにっこり座ってて、
そのひな壇から番号指名で連れ出すスタイルだった。
後輩と二人で行って、
悩んで選びきれず、
「もう一軒も見よう!」とか迷ってるうちに、
一体誰がベストなのかわからなくなってくる。
「最初の店が一番レベル高かったな!」
って戻ると既に売れっ子は売れてて、
売れ残りしかいなくて、
「初見で選んどけばよかったあああ」と、
後悔したことをよく覚えている。
まあその時は事前に何百人を見ることができなかったから、
ワンチャンを引くしかなかったギャンブルだったんだけど。
俳優は夜伽ではないが、
これと同じところがある。
いざ選ぼうとすると選べない、
この中から選ぶしかない、
ピッタリじゃないと嫌
(新しい組み合わせのマリアージュもあるけど)、
という点で同じだ。
だから、
事前に何百人も見ておくべきで、
腰を据えて選ぶには、
比較できなければ意味がないわけだ。
取らぬ狸の皮算用ではないが、
いずれ選ぶ場面がやって来る。
俳優に詳しくないと、
「うーん迷う、次の店も行ってみよう!」と、
彷徨うことになるだろう。
「あ、いるじゃない、そこに」と、
遊び慣れた紳士のように選べるようになるには、
数百人を比較できなければならない。
「全く同じではないが、こうすればしっくり来る」
を選択するにしても、
その数百人に詳しくなければできないよね。
映画は、良くも悪くもその主演俳優でイメージがつく。
「○○主演の○○ジャンルの映画」と扱われ、
「あなたの書いた映画」とか、
「○○がテーマで○○がモチーフの映画」とか、
「三幕構成が○○のようである映画」とは扱われない。
主演がその映画の看板になり、
顔になるとはそういうことだ。
2024年08月31日
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